ヤフーのニュースである。
同じタイトルだが、二件のニュースがあった。
【ニュース1】
<氷河期>CO2が幕引き役 深海から大量放出で
気温上昇
毎日新聞 4月5日(木)20時21分配信
約1万年前に氷河期が終わりを迎えた最大の要因は、二酸化
炭素(CO2)の急増だったとの分析を、米ハーバード大など
の国際チームが突き止め、5日付の英科学誌ネイチャーに発表
した。
CO2の増加が地球環境に大規模な変化をもたらすことを示す
成果として注目される。
氷河期が終わった原因について従来、地球の公転軌道が変化
し、大規模な気候変動が起きたこととの関連が指摘されてきた
が、CO2が大きな役割を果たしていた証拠を得たのは初めて。
チームは、過去の大気をそのまま閉じ込め、当時の気温も推計
できる南極の氷床や、気温に応じて増減する花粉、プランクトン
の分布など、世界約80地点のデータを集め、氷河期末期の気温
や大気中のCO2濃度の変化を解析した。
その結果、2万1500~1万9000年前に太陽を回る地球
の軌道が変わったことがきっかけで、氷河期の欧米を覆っていた
氷が溶け、大量の水が大西洋に流れ込んで海流の循環が変化。
深海に蓄積していた大量のCO2が大気中に放出されたと結論付
けた。気温はその後地球全体で上昇、氷河期が終わったと推測さ
れる。
チームは「地球の軌道変化がきっかけではあるが、CO2が増加
したことによる影響が大きい。現在も大気中のCO2は増え続けて
おり、温暖化がより進行するのではないか」と指摘している。
【田中泰義】
【ことば】氷河期
地球では約260万年前から、寒冷な気候で氷河が発達した「氷河
期」と、温暖で氷河が縮小した「間氷期」が繰り返されてきた。
氷河期には、大陸に厚い氷床が発達して海水面が下がり、間氷期に
は氷が溶けて海水面が上がる。
約10万年続いたとみられる最後の氷河期は約2万年前にピークを
迎え、約1万年前に終わった。現在は間氷期に当たる。南極の「ド
ームふじ基地」で掘削された氷の分析によると、現在の同基地での
気温は、氷河期だった2万年前に比べて約8度も高い。
【ニュース2】
CO2急増が氷河期終わらせる 温暖化で米チーム
約1万年前に地球規模の温暖化で氷河期が終わった最大の
要因は、大気中の二酸化炭素(CO2)の急激な増加だった
とする研究結果を、米ハーバード大などのチームが5日付の
英科学誌ネイチャーに発表した。
チームの研究者は「現在は氷河期の終わりより早いペースで
CO2濃度が上昇しており、大きな影響が出る可能性がある」
としている。
チームは約2万2千年前に太陽を回る地球の軌道の変化で
北半球の陸の氷が局地的に解け、海流変化が起きて約1万9千
年前に深海から大量のCO2が大気中に放出されたとみられる
のを突き止めた。
以上。
どうして、あんな遠い過去のことが分かるのか、不思議でなら
ない。
「大量のCO2急増が氷河期終わらせる」という論理だが、
なんなく、違和感を感ずる。
「CO2急増」は、どの程度だったのか。どの程度大量だった
のか。現在の「CO2急増」と、そのメカニズムがどの程度
違うのか。
記事にはこうある。
その結果、2万1500~1万9000年前に太陽を回る地球
の軌道が変わったことがきっかけで、氷河期の欧米を覆っていた
氷が溶け、大量の水が大西洋に流れ込んで海流の循環が変化。
深海に蓄積していた大量のCO2が大気中に放出されたと結論付
けた。気温はその後地球全体で上昇、氷河期が終わったと推測さ
れる。
チームは「地球の軌道変化がきっかけではあるが、CO2が増加
したことによる影響が大きい。現在も大気中のCO2は増え続けて
おり、温暖化がより進行するのではないか」と指摘している。
である。
現代のCO2急増は、工業化等の人工的環境の増大が、もたらした
のであるが、
「氷河期の欧米を覆っていた氷が溶け、大量の水が大西洋に流れ
込んで海流の循環が変化。」
この地球的規模のメカニズムが、昔と違って、発生していないのに、
同じ様に結論づけられるのだろうか?
このようなメカニズムが発生するほどの、「太陽を回る地球の軌道
が変わったこと」ことそのものは、どの程度、太陽の影響を地球に
与えていたのだろうか。
このあたりの検討がなされないのは、片手落ちのような気がするの
だが?
かつての温暖化は、「大気中の二酸化炭素(CO2)の急激な増加」
が原因だったのか、そのようなことを引き起こす「太陽を回る地球の
軌道が変わったこと」が原因だったのか、どちらだろう。
こちらの検討をしてもらいたいと思うのだが。