最近、政治的なことには関心のない若者の間でも憲法を変えた方が
良いと考える若者が増えつつあると聞いて驚いています。定職に就けず
フリーターなどをしながら生活している若者だと言います。
彼らがそのような考えを持つようになった背景には、いくら努力
してもその努力が報われないとか、格差社会の定着によって自力では
現状を変えることが出来ないと言うあきらめや焦燥感にあるようです。
彼らは、こうした現状を打破のために憲法を変えて軍事力を持ち、
その軍事力を背景に自分の周辺の環境を変えてしまいたいと考えて
いるようです。実に短絡的で危険な思想だと言わざるを得ません。
彼ら若者は先の第二次世界大戦やそれ以前の明治、大正、昭和と
私たちの親や祖父母達が歩んできた暗く惨めな日本人の生活を何も
知りません。また、私たち世代が味わった戦争直後の貧しい生活も
知りません。
それは学校教育の中で近代日本が歩んできた歴史をほとんど教えて
いないからです。江戸から明治にかけて日本は急速に軍事国家へと
体制を整えていきました。そのためには国民の生活も犠牲にされて
きました。
というよりアジアを植民地化しようとしていた欧米列強と互角に
対峙していくためには軍事力の強化以外に選ぶべき道はなかったと
言っても良いかも知れません。
元より資源など、まったくない国ですから国民総生産の大半は
軍事力強化に注がれ、地方のインフラ整備などをしていく余裕など
全くなかったのではないでしょうか。大正、昭和になっても地方は
相変わらず江戸時代と大差ない生活環境でした。
冷害や干魃など飢饉に喘ぐ農村では人身売買も平然と行われていた
ようです。年頃の娘は売春婦として売られていきました。こうした
農村地帯の疲弊に対し、義憤を抱いた兵士達によるクーデターも試み
られました。このクーデターは失敗に終わりました。
中国の革命などを支援した政党政治の中心的存在であった犬養木堂
(毅)さんは、軍閥の放った刺客によって殺害されてしまいました。
その後は政権の中枢を軍閥が握り日中戦争を経て日本は戦争地獄へと
転落していったのです。犬養さんが生きていたなら日本の歴史も又
異なった方向に進んでいたかも知れません。
憲法九条が書き換えられたとき、軍閥の台頭によるこうした動きに
歯止めをかける事が出来るのでしょうか。シビリアンコントロール
などと簡単に言いますが、今日の自由や民主主義というものを自らの
手で勝ち取ってきたヨーロッパ諸国とは異なります。
市民革命を起こし自らの力で今日の社会を作ってきたフランスなど
には、軍の中にも根強く民主主義が定着しています。だからシビリアン
コントロールが効くのであって、そうでなければいつタイのような軍事
クーデターが起きるか分かりません。そうなってからでは遅いのです。
アメリカは戦後すぐ日本に平和憲法を押しつけました。それは日本
という国の本質を見抜いていたからに他なりません。平和憲法が出来て
60年、押しつけられたものとは言え、他国の戦争に巻き込まれる事も
なく日本の平和を今日まで守ってくれました。そして、今や日本人の
血になり肉になりきっています。
この平和憲法こそ私たちの大切な憲法です。確かに部分部分を取って
みれば、ああもしたいこうもしたいと思うことはあるかも知れません。
しかし、軍事力をもって相手国と対峙していこうすれば戦前の日本と
同じように軍事力強化という無限地獄へ堕ちて行かざるを得ないで
しょう。
戦前の重苦しい時代や怖さを知らない若者達に、今こそ戦時中の
苦しさや辛さを教えていく必要があるのでは無いでしょうか。今、
イラクでどんなことが行われているのか。かつてのアフガンが、
どんな悲惨な状況に置かれているのか、そうした現実を見ずして
憲法改悪を語るわけにはいきません。
国民投票法案が国会を通過しました。これは憲法改正の第一歩だと
言われています。今や待ったなしの段階にあると言っても過言では
ありません。若者をも巻き込んだ憲法改正反対ののろしを上げようでは
ありませんか。
良いと考える若者が増えつつあると聞いて驚いています。定職に就けず
フリーターなどをしながら生活している若者だと言います。
彼らがそのような考えを持つようになった背景には、いくら努力
してもその努力が報われないとか、格差社会の定着によって自力では
現状を変えることが出来ないと言うあきらめや焦燥感にあるようです。
彼らは、こうした現状を打破のために憲法を変えて軍事力を持ち、
その軍事力を背景に自分の周辺の環境を変えてしまいたいと考えて
いるようです。実に短絡的で危険な思想だと言わざるを得ません。
彼ら若者は先の第二次世界大戦やそれ以前の明治、大正、昭和と
私たちの親や祖父母達が歩んできた暗く惨めな日本人の生活を何も
知りません。また、私たち世代が味わった戦争直後の貧しい生活も
知りません。
それは学校教育の中で近代日本が歩んできた歴史をほとんど教えて
いないからです。江戸から明治にかけて日本は急速に軍事国家へと
体制を整えていきました。そのためには国民の生活も犠牲にされて
きました。
というよりアジアを植民地化しようとしていた欧米列強と互角に
対峙していくためには軍事力の強化以外に選ぶべき道はなかったと
言っても良いかも知れません。
元より資源など、まったくない国ですから国民総生産の大半は
軍事力強化に注がれ、地方のインフラ整備などをしていく余裕など
全くなかったのではないでしょうか。大正、昭和になっても地方は
相変わらず江戸時代と大差ない生活環境でした。
冷害や干魃など飢饉に喘ぐ農村では人身売買も平然と行われていた
ようです。年頃の娘は売春婦として売られていきました。こうした
農村地帯の疲弊に対し、義憤を抱いた兵士達によるクーデターも試み
られました。このクーデターは失敗に終わりました。
中国の革命などを支援した政党政治の中心的存在であった犬養木堂
(毅)さんは、軍閥の放った刺客によって殺害されてしまいました。
その後は政権の中枢を軍閥が握り日中戦争を経て日本は戦争地獄へと
転落していったのです。犬養さんが生きていたなら日本の歴史も又
異なった方向に進んでいたかも知れません。
憲法九条が書き換えられたとき、軍閥の台頭によるこうした動きに
歯止めをかける事が出来るのでしょうか。シビリアンコントロール
などと簡単に言いますが、今日の自由や民主主義というものを自らの
手で勝ち取ってきたヨーロッパ諸国とは異なります。
市民革命を起こし自らの力で今日の社会を作ってきたフランスなど
には、軍の中にも根強く民主主義が定着しています。だからシビリアン
コントロールが効くのであって、そうでなければいつタイのような軍事
クーデターが起きるか分かりません。そうなってからでは遅いのです。
アメリカは戦後すぐ日本に平和憲法を押しつけました。それは日本
という国の本質を見抜いていたからに他なりません。平和憲法が出来て
60年、押しつけられたものとは言え、他国の戦争に巻き込まれる事も
なく日本の平和を今日まで守ってくれました。そして、今や日本人の
血になり肉になりきっています。
この平和憲法こそ私たちの大切な憲法です。確かに部分部分を取って
みれば、ああもしたいこうもしたいと思うことはあるかも知れません。
しかし、軍事力をもって相手国と対峙していこうすれば戦前の日本と
同じように軍事力強化という無限地獄へ堕ちて行かざるを得ないで
しょう。
戦前の重苦しい時代や怖さを知らない若者達に、今こそ戦時中の
苦しさや辛さを教えていく必要があるのでは無いでしょうか。今、
イラクでどんなことが行われているのか。かつてのアフガンが、
どんな悲惨な状況に置かれているのか、そうした現実を見ずして
憲法改悪を語るわけにはいきません。
国民投票法案が国会を通過しました。これは憲法改正の第一歩だと
言われています。今や待ったなしの段階にあると言っても過言では
ありません。若者をも巻き込んだ憲法改正反対ののろしを上げようでは
ありませんか。