人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

児島活弁シネマライブ終わる

2009-11-05 05:15:35 | Weblog
 私にとっての大任でもあった児島活弁シネマライブが終了した。
昨年に比較すると入場者数にやや不足はあったものの大方の評価は
良く、まずまずの成功だったと言えるのではないだろうか。

 今年は前座で行った「突貫小僧」口演は「むっちゃん、かっちゃん」
こと矢吹勝利本人とその妻の夫婦で演じた。本番は言うまでもなく
「佐々木亜希子」弁士によるチャップリンの「消防夫」と、キートンの
「セブンチャンス」であった。

 これに楽士としてNさんとTさんが加わり、いずれもエレクトーンに
よる二重奏であった。エレクトーン二台による演奏は、まるで管弦楽
のように豪華であった。

 それにエレクトーンが作り出す鐘の音などの擬音が加わり、まさに
現代映画に於けるバックグラウンドのように壮大なスケール感があった。

 これに佐々木弁士の巧みな声の使い分けや解説が入り、いつかしら
往年の名画がリメイクされて現代に甦ったような感があった。初めて
鑑賞した人からは感激の声やメールをたくさん頂いた。関係者一同
ホッと安堵の胸をなで下ろしているところである。

 会場の前には石原裕次郎の主演映画やフーテンの寅さんやSF映画
の草分けである「ゴジラ」の看板などを派手に並べての演出であった。
この看板に誘われるようにして会場に入り「今日はこの映画を上映する
のですか」と質問した人もいたくらいで、宣伝効果は抜群であった。

 この看板、実は貰い物である。かつては倉敷東映などで看板書きを
していた人が制作したもので、それを倉敷の町おこし行事の際に使用
したものらしい。その関係者が長らく自宅で保管していたものだが
もう使うこともないだろうと譲ってくれたものである。

 それを今年の夏の日に倉敷まで取りに行き、やっとの思いで車に
乗せ、持ち帰ったものである。大きなものが5枚もあった。

 実はこの看板のことが私達関係者の間で話題になり、この看板に
描かれている映画の上映会を開いてはどうかと言うことになった。
なかなか手続きなど難しいこともあるようだが、実現すれば素晴らしい
ことに違いない。

 さて、児島活弁シネマライブも5周年を無事終えたものの、これから
先をどうするかと言うことになってくる。正式な反省会はしていないが
打ち上げの席では、このまま続けていこうと言うことになっている。

 また、佐々木弁士サイドからは子供向けのワークショップ等を開き
子ども達やその両親を巻き込んだライブにしてはどうかという提案も
頂いている。

 いずれにせよ折り返し地点に立ったわけで、これから先は一工夫も
二工夫も要るところであろう。また、楽士を担当してくれたNさんや
Tさん二人には、喜ばしい話が舞い込んでいる。

 佐々木亜希子弁士が所属している会社のオーナーから来年の広島市
映像文化ライブラリーでの活弁口演に二人を招待したいという話が出て
いる。一回切りの口演で終わるのは惜しい演奏だったと言うのである。
何と児島活弁シネマライブは、なおも発展系で前進を続けているので
ある。

 確かに無声映画は音楽だけで見せるように作られているわけで音楽
を付けて見せたのは欧米の映画鑑賞の文化である。それに十分応え
うるだけの曲である事を考えると、今回使った曲を、もう一度多くの人に
楽しんで貰いたいと思っているのはプロダクションのオーナーひとりだけ
の思いではない。ぜひとも実現して欲しいものである。

 活弁という素晴らしい映画文化が、この日本にあった事をもう一度
思い出して貰いたい、若い世代にも受け継いで貰いたいという強い思い
から始めた児島活弁シネマライブが大きな花となって、いま地方から
開こうとしている。「活弁よ永遠なれ」と心から願っている昨今である。
コメント
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