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リタイアーのよもやま話

「敗者」から見た日本史大全

2016-08-26 21:22:59 | 読書

「敗者」から見た日本史大全

を本屋で偶然に見かけて、購入した。

負けた側に立てば
あなたの歴史観がひっくりかえる!

あの重大事件・合戦・争乱の真実

◎乙巴の変で蘇我氏は無実の罪で
殺された

◎大将が強すぎて負けた甲斐の武田
軍団

◎赤穂浪士は幕府のお膳立てで討ち
入りに成功した

司馬遼太郎は、江戸開城以降の
西郷隆盛の行動について、理解
しがたいと語ったが、その理由が
この本で述べられている。

その説明の見事さに、圧倒されて
ている。

通説の過去が、新しい視点で、
論じられる。

そして、目の覚めるような
思いをさせられる。

このような知的驚きを経験
をすると、本を読み続けて
きて、報われる思いがする。


私たちが、学校教育で、刷り
込まれた敗者について、
この著書のような視点で、
振り返ってみると、多く
学ばされるものがある。

敗者と言われた人たちに
なんと、多く語りかけるもの
がああること。

勝者に劣らず。

前に

お金の流れで読む  日本の歴史

元国税調査官
大村 大次郎

元国税調査官が
「古代~現代史」にガサ入れ

の感想を述べたが、

この本も、ぜひとも、高校の
必修副読本になってもらい
たいものだと思った。

もちろん、歴史好きの読書人
にも、ぜひ、読んでいただけ
ればと、思われてやまない。

これらの才能に出会えて、
幸運だったような気持ちで
いる。

著者に、感謝である。

今後も、このような驚きに
出会えたいものだ。

 


村上海賊の娘

2016-08-07 23:31:22 | 読書

          「村上海賊の娘」を読み終えた。

2014年に本屋大賞を受賞した
ことを記憶している。

その時には、興味を抱くことはな
かったが、どういうわけか、最近
ふと読む気になって、一気に読み
終えた。

読む人を飽きさせない話の展開は
心地よい。

今までに、読んだ本には、無かっ
たことだ。

この手法を持ち得た著者に拍手で
ある。

登場人物を多面的な視点で描き、
その有り様が見事で、多いに、
楽しく本を読み進めることがで
き、嬉しい。

そのような著者の力量に完敗で
ある。

とくに、3~4巻の木津川合戦
の合戦描写は、見事である。

今まで、中国の戦記物、日本の
戦記物、そして、今ローマ人物
語を途中まで読んでいるが、
どの本でも読んだことのない複
雑な合戦模様を描ききった著者
のパワーには圧倒され、その力
量に拍手である。

このような時代物が好きな人に
とって、読まれてしかるべき著
書のひとつではと、感服してい
る。

それにしても、いい時期に読め
たと、喜んでいる。

あと少し年をとると、短気記憶
が、一段と劣化して、読み通す
ことはできないかもしれない。

そのくらい複雑な構成で、今、
一人安堵している。

幸運でした。







竹内薫の自分はバカかもしれないと思ったときに読む本

2016-07-29 21:21:36 | 読書

竹内薫の自分はバカかもしれな
いと思ったときに読む本

というのを読んだら、面白い文章
が出てきた。

 

以下、下はその抜粋である。

 

 天才には時間が降ってくる

 いわゆる天才を見ているとです
ね、集中の時期がほんとうにすご
いんですよ。

ただね、自分で進んで集中する時
間を確保しているんじゃないよう
に思えるんです。

 たとえば、ニュートン。彼の場
合は、たまたま疫病が発生したん
ですね、ペストです。それで大学
が閉鎖されて、仕方なく故郷にあ
る時期戻ってたんです。

そのあいだにあまりやることがな
いから、とにかくノートを整理し
て、いろいろ考えているうちに重
力理論を作っちゃったんですよ。
その時間を作り出しだのは彼自身
ではなくて、いってみれば社会現
象ですよ。だからもし疫病が発生
しなかったならばニュートンの重
力理論は生まれなかったかもしれ
ない。

 アインシュタインもそうですね。
大学に残れなかったから、仕方な
く特許庁に勤める。どうも、午前
中で仕事はぜんぶやっちゃって、
午後は暇だった。その時間を使っ
てとにかく集中して考えてたから
相対性理論ができちゃった。自ら
好んで集中する時間を確保したわ
けじゃないんです。

 スティーヴン・ホーキング博士
もある意味、そうなんですね。彼
の場合は病気を発症します。AL
S(筋萎縮性側索硬化症)ってい
う、筋肉がだんだん動かなくなっ
てくる病気です。その結果、考え
る時間がものすごくできちゃった
んですよ。
こういっては悪いですが、彼は病
気を発症する前は特になんの輝く
ものもない、普通の学生だったん
ですよ。それが発症してから変わ
ってきて、すごい論文をたくさん
書くようになっちゃった。もちろ
ん彼が選んで病気になったわけじ
ゃないですから、運命の巡り合わ
せによって集中する時間ができち
ゃったんです。

 だから、なんといえばいいのか、
天才というのはそういう運命の下
に生まれてるんですね。集中する
時間が降りてくる。「おれも時問
さえあれば……」っていう人がよ
くいるんだけど、それがやって来
ないのが運命なんですよね。天才
のところにはそれが来るんです。
あるいはそれが来た人が天才と呼
ばれるのかもしれない。
こればっかりは自分で作ってはい
ないんですよね

これは非常に不思議ですね。

だから、天才はおそらく自分か
らはなれないんでしょうね。

巡り合わせでたまたまそういう
集中できる時開ができたかどう
かなんですよ。ただ、もちろん、
その時問にパチンコやってたら
ダメですけどね。

 

以上。

 

とんでもない視点で、天才を
とらえていて、それも説得力
があって、びっくりしている。

 
それはさておき、凡人は凡人
なりに、ささやかな才能を磨
くに、やはり、考えさせられ
るものがあるのではなかろう
か。


世界史の10人

2016-07-11 19:53:33 | 読書

世界史の10人

出口治明

文芸春秋

を読み終えた。

だいぶ時間が経ったが

「全世界史」講義
教養に効く!
人類5000年史
Ⅰ古代・中世編

出口治明

新潮社



「全世界史」講義
教養に効く!
人類5000年史
Ⅱ近世・近現代編

出口治明

新潮社

を読んでいて、彼のファンに
なった。

今度も、期待を抱きながら
読むことにした。

結果、最高でした。

できれば、詳細を書きたかった
が、残念ながらできない状況に
ある。

今、自治会のアルバムのデジタル化
の作業をしていて、わがスキャナー
がダウンして修理中である。

だから、本のスキャンをして、詳しく
紹介したいのだが、できない。
すごく、残念である。

このスキャナーウィンドーズのXP
のノートブックパソコンを購入した
時に、一緒に購入したので、
きっと、13年以上を経過している。

だから、部品もないはずなので
あまり期待できない。

その後継機が、1万ちょっとで
買えるを知って、愕然とした
のだが。

ところで、
世界史の10人を読んで、大いに
反省した。

なんと、マルクスの軽薄さに。

次の言葉、カエサルの言葉である。

『人は喜んで自己の望むものを信じる
ものだ。』

『人間はみな自分の見たいものしか
見ようとしない。』

勿論、マルクスのことである。

次は、ネットにあって興味深かった内用
である。

共産主義もまた社会進化論のパラダイム
に則って
いた。

現にカール・マルクスはダーウィンに進化論

唯物史観の着想に寄与したとして資本論
の第一
巻を献本している。マルクスは、あく
まで社会進化
論が資本主義の存続を唱う
点と一線を画し、資本
主義自体が淘汰され
ると説いた。

ところで、マルクス主義の三つの源泉という
言葉があった。

ドイツ哲学、イギリス経済学、フランス社会
主義

これである。 

哲学者たちは世界を解釈しただけだ。
問題は、世界を変革することなのだ。

とマルクスは言ったのだが、しかし、
彼がやったことは、

自分の都合のいいように

全く関係のないドイツ哲学、イギリス
経済学、フランス社会主義を継ぎ接ぎ
して、夢を見たようだ。

その根幹に、進化論があったとは、
一体全体、マルクスになんのオリジ
ナル性があったのだろう。

今でいうと、思想の「コピペ」でしか
ない。

このような輩に、これまでの人生の
大半を消耗してきたとは。

この本を書いた出口治明氏は、
なんと1948年の生まれである。

大いにショックを受けている。
一つの上の先輩がいち早く
あの時代の桎梏から自由に
なっている。

それにつけて、わたしは、今の
今まで時代の桎梏にのたうち
回っていたとは。

最近、この演奏で、卒業写真を聴いて
いる。

あまり歌いすぎない。

この曲は、えてして、歌いすぎて
音楽が重たくなりがちだ。

その点、この歌いっぷりは、遠い昔
に淡い思いを抱きながら、聞き流せ
る。

少しずつ、過去が忘却の彼方に
遠のいていく。

若干、心地よさを伴って。

拘っていた日々が、少しずつ
霞んでいく。心地よさを伴い
つつ。

 

 

 


質問 老いることはいやですか?

2016-06-16 22:47:05 | 読書

この前、偶然にテレビで確か
2チャネルを見た。

すると、落合恵子が

質問 老いることはいやですか?

なんて、しゃべっていた。

詳しいことはメモを取れなかった
ので、覚えていないが、ネットで
調べると、その時の内容と関係す
ると思われる文章があった。

老いてから、見えること

女性の自立や環境・社会問題などを
テーマに執筆している落合恵子は、
人はいくつになっても成長し、変わ
り得る存在であると思えると述べた。
「質問 老いることはいやですか?」
を執筆している間、同じ質問を自分
にしていたという。エッセイ集には、
山田洋次さん、谷川俊太郎さん、な
かにし礼さん、黒井千次さん、笹本
恒子さんらとの対談が入っている。
人生を山形のカーブで描き、その下
降の線を老いと呼んできた。気力と
体力は比例するものだと痛感させら
れることも多いし、記憶力も落ちる。
1960年代の米国の編集者・作家・文
芸評論家であったマルカム・カウリ
ーは「何かを探すのにかかる時間の
方が、探した何かを使うよりも長く
なった時あなたの老いは始まってい
る」としている。しかし老いの中に
は、欲望の鎖から自分が気持良く自
由になっていく実感があるという。
年齢を重ねることでよりデリケート
で果敢な、体験者、実験者、伴走者
になれると考えているという。老い
は捨てたもんじゃなく、深まるもの、
広がるものがあると話した。そして
健康を損ねた場合にも、そのまま支
え合えるような社会や政治、福祉を
大事にし、声を上げる責任と権利を
果たしたいとした。米国の小説家メ
イ・サートンの「私から年齢を奪わ
ないでください。働いて手にしたも
のです」という言葉が改めて心に響
くと述べた。

以上。

その上の文章で、
老いは捨てたもんじゃなく、深まる
もの、広がるものがあると話した。 

というのがあるが、そのようなことを
落合恵子もしゃべっていたような気が
して、同感するものがあったので、本
を買ってよんだ。

本をそのものは、日常のエッセイに
思えた。特段変わった内容ではない。

その本の中で、

「老いることはいやですか?」。本書
タイトルに対するわたしの答えは┄。
「いやではありません」。 

と記している。

このようなことを語っている彼女の
本を読んで気づいたことは、彼女は、
作家という職業がら、定年という言
葉も退職という言葉も関係ない身分
であるという羨望の身分である。

それに、彼女の私生活の豊かなこと。

このような恵まれた老年では、老いる
ことが、いやであるはずはない。

余談だが、老年について、蘊蓄を述べ
る方々は、定年も退職も関係ない人々
が殆どで、国民大多数の定年・退職と
いうものがついてまわる人々にも、該
当する話であるかは、割り引いて受け
止める必要があろう。

そうはいうものの、件の私も、病院で
寝たきり父親がいて、家では老いた母
と共同生活をしており、身動きの取
れない思いはするものの、現実とし
て、父親の財産を管理していることも
あって、隠れ貸家業で若干の余祿に与
っている。

そのようなこともあって、完全に定年
退職して、年金生活にある人と同じ生
活ぶりで、心情的にも同じあるかは、
疑問である。

「老いることはいやですか?」。
と自問自答した場合、それほどでもな
い。

なんて、言葉出てきて,若干落合恵子
に同調ぎみである。

退職して、10年近く経つのに、退職
しているという場面設定なのに、職場
で、アラーム設定をどうしようなんて
うろたえている夢を見る。

退職前の20年のうち、そのうち14年
は、毎晩居残りで残業ばかりして、職
場の戸締りかかりだった。

わたしが、定時に帰ったりすると、
同僚が大慌てで、帰宅の準備をして
いたのを思いだす。

本当は、私が無能だったはずだ。その
分、時間と体力と注げるだけの金で
必死に追いついていたのだろう。

そのような生活から、今解放されて
いる。

24時間営業、年中無休なんて、嘯い
て生活していた。

無理をしても追いつけたのは、
幸運だったかもしれない。

いや、職場がそのような無理を許容
してくれたのが、幸運だったかもし
れない。

そうでなければ、仕事についてゆけ
ないわたしは、きっと「引きこもり」
になっていたのかもしれない。

世知辛い話だが、とりあえず年金生活
を享受することができた。

これは、きっと、自分の人生は幸運
だったというべきかもしれない。

今の生活は、かなりだらけて、休む
合間に仕事をしている。

信じられない生活をしている。

「老いることはいやですか?」。
と自問自答した場合、それほど
でもない。という言葉が出てくる。

○背伸びする必要がなくなった。

○楽しいことを探す時間と精神的
ゆとりがでた。

○多くの不条理から解放された。

○風景を愛でる基準が若いころと
全く逆になった。

○驚いているのは、鉄やステンレ
スが匂うようになった。

○若い女子に気軽に話しかけられる
ようになった。

○今、身動きが取れないという焦燥
感はあるものの、もしかして、人生
で今が一番幸せな時ではないかと
思えていること。

○20代や30代の自分が嫌いになっ
たこと。なんと愚かな人間だった
こと。

○身の丈にあった贅沢で楽しく
あろうと思えるようになったこと。

○建前で、ものを考えなくてすむ
ようになったこと。

○本を読むにも自分の興味を最優先
してよくなったこと。

○やはり、親を思うゆとりが持てる
ようになったこと。

○老年になって、味覚、視覚、嗅覚
触覚等繊細になってきたように思え
ること。

○定年退職で、どこか、苛立つもの
があることは、否定できないが、そ
れでも、昔に比べれば、自分の我が
儘最優先し、精神的に贅沢な生活を
している。

「老いることはいやですか?」。

と自問自答した場合、それほどでもな
い。いいこともけっこうあるものだ。

である。



わたしが、現役時代、You Tubeは無かった?

今、ネットで気ままに音楽を聴いて過ごしている。

これも、想像だにしなかった贅沢なことだ。

老いるのも、わるくはない。