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森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

自治体数は2000割れ

2006-02-20 00:21:27 | 田舎・田舎暮らし

20日、岩手県奥州市、群馬県渋川市、山梨県中央市、茨城県土浦市、宮崎県延岡市の5つの市が新たに誕生し、大合併前に3200を超えていた全国の市町村数は2000を切り1998となるそうだ。

 国がもくろんでいた自治体数1000にはまだ遠いが、よくぞここまで減ったものだ。市町村数の内訳は、市が763、町が1006、村が229となる。おそらく一番減ったのが、村だろう。

ただし、市の中に村という地名を残すケースもわりとある。和歌山県の龍神村が田辺市龍神村になったように。
逆に、市に合併したのだからと、村を町にするケースもあるようだ。福島県都路村が、田村市都路町がよい例である。

これらの例から、町、村などに対する意識の差を感じる。関西は、わりと「村」であることを自慢する傾向があるのに対し、東北は「村」に遅れた田舎的イメージを持つのかもしれない。もっとも、市になりたい気持ちはどこでも強そうだ。多少権限も強まるようだし、大きいことはいいことだ、的感覚もあるのだろう。

そういえば奈良県明日香村は、「村」を残したいからと合併を拒否した。全国的にも反対運動が広がっていた。実は私も、20年も前に明日香村を取材した時、「人口的には町に昇格することもできるが、あえて村にとどまるのだ」と村の担当者が言っていたのを思い出す。
明日香村のブランドイメージを欲しくて合併を推進した周辺の市町は、明日香村の離脱で、合併協議会そのものを瓦解させてしまっている…(^o^)。


五島列島の黄島

2006-02-15 10:49:10 | 田舎・田舎暮らし

昨夜、なんとか帰宅した。
13日は見事な快晴だったのに14日はいきなり荒れ模様。帰りの連絡船が出ないとか、飛行機が飛ばないとか心配させられたが、なんとか帰って来られた。この旅の中身については、改めてこちらのブログやら自らのHPやらに記したいが、限界集落と思われた島に意外な事情もかいま見られた。

ところで、行ってきたのは、五島列島のもっとも大きな福江島の沖合にある黄島。おうしま、と読む。周囲5キロ程度の小島なのだが、かつては「水と木さえあれば、福江の城下に負けはせぬ」と謳われたほど繁栄していたそうだ。
その理由は、捕鯨と農業である。人口も1200人を数えた時期もあった。

そして山は頂上付近まで耕されていた。実は私は20年前にも訪れているのだが、その際は山の上まで畑が広がっていた記憶がある。小さな島の大平原、だったのだ。

しかし、今回はその平原がすっかり小さくなり、どこも灌木が繁っていた。人口が50人まで減り、高齢化も進んで耕す人がいなくなったのだ。その結果、森林化が進む。

なんとも皮肉な事情であるが、日本全国で起きていることの縮図でもある。

 


限界集落

2006-02-12 22:16:05 | 田舎・田舎暮らし

田舎について考えると、行き着くところは過疎問題。

田舎の定義の一つが、人口の少ないところなんだから仕方がないが、最近考えてしまうのは過疎の行き着く先

過疎が止めどなく進行すると、次にくるのは「限界集落」である。
信州大学の教授が提唱した概念らしいが、人口の半分以上が高齢者となり、すでに集落としての機能を失いつつあるところを指す。
学校、診療所、そして商店などは姿を消す。祭などの行事はもちろん、必要な農地や道路の維持さえできなくなり、公的交通や郵便機関からも見放される。今冬だと、雪下ろしができなくて家ごと潰れる集落も現れた。

後は廃村を待つばかり。それが限界集落だ。

いつ、ボタンを掛け違ったのか、政策のどこが間違ったのだろうか。

そんなことを考えながら、明日から長崎県の五島列島の離島へ出かけてくる。人口は50人ばかりだそうだ。


田舎からの視点

2006-02-03 23:16:45 | 田舎・田舎暮らし

久しぶりに大阪の街に出た
実は、今年になって初めてである。電車に乗れば25分で都心に着き、みんな通勤しているのに、私は山にこもる日々(^^;)。

大阪の街は、どんどん変わる。知っていた店が消え、想像もしなかった店がオープンしている。町の景色も新しくなってしまった。何を見ても新鮮。というか、完全に田舎者の視点で街を見ていた。

そうか、私は田舎者になったのだ、と妙に安心感を持った。
私の住んでいる街では、先月市長選挙があり、市長が交代した。4選めざした現職が落ち、37歳の現役では全国一若い市長が今日誕生した。何かと黒い噂の耐えなかった開発優先の前市長に反対し、大規模開発反対を唱えて登場した新市長。

普通なら私も喜ぶはずである。事実、前市長には飽き飽きしていたのだ。選挙前は、なんとか新しい人に交代してくれないかと思っていた。
しかし、新市長を観察し発言をチェックすると、暗澹たる気分になってきた。政策的な問題や、本人の資質・能力など、理由はいろいろある。

が、今日になって気づいた。私は、新市長の都会性に引っかかっているのだと。
彼は、ニュータウン(の意識)の住人なのである。関東生まれで移り住んで6年。街について詳しいと言えないし、選挙戦で口にするのは現在の批判ばかり。これまでの地域の歩みを全否定する。自然を守りたいと言いつつ、自然や地域性に関する知識は低く、顔をニュータウンの住人に向けてしゃべっている。なぜ当選したかと、したり顔で分析する。

私の視点は、いつのまにかジモティになっていたようだ。おらたちが長い時間かけて作り上げてきた街の悪口ゆーのは許せねえ。市民はニュータウンだけに住んでるんじゃねえ。住んで数年の若いモンがなにわかったようなことゆうか……。

ちょうど、春に出版する本を書き上げたところである。田舎暮らしに関する本だが、主題は移住者を迎える田舎側の視点。その影響だろうか?

 


合併したい…?

2006-01-11 23:29:26 | 田舎・田舎暮らし

今日の朝日新聞の論壇に、千葉県の本埜村村長の投稿が載っている。

ようするに、小さな自治体では、今後の運営は厳しいので、合併したいのだが、隣の候補となる市はなかなか動いてくれない。ここは県レベルで強制的に合併を指導してほしい…という意味だと読んだ。

なんか、情けない……。

自治体合併が続いているが、合併しない自治体には3種類ある。
1、断固自主独立を保ちたいという自治体。
2、合併してもメリットのある自治体が近隣にないため、諦めたところ。
3、合併したくても、周りに拒否される自治体。

1と2は、わかる。茨の道でも、自分で選んだのだから。でも、3は……。
よほど借金を抱えているのかもしれないが、自ら売り込む郷土自慢のネタもないのだろうか。強制的に合併させてくれ、とは。
たしかに財政などを考えると、小さな自治体ではどんなに努力しても追いつかない状況にあるのは理解できる。

しかし、なあ

自分では結婚を申し込めないから、親に相手を口説いてくれと頼んでいるのか。
こんな自治体と一緒になるの、いやだよな(笑)。 

今執筆しているのが田舎暮らしに関係した本なので、どうしても受け入れ側の田舎の現状が気になる。移住者が多い田舎とほとんどいない田舎があるが、その違いの一つが、こんな気概の差かもしれない。