LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

日本のベッド事情、和式と洋式。

2016-01-04 20:31:17 | インテリア
前々回にアップした、「正式なベッドメーク」で、ベッドについて言い足らなかったことを、書こうか書くまいか数週間考えました。

考えた末、日本のベッド事情には「和式」と「洋式」があるという、誰も語らなかった事実を書くことにします。

「和式」「洋式」というと、なんだかトイレみたいでイメージ悪いですか?

であれば「和式」→「Japanese Style」、「洋式」→「Western Style」と言い換えます。

日本の一般家庭のベッドは9割以上Japanese Styleであると推測します。
ホテルのベッドのみがWestern Styleになっています。

Japanese StyleとWestern Style、どこがどう違うかといいますと、ベッド本体の規格には差が無いのですが、
寝具、特に布団が決定的に違う、ということが言えると思います。

Japanese Styleの、シングルベッドのベッドマットのサイズは、約1000×2000mm、それに対応する掛け布団のサイズは1500×2100mmです。
ですが、掛け布団のこのサイズというのは、実は畳に敷布団を敷いた状態に合わせた掛け布団のサイズなのです。
はっきり申し上げますが、1500×2000の掛け布団は、ベッドだと両脇が寸足らずの物が乗っかったように見えるサイズです...。

ベッドに美しく布団が掛けられた状態は、両脇の垂れ下がりが30cm以上必要です。
つまり、シングルベッドにはセミダブルサイズ1700×2100mmか、ダブルベッドサイズ1900×2100mmの掛け布団の大きさが必要になります。

では、サイズを一つ大きくしてセミダブルサイズ以上の布団をかければWestern Style のベッドになるのでしょうか?
答えはN0です。
日本の場合、布団が分厚すぎるのです。
モッコリ、フカフカした分厚い布団というのは日本独自のものです。

欧米ではベッドに分厚いマットレスを乗せ、上にかけるものとしては、ブランケットとごく薄いもの、さらにその上をベッドカバーなどで被います。

日本の住居はもともと床のレベルが地面から30cmほど上がっていて、あらかじめ畳というマットが敷かれているので、分厚いマットを敷く必要はない。
ですが、掛け布団はどっしりと重く分厚いのが良しとされていました。

日本と欧米の、綿文化と羊毛文化の違いが、布団のスケールに如実に現れています。
布団のフィリングが綿から羊毛または羽毛へとマテリアルが変わったとしても、サイズと分厚さはずっと残ったままとなっています。

Japanese Styleのベッドは、敷布団がマットレスに代わっただけで、かたくなに「和式」丸出しなのであります。

あ、なんかJapanese Styleのベッドが「ダサい」「おかしい」と敵に廻しているように聞こえちゃいましたか?

いえ、そうは思っていませんのでどうか誤解しないでください。

私は布団が大好きです。

私は、畳の部屋にヘッドボードの無いラタン製の低いベッドを置いています。
ベッド、マット、分厚い布団を含めたベッドの高さは28cmです。
冬の掛け布団の両脇の垂れ下がりが25cm、その上をコットンブランケットのベッドカバーで被っています。
ベッドカバーというのは、剥き出しの寸足らずの布団を隠すのと、モッコリ感を緩和するという二つの役目があります。
夏は、セミダブルサイズの薄がけを掛けているので、垂れ下がりが両脇35cmあります。その上にさらに同じサイズのガーゼのブランケットをかけて、見た目すっきりです。

室内装飾家として、日本製のベッド、日本製の寝具で美しいベッドができないか、いつも試行錯誤しています。

こちらは、一番最近のベッドのスタイリング事例です。



ダブルベッドに、43×63cm、50×70cm二つずつ枕を置いています。
ダブルサイズのフラットシーツを敷き、クイーンサイズのフラットシーツを巻き込んでベッドメークします。
さらに大きなベッドカバーを折ってフットを被うように掛けます。
夏だったら、ホテルみたいにこんな風に、タオルケットではなくシーツを使うというのはどうでしょう。

こちらはモデルハウスの寝室で商業空間なので、実際に使うわけではありません。

ですが、手に入りやすい国産の寝具とカバーとで、きっと誰にでもできる現実的なスタイリングになっていると思います。




























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