住まい造り・・・・・建築の機能から考えていくことにもイロイロと。
建物は、内と外を分けることで、
基本的なその機能を定義していますよね・・・・・・。
屋根を葺いて雨をしのぐ。
壁を立てて風を遮る。
建物の最も基本的な性能は、
暮らしの為のシェルターであり、
人間の生活を自然の厳しい環境(風雨や気候の変化)から守ることです。
つまり、人間が快適に住むことを
担保するためのひとつの手立てが建物であり、住まいとなる建築である住宅です。
近代以降、知恵と技術によって
自然以上に「人」にとって快適な環境を、
人工的に創造できると信じられていますよね・・・・・・。
画一的で均質的な誰にとっても快適な環境の事です。
数値を入力すれば、
その測れる環境が瞬時に形成される快適さです。
それは一定の成功を納め、
現在の私たちはその恩恵を大いに受けていると言えるかもしれませんよね。
でも・・・・・・内と外を隔てて、
人工環境的性能を充実させればさせるほど、
シェルターとしての性能を向上させればさせるほど、
建物は閉ざされて、外に対して閉鎖的なものとなっていきます。
住宅は隣地との関係性を失い、
近所付き合いは影を潜め、
背を向けた内向きな考え方で暮らしが形成されていきます。
それは自然や環境との「程よい付き合い」から距離を置く
住み方を意味します。
さらに、先へと考えを進めると、
建物が「人」へ孤立を強いているようでもありますよね・・・・・・。
シェルターの機能を満たして、かつ、
それでも物理的な面でも、心理的な面でも
開放的で明るい開かれた建物を考える事。
快適な室内環境機能を満たしてもなお、
室内と屋外の関係を築き、
豊かな自然を受け入れつつ・・・・・・程よく、
人付き合いを含めた地域性を「建築」からデザインするように。
そこにしかない、そこでしかできない環境があるはずです。
商品の性能だけでの快適だけを考えて、
「現場と暮らし」を見ない設計があれば、
それはどのような暮らしが待っているのか・・・・・・・。
暮らしの本質が崩れていくように、
その設計は、それを見るための目を失っているかもしれません。
部屋と部屋。屋外と室内。建物とその周辺環境。
人工物と自然・・・・・・。
そんな相反する概念にコミュニケーションを育てること。
テクノロジーに人間的な豊かさを加えること。
考えてみませんか・・・・・・。
僕が建築家として設計する住まいは、暮らしを見直して、満たす事の意味を考え、
自然や社会、環境との調和を試みることに他なりません。
「カタチ」だけではない部分でもそうです。
技術進歩でのテクノロジーと人の
アナログ的な暮らしのパワーバランス・・・・・。
建物の役割は、厳しい自然環境との付き合い方をもう一度見直し、
一つ一つ暮らしを問い直し、暮らしの器とし続けることです。
建築という「カタチ」あるものを媒介にして
多くの局面でコミュニケーションを発展させることです。
人と人、人と自然、部屋と部屋、
内部と外部のコミュニケーションを、建築を通して育てることです。
イロイロな意味で、「コミュニケーションのある建築」を目指すように・・・・・・。
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