伐倒技術について、予想外に話題になっているので、一つ貴重な写真を。
これは戦前撮られた、吉野の間伐風景です(奈良県林業写真帳より)。間伐と言っても、太さから80年~100年ものの木のようですね。
複写ですのでぼけていますが、ちゃんと山側に倒しています。切り株までは見えませんが、その上に切り口を乗せています。
そして樹皮を剥く。これも葉枯らしに必要なことなんですね。皮を剥くには、アオキの幹を使います。この木をへらのようにして、まだみずみずしい樹皮の下に入れると、面白いように剥けます。この際に手につく樹液は、手をすべすべする効果があります。もしかして、何かに使えるかも。
このまま半年くらいすると重量も半減します。
(確か杉は9月頭あたりまで、檜は10月近くになっても簡単に剥けたような・・・違っていたら誰か教えてください)
玉切りした残りや細い間伐材は杭に作って後で使えるようにしておくのですが、その先端の切り方は3本(断面が3角になるようにする)がヤマの常識だと怒られたことがあります。
何も考えないとつい4本、つまり土に食い込む部分の断面を4角形にして平気でいたりするけれど、3本と4本とでは実用の価値がまるで違うことも実務で体感して理解できました。
ヤマの話しって、細かいことでも拾いあつめると面白い知恵がいっぱいあるものですね。
私も、杉の皮剥きは9月までにやらないと剥きにくくなると聞いたことがあります。
でも私がやったときは、11月でも12月でもつるりんと剥きやすかったな。
場所や伐倒時期にもよるのかな。
子供たちにやらせると大喜びしてくれるんですよね。
これ、持って帰りたい!とか言い出すの^^
逆に言えば、隠された技術が山ほどあるということです。それを伝承するのは大変。杭の先を3面にするか4面にするかなんて、載っているテキストないでしょう。
杉の皮も、昔は商品でしたから、丁寧に剥いたのでしょうね。
でも耐える(使えるもの)に加工するにはぼろぼろしすぎるかな。
女性や子供のクラフトにはヒノキの皮、
屋根とか外装とか、駐車場や道にしくとかなら、スギの皮が
いいかな。
あとは抹香でしたか・・・
私ね、間伐にいって休憩がてらヒノキのかわをはいでいたら
「何にするの」って冷たい目で見られたんですよ。
林業関係者の偉い人(多分)でしたけど、なんか残念だったなぁ。
そんなこと知らない「エライ林業関係者」って、怪しいなあ。
この樹皮を剥く仕事も、伝承の技です。原皮師(もとかわし)は、立っているヒノキにぶり縄つかって登り、きれいに剥くそうですよ。木は枯れずに、また皮を発達させていく。
その専門の会社が、和歌山にあります。
もしかしたら、そういう懸念があって「偉い」さんが声をかけたのかもしれませんね。
6月に原木市場でセリ落とした杉材でチェンソーアートやってるんですが、根曲がりの部分でなくて先端の太い枝のあったところあたり、玉切りして抛っておいたらどっちが上だったかわからなくなってしまった。
枝の切り口のアテの方向をみて年輪幅の広いほうが下(広葉樹なら逆)だと判ってはいるんだけれど、漫然と太さだけで上下を判断しようとすると戸惑うような材もありますね。
チェンソー作業で大量に出る切りくずは積み上げておいて近くの落ち枝葉と一緒に火力をつけて焼いて翌朝真っ白なオキになるまでそのままにしておきました。 ま、地主さんが焼いて片付けてくれと言うからそうしているんだけれど、オガクズを燃やす技ってのも余り簡単ではありませんでした。