人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

口蹄疫

2010-05-20 05:58:06 | Weblog
 今日は久々にブログに向かっている。実は韓国旅行をしてきたので簡単
な旅行記を書いてみようと思ったのだが、意外な拡大と大きな被害に発展
しつつある宮崎県の口蹄疫について書いてみたい。

 そもそも感染経路が明らかでないまま徐々に拡大しつつある口蹄疫。
牛やブタなど蹄を持つ家畜しか感染しないと言う特殊な伝染病である。
宮崎県には畜産農家が多いだけに深刻な問題だと言えよう。

 実は過去にも、この県内では口蹄疫が発生している。こうした前例を
考えれば病原体であるウイルスが密かに生息していたとしても不思議では
ない。姿を見せず徐々に毒性を高め、一挙に伝染を始めたのかも知れない。

 宮崎県は日本でも有数の畜産の盛んなところであるようだ。今の東国原
知事が就任した直後に鶏の病気である鳥インフルエンザが発生した。この
時は幸いにも早めの対処が成功し、最小限の被害で押さえ込むことが出来た。

 前回の経験があっただけに知事を初め県の関係者も何とかなるのでは
ないかと思っていたのではなかろうか。そもそも感染対象がないところでの
このような病気は発生しない。高密度な畜産であればあるほど感染力は高く
その危険性は大きい。

 実は、こうした状況を作りだしているのは人間である。その点から言えば
人間が作り出した現代病と言えるのかも知れない。人間の飽くなき欲望は
より豪華な食事を求め、より旨いものを求めて限りがない。

 私達が子供だった頃には滅多に口にすることのなかった食肉がふんだんに
出回るようになり、簡単に食することが出来るようになった。一方、農家も
より儲けの多いものへと一斉に飛びつき、多くの農家が牛やブタや鶏などを
肥育するようになった。全ては人間の果てしない欲望の結果である。

 また、人の移動は広範囲になり、広範囲な移動が様々な乗り物によって
実に簡単になった。牛やブタは勝手には移動できないし、移動もしない。
感染範囲を広めたのは牛やブタではなく人間である。人間がウイルスを持ち
歩いて多くの家畜に感染させている。

 悲しいことに、ことの良し悪しは別にして、畜産で生計を立てている人が
大勢居ることである。これらの人達は忽ち生活の基盤を失ってしまうことに
なる。降って湧いた天災のようなものであり、実に気の毒である。

 野党である自民党は対策が後手に回ったことを与党の責任のように言って
いるが、それは当たらない。東国原知事がインタビューで答えていたように
鳥インフルエンザの時と同じように簡単に押さえ込むことが出来ると思って
いたのではないだろうか。

 ところがウイルスの感染力は想像以上に強かった。ただそれだけのことで
ある。人間の欲望の対象にされた牛は罪もなく大量に殺されていく。これを
人間のエゴでなく、なんと表現すれば良いのだろう。そして天災ではなく
人災である。

 聞けばある畜産業差は口蹄疫の疑いのある牛がいることを知っていながら
放置していたらしい。こうなればますます人間サイドの行いが問題となる。
全ては人間の諸行によるものである。

予告

 韓国旅行のタイトルは「隣国から見た日本」に決めている。近くにある
国でありながら、国の有り様が異なる国である。反面、共通するところも
多く、隣国韓国から見ていると日本のあり方も見えてくる。古くから行き
来の多かった国である。そして同じ民族の血が流れている国でもある。
コメント (5)
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