LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

飛騨・高山暮らしと家具の祭典

2007-09-27 12:35:17 | インテリア
岐阜県高山市では、毎年「飛騨高山暮らしと家具の祭典」が開催されます。



”飛騨・世界生活文化センター”というコンベンションホールで
飛騨の家具メーカーのコラボによるテーマ展示をメインに
各メーカーのブース展示、その他には学生のデザイン展や
「飛騨の匠」展と言って、飛騨の匠(近世の飛騨大工の総称)の
足跡を知ることのできる大工道具や資料などの展示が見られました。

高山市、飛騨市内では同時に各家具メーカーが
自社ショールームにおいて新作を発表します。

実は今回、仕事の現場の合間をぬって飛騨まで行ったのは
キタニさんで開催される講演会が第一目的でした。

講演会は「北欧から学ぶ生活デザインと技術の伝承」というもので、
北海道東海大学教授 織田憲嗣氏のお話が聞けるというのです。
私にとって織田先生といえば、6月宇都宮美術館で見た
“北欧モダン デザイン&クラフト”展に展示されていた
北欧の家具の8割が、氏の個人蔵だったことに
ド肝を抜かれていたばかりだったということもあり
気になってしょうがない存在です。(ミーハーですみません。)

先生のコレクションは1000点を上回るものだといいます。
一体そんな膨大なコレクションを、どうやって集めることができたのか、
そしてそれらをどうやって管理していらっしゃるのか。
もう興味津々で、織田先生にお会いしたくてたまりません。

織田先生は、北欧家具の研究者として、コレクターとして有名な方ですが、
経歴はもともとイラストレーターでいらっしったといいます。
また高島屋でお仕事をしていらっしゃったという、
ビジネスマンの経験もお持ちの方です。

会場では写真撮影禁止でしたので、ツーショット写真(毎度の図々しい記念撮影)
は残念ながら叶いませんでしたが、
先生のトレースによるフィン・ユールのポスターを
思わず買い求めました。



こちらがそのポスターです。

ちょっと見にくいのでアップもご覧ください。



キタニさんは2012年(フィン・ユール生誕100年にあたる年)に向けて
”フィン・ユール邸 建築プロジェクト”を計画しています。
(株)キタニの敷地内にフィン・ユールのお家と同じものを建てるというのです。

ポスターはそのプロジェクトのために制作されたものです。

キタニさんのショップは新宿高島屋にもあります。
10月10日から2週間、同ショップで「フィン・ユールの世界展」が
開催され、13日、16:00~「フィン・ユールと私」という内容の
織田先生の講演が催されます。
「これはまた聞きに行くしかない。」と思っている
ほとんど追っかけ状態の私でございます。

高山では、いつもお世話になっている飛騨産業さんのショールームにも
行って参りました。

そこでまたすばらしい椅子を見ることができました。
ショールームに入ってすぐに、あの 柳 宗理氏の“柳チェアー”が
展示されているではありませんか。



この“柳チェアー”(1976年)は、当初天童木工が製造していました。
その後、BC工房によって復刻、製造されていましたが、
長く商品化されていなかった幻の名作椅子です。

柳 宗理氏から、「目の黒い内に、もう一度“柳チェアー”を世に出したい。」
という旨の直々のオファーが飛騨産業さんによせられ、
この度再び商品化されたということです。

木工の土地飛騨の確かな技術力を持った優れたメーカーが
この椅子を再び世に送り出すことができたということは、
家具の歴史上の大変意義の深い、素晴らしい事件だと思います。

数あるメーカーのなかでも、優良なメーカーが多く
飛騨に存在するということは、飛騨出身の私にとって
大変誇らしいことです。

キタニさん、飛騨産業さんのこれからの展開を
楽しみにしています。

良い家具を提案し、家具にふさわしい仕事を
私自身していかなければと思っておりますので、
どうぞよろしくお願いします。

永井より、家具に愛をこめて・・・。