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リタイアーのよもやま話

妻へ(ジェイへ)

2010-06-08 22:43:54 | 若い時に読みたかった本
「最後の授業」という本を読んでいる。

できれば、ティーンエイジャーの頃にこの本を読んで
いたらと、切に思っている。


その中で、死にゆくランディ・パウシュが、奥さんへの
想いを語る文章がある。

このような文章、若いときに読めていたらと、ため息が
でてしまう。

おそらく、大方のわたしたち団塊の世代に欠けていた考え方で
あろうかと思っている。


以下、本より抜粋。


面倒見のいいジェイは、自分の面倒を見るのをよく忘れる。

肉体的にも精神的にも疲れ切ったら、だれのことも助けられ
なくなる。

幼い子どもの世話はとくにそうだ。

だから、1日のうちのたとえわずかな時間でも、一人になって
自分の充電をすることは、弱いことでも利己的なことでもない。



僕の親としての経験では、小さな子どもがそばにいながら、
元気を回復することはむずかしい。

自分を優先させる時間も必要になると、ジェイもわかっている。

彼女はまちがいをおこすだろうし、それを受け入れれば
いいだけだと、僕は彼女に何度も話している。

僕が生きていれば、同じまちがいを二人でおかすだろう。
まちがいは子育ての一部だ。

一人で子どもたちを育てているせいだと自分を責めては
いけない。

一人で子どもを育てる親は、物を与えて埋め合わせをすると
いう罠にはまるときもある。

でも、ジェイは分かっている。

物を与えても、いない親のかわりにはならない。

それどころか、子どもの価値観を育てるうえで障害になり
かねない。

ジェイがいちばん大変になるのは、多くの親と同じように、
子どもたちがティーンエイジャーになるころだろう。

ずっと学生と過ごしてきた僕は、ティーンエイジャーの父親
として認められてきたと信じたい。

厳しい父親だが、彼らの考え方を理解していた。

その時期が来たときにジェイのそばで助けてやれないのが、
とても残念だ。


でも、いい面もある。

友人や家族もジェイを助けたいと思っていて、ジェイも
助けてもらうつもりでいることだ。

子どもはさまざまな人に愛されることが必要で、親を
失った子どもは特にそうだ。

僕の両親は、僕の人生に重要な影響を与えるのが、自分たち
だけではいけないとわかっていた。

だから父は僕にフットボールをやらせ、グレアム監督に預けた
のだ。

ジェイも僕たちの子どもに、〝グレアム監督〟を探すだろう。


以上、抜粋。



若いころ、このような考え方に触れていたら、わたしも結婚する
勇気がわいたかもしれない。

「時すでに遅し」であるが、それでも、いい話を聞いておくのは、
心が豊かになりそうで、気持ちがいいものだ。