人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

ドバイショック

2009-11-30 06:53:08 | Weblog
 昨年のリーマンショックもおさまりきらない昨今、今度はドバイショック
である。

 ドル安、ユーロ安の反面、円は急激に高騰し、立ち直りかけた輸出
産業に大きな打撃を与えかねない状況になってきた。政府は先の選挙
で約束した民主党のマニフェストの見直しを行ってまで緊急な予算の
見直しを迫られている。

 ドバイ首長国という国は中東にあって石油の産出国である。いずれ
枯渇するであろう原油の将来を見越して、一大商業リゾートを目指し
各国から大型投資を呼び込んできた。

 衛星画像でも確認できるような奇妙な形の宅地造成を行い、その上
に神の領域をも脅かすほどの高層建築物を次々に建ててきた。まさに
砂上の楼閣であった。

 そもそも需要のない建物を何故造り続けてのきたのだろう。それは
単純に人間の欲深さに根ざしたものであった。

 リーマンショックの時も同じであった。いずれ支払いが滞ることが
予想された低所得者に低金利のお金を貸し付け、次々に新しい住宅を
建設し、その建設資金への投資を呼び込んできた。その貸付金の回収
が滞って、資金繰りが上手く行かなくなり、ついには破産と言うこと
になってしまった。

 その背景には、債務保証におおよそ価値のない格付け評価という
見せかけを行い投資を呼び込んできた。信用の根拠など全くないものに
あたかも信用があるように見せかけたのが格付け評価である。

 上辺だけの信用という鎧の下に、実はとんでもないものが隠されて
いたのである。

 実は首都圏の再開発を初めとした日本の建設ブームも同じ事であった。
それが何年か前に経験した日本発のバブル崩壊であった。考えてみれば
私達は同じ過ちを三度も経験したことになる。

 私は早くからこうなるであろう事を見越してホームページにも書き
ブログにも書いてきた。その通りになったのである。全ては必要のため
ではなく、お金に踊らされてきただけの話である。

 天を突くような無用の長物が、今まさに崩壊しようとしている。これを
現代の「バベルの塔」と呼ばずして何と呼べば良いのであろうか。

 このショックの影響は少なくない。当分続くのではないだろうか。
私達は、もっとお金というものの在り方を考えなければならない。
本当に必要なお金とそうではないお金と、同じお金であっても二通り
あることを考えてみたい。

 お金がお金を生むような現代の錬金術は存在しない。また、お金は
必要最小限あればよいと思うのだが。
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