ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

時坂峠から浅間嶺、いにしえの生活道を歩く 1/2 ――― 人気のコースですが初めて歩きました

2015年06月04日 | ハイキング/奥多摩

2015/5/15  前回の盆堀林道歩きでS子の腰は問題なさそうと分かったので、少しレベルを上げて、普通のハイキングをしてみることにしました。

奥多摩の一般登山道はそのほとんどを歩いていると思いますが、さすがに広いエリアですから、まだ歩いていないコースもありました。それが今回の時坂峠から浅間嶺のコースです。
こういう機会でもない限り、わざわざこのコースを選んで歩くこともないでしょうから、貴重な機会かもしれません。


▲毎度のことですが、家をゆっくりと出て歩き始めの払沢の滝入り口が9:37ころ。
橋を渡らずに、左へ行くと、払沢の滝です。


▲四季の里というレストランからの眺めです。写真の稜線、中央より少し左に、鞍部にポッコリと葛籠(つづら)状の凸部がありますが、それが岩登りの練習場にもなっている「つづら岩」です。その下部の谷には天狗ノ滝があるのですが、まだこの時間では光が当たってないのでよく分かりません。9:39ころ。


▲滝のあたりを望遠で撮った写真をPC上で拡大してみました。やっと写真右下に滝の白い線が現われます。天狗ノ滝です。滝の左側には天狗岩も見えています。9:40ころ。


▲時坂峠までは林道が通っていますが、林道と林道の間を昔からの生活道も通っているので、そちらを歩きます。9:48ころ。


▲このコースは昔の生活道ですから、民家もまだ道路沿いに点在しています。9:59ころ。


▲今回もクサノオウ。繰り返しますが、毒草です。10:05ころ。


▲ハルジオンに小さな蜂がとまっていました。10:06ころ。


▲誰から誰への落とし文でしょうか? 若い男女の愛の語らいでしょうか?
さまざまな想像を掻き立てますが、実際はゾウムシに似たオトシブミ科の昆虫が作ったものです。中に卵が1個産み付けられ、幼虫はこの葉を食べて育ちます。10:10ころ。


▲マルバウツギかな? と思うのですが・・・・ 10:18ころ。


▲民家の点在する中を歩きます。左上にも見えますね。10:19ころ。


▲ウマノアシガタでしょうか? キツネノボタンのような気もするのですが。10:20ころ。


▲時坂(とっさか)峠に到着しました。10:32ころ。

左に見える看板には「浅間尾根道」の解説があります。
「奥多摩の主稜線から風張峠でわかれ、東西にゆるやかな上下をくりかえすのが浅間尾根です。浅間という名称は富士山の見られる所につけられており、この尾根からも時々、富士山が展望できます。この尾根につけられた道は、以前は南・北両秋川沿いに住む人々が本宿・五日市に通う大切な生活道路でした。また、甲州中道とよばれ江戸と甲州を結ぶ要路となっていたこともあります。昭和の初め頃までは檜原の主産物である木炭を積んだ牛馬が帰りには日用品を積んでこの道を通っていました。」


▲時坂峠にいろいろ祀られていました。いちばん大きなのが「百番供養塔」。西国三十三ヵ所、坂東三十三ヵ所、秩父三十四ヵ所の巡礼を終えた人が記念に建てたものだそうです。体の弱い人やお年寄りはこの記念塔をお参りしたのだとか。
その左は馬頭観音でしょうか? 分かりません。首がありませんが、手前はお地蔵様でしょうか? これまた分かりませんね。10:32ころ。


▲時坂峠からはまた林道歩きです。中峰平林道という林業用道路だそうです。植林の伐採、その後の植林がされた山の斜面が広がっていました。苗木に筒などで防御がありませんから、この山域ではシカの食害がないのでしょう。10:45ころ。


▲峠の茶屋です。平日ですから閉まっていました。10:53ころ。


▲峠の茶屋の前の広場で一本立てました。北に広がる奥多摩の山々が一望できます。西はおそらく月夜見山、東は大岳山から連なる馬頭刈尾根が見えているのだと思います。
写真は正面に見えている山並み。左は御前山に至る湯久保尾根、中央の峠が大ダワで、その右の顕著なピークは鋸山1109m、いちばん右は大岳山1266.5mだと思います。大岳山ではなくてピーク手前の肩が見えているのかもしれませんが。10:54ころ。

眺めのいい広場でしばし休憩し、再び歩き始めると、すぐに看板がありました。
「峠の茶屋 本家 ←この先300m」他にもこんな文句が。「江戸時代 官林山巡検の道 ーーお代官休息処跡ーー」
もう一軒あるようですね。


▲それがここ。でも、平日は休みのようです。11:08ころ。


▲建物も立派です。お代官様が休息されたというのも嘘ではないようですね。11:09ころ。


▲すでに山道に入っていますが、小さな沢で男性二人、何やら作業していました。その100mくらい上流で再び小休止。11:12ころ。


▲林道からも沢からも離れ、完全に山道になっています。巨樹も多く、この木はモミの木。11:53ころ。


▲途中、カタクリ観察路を示す山道もありました。カタクリの咲くエリアがあるようですね。12:01ころ。


▲これもマルバウツギでしょうか? 12:02ころ。


▲北側の光景が広がりました。中央少し左は御前山1405.0m、左端のピークは惣岳山、右端のピークは鋸山です。御前山から右手前に延びている尾根は湯久保尾根。写真手前、尾根に沿って民家があるのが見えますが、この集落は「尾根通」です。僕は縁あってこの集落の水源設備の年に一回の清掃を手伝ったことがありました。12:05ころ。


▲時坂峠からの登山道も、山の北斜面に付いていますから、それに広葉樹林が広がっていて、日陰の多い、暑い日でも人に優しい山道になっていました。12:10ころ。


▲ネットで調べまくって、やっとなんとか名前が判明しました。最初はカミキリムシの仲間かなと思って調べたのですが、ヒットしませんし、どうも微妙に違うところがあります。
アオハムシダマシです! 12:15ころ。


▲せっかくですから、拡大したアオハムシダマシを見てやってください!


▲登山道に入ってからよく見ていたのですが、ヤマツツジが満開です。12:21ころ。


▲フタリシズカの花のつぼみです。花序が3本も立っていますから、静御前とその亡霊の他に誰がいるのでしょう? フタリシズカはヒトリシズカと比べると、繊細さには乏しい花ですから、普通はふたつの花序が3つもあると、「女三人集まると姦(かしま)しい」と表現したくなるような印象が強いですよね。12:32ころ。


▲浅間嶺に着きました。この東屋は浅間尾根休憩所。しばし休憩しました。12:34ころ。


▲北の山々を望みました。中央に大岳山が特徴的な形を見せています。左端のピークは鋸山でしょう。12:35ころ。

浅間嶺には何回も来たことがあるのですが、時坂峠から登ったのは初めてだと思います。浅間嶺に登るのなら一番ポピュラーなコースなのに、歩いたことがなかったのです。沢登りや登山道ではない尾根を歩いて、浅間嶺に来ることが多かったからでしょう。