2013/1/4 熊本帰省中の恒例行事・第7回山行μは八代の山を計画しました。竜峰山(りゅうほうざん)という標高517.2mの地元の人にも親しまれている山です。Mちゃんのお母さん、僕の甥っ子の奥さんですが、彼女も子供の頃登ったことがあるそうです。ただ、当時はまだ登山道が整備されていなかったようで、籔っぽい中を歩いたとか。
今回はその竜峰山から鞍ヶ峰~竜ヶ峰へと縦走します。
在来線で新八代駅へ、駅のお店で行動食を購入し、タクシーで登山口へと向かいました。
▲運転手さんにガイドブックの地図を見せ、登山口へと行ってもらいました。そこは熊野神社の前。どこに登山口があるのかはすぐには分かりません。ガイドブックの文章にも「熊野神社の脇から」としか書かれていません。まずは右脇から探してみたのですが、それらしき山道がすぐに見つかりひと安心。9:25ころ。
▲左右に笹竹が出て来たので、MちゃんとS子はちょうど良さそうなのを探して、杖にしました。9:43ころ。
▲中腹広場です。ガイドブックに出ていましたから、どんな広場なのだろうと想像していましたが、本当に広い!上の段は駐車場になっていて、ここまで車でも来れるんですね。タクシーの運転手さんも熊野神社で「ここまででいいですか?」と聞いていましたし。9:58ころ。
▲中腹広場の東屋でしばし休憩。上の段からは八代周辺の景色がよく見えました。北の方から順に並べます。これは宇土半島の方角。
▲八代の街並みも広がっています。海は八代海、海の向こうの島は天草の島々です。
▲八代の街並みの中心部なのでしょうか? 天草の島がなおも続いています。10:11ころ。
▲普通は中腹広場から登るのでしょうね。このような案内看板もキチンとあります。
ガイドブックでは竜峰山~鞍ヶ峰~竜ヶ峰と歩いたら、同じ道を引き返すルートが紹介されていました。そのつもりだったのですが、この看板の左端を見ると、竜ヶ峰からさらに縦走し東陽町運動公園へ至ることが記されています。この時、「もし可能ならそうしよう」と考えたのです。10:18ころ。
▲中腹広場からの登山口がこれ。下の登山口よりも登山口らしい、立派ですよね。10:19ころ。
▲登山道周辺に写真のような白っぽい岩がゴロゴロし始めました。石灰岩です。10:30ころ。
▲直登コースには2コースあって、階段嫌いの僕は三角点コースを行くことにしました。最初の予定通りなら、下山路はらくらくコースです。10:43ころ。
▲階段コースはこんな階段が連続しています。朝早く登って来たのでしょう。たくさんの登山者が降りて来ました。高齢の方々や中学生くらいの女の子たちも降りて来ました。10:45ころ。
▲階段コースから左へと別れて、三角点コースへ入りました。普通の山道っぽくなり、僕にとっては歩き易くなります。10:58ころ。
▲竜峰山山頂三角点にタッチする幸子。11:02ころ。
ここまでのコースタイムはガイドブックによるとちょうど1時間なのですが、Mちゃんはほぼその時間で歩いています。もちろん、たっぷりと休憩も取ってはいますが。
▲山頂広場に立つ東屋と展望台。 Mちゃんは展望台にいます。11:04ころ。
▲九州山地の山々が広がります。この左側にうっすらと白い山並みがありましたが、多分阿蘇の山なのでしょう。11:05ころ。
▲竜峰山山頂から竜ヶ峰方面にほんの数分歩くとらくらくコース分岐がありました。竜ヶ峰からそのまま引き返す場合はここから中腹広場~熊野神社へ下山することになります。11:31ころ。
▲Mちゃんは目ざとくいろんなものを見つけます。このセミの抜け殻もその一つ。普通よりも小さなセミの抜け殻でした。何ゼミなんでしょうね? 11:35ころ。
▲竜峰山からの縦走路は過剰な整備が施されていません。普通の山道です。ホッとしますね。11:40ころ。
▲竜峰山や竜ヶ峰のように名前に「竜」が付くのは石灰岩の岩がゴツゴツとしているからなのではと思いました。Mちゃんのお母さんは「名前に竜の字を使うのが好きなんですよ」と言っていましたが。
岩だらけのコースのどこを歩けば一番楽なのか、ペンキでマークが付けてあるので簡単に見つけることが出来ます。11:45ころ。
▲Mちゃんが「竜の岩屋」にご執心です。「行ってみたい」と僕に要求します。でも、どこにあるのかも分かりませんし、ひょっとしたらもう通り過ぎたのかもしれません。そう思っていたら、ありました! 尾根道から右に少し下った所にあったのです。11:58ころ。
どうやらここがその入り口らしく、周回コースもあるようです。でも、危険なコース!
岩屋と言うくらいですから、穴やら洞窟のようなところがあるのでしょうね。僕たちが普通「岩屋」と呼ぶ場所は「屋根のように岩が上を覆っていて雨宿りや寝泊まりが出来るような場所」のこと。ちょっと個人的には興味があります。
▲最初の看板のところからわずかに入ると小さな浅い穴があります。半洞穴状の場所もあります。さらに数メートル奥に入ると、この様な穴状の通路も。二つの大きな岩の間に挟まった岩(チョックストーン)も見られます。この穴ですが、人も楽に通り抜けられるほどのサイズなんですよ。12:07ころ。
ここに来るまでもMちゃんの身長ほどの岩を上り下りしなければいけません。「行く?」と聞くと「行かない」とMちゃんは答えます。賢明な判断ですね。
▲辻峠です。この手前で2頭の鹿に出くわしました。立派な鹿でした。九州にもいるんですね。Mちゃんも野生の鹿は初めて見た、と言っていました。僕だって20歳過ぎてしか野生の鹿は見たことありませんから、Mちゃんにとってはいい体験だったと思いますよ。12:23ころ。
▲ロープが設置されているこんな急傾斜の部分も出て来ます。Mちゃんは怖がらず、楽勝! 12:47ころ。
▲本日初めてのこんなに陽当たりの良い登山道。お昼になっても融けない霜柱の山道を歩いて来ましたが、こんな暖かい山道はやっぱりいいですね。後ろに見えている山が竜峰山(のはず)。12:56ころ。
▲竜ヶ峰に着いたのが13:10ころ。竜峰山からここまで約100分かかっています。途中、竜の岩屋に寄ったり休憩もしていますから、実際にかかった時間は70~80分でしょう。ガイドブックのコースタイムは70分になっています。Mちゃんはほぼガイドブックのコースタイムで歩けているようですね。
この竜ヶ峰でその後の行動をどうするか、決断しなければなりません。東陽町運動公園へ行くらしい山道は明瞭に続いていました。でも、どれくらいの時間がかかるのかは不明です。山頂の幾つか掛けられていた標識の中にも時間や距離に触れたものはありません。しかも、ガイドブックには竜ヶ峰から先の地図も出ていません。情報がないのでは諦めるしかありません。「同じ道を引き返すしかないな」と心に決めかけていた時に、一人の登山者が登って来たのです。写真の右奥に青い帽子の男性が写っています。彼が教えてくれました。「山道は分かり易く、1時間ちょっとで下山できますよ」と。
それで、東陽町運動公園へ下山することに決めたのです。
写真は竜ヶ峰を出発するところ。13:29ころです。
▲途中、こんな立派な標識も出て来ました。安心します。13:54ころ。
▲竜ヶ峰で会った男性はこんなことも教えてくれていました。「途中に岩っぽい所があって、私は足が少し悪いので歩く自信がないのです」と。その場所がここらへん。急な崖とかではないのですが、写真のような石灰岩の岩の上を微妙にバランスを保ちながら歩き続けなければなりませんでした。結構長い距離、100~200mくらい、続くのです。14:12ころ。
▲東陽町の運動公園、スポーツセンターが見えて来ました。 15:13ころ。
▲これがこちら側からの登山口。電話をして、タクシーを待っていると、声がするので見ていると、中高年の登山グループが降りて来ました。途中で会ったグループで、結局、竜ヶ峰には時間切れで登らなかったそうです。実はこのグループには午前中にも会っていて、竜峰山から下山している彼らに会っていたのです。車でこの登山口に回って来て、こちらから竜ヶ峰を目指したようです。15:37ころ。
朝のタクシー会社に電話をかけると、来てくれた運転手さんは朝の方と同じでした。近い駅へ行くようにお願いすると、そこは新八代駅の二つ隣りの有佐駅でした。電車もバスもほとんど待つことなく来て、思いのほか早く帰宅できました。
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実はS子も僕も11月ごろから風邪ぎみだったり、風邪だったり、治りかけだったりを繰り返していました。この山行の前日もS子は体調悪く、僕とMちゃんだけで行こうかとも思っていましたが、S子は「おいてけぼりは嫌だ」と言います。当日は体調もまずまずだったようなので、問題はなかったのですが、その日の夜からが大変でした。高い熱が出たのです。実は翌日早朝に青春18きっぷで帰京する予定だったのですが、絶対に無理。急遽、5日早朝の出発は中止。病院へ行き、少し容態も回復したので、6日に新幹線で帰京することになったのでした。