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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

風花の黒髪に舞い君十九    能登

2021年02月05日 | Weblog
初句会では風花の句が二句揃いました。

 風花や懐かしき人会いたくて (麗子)

 風花の黒髪に舞い君十九 (能登)

実を言うと私も風花の句を考えていて、3句揃うことになったかもしれませんが
このようなドラマ性のある美しい句はできませんでした。
上の句に対し
殿さま:風花の舞う日。きっと凍えるような冬の日。しかし、作者は懐かしい人に会うため出かけていきます。古い友人でしょうか。昔の恋人かもしれません。シンプルだが詠み手の想像を広げる秀句
亜子さんからも「素直な一句で共感を呼びやすい」とコメントいただきました。

もう一つ、能登さんの風花句には
麗子さん:古風な一句ですね。「君十九」は初恋の人?それとも娘さんでしょうか?想像が膨らみます。二十歳ではないところがいいですね。

このふたつともに票を投じた等さんには
「青空に舞う雪の華は優雅でしょうが、何かもの悲しいものです。この人に会えたのでしょうか。」
「会いたい人はこの人だったでしょうか。2つの句で一人の人を読むとは珍しい?ですね。でもロマンが感じられる良い句です。」と
コメントをいただきました。


私の好きな風花を詠んだであろう古今集の歌をご紹介します。

 冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらむ 

  清少納言のひいおじいちゃん、清原深養父の歌だそうです

「雲のあなた」に何がある?
見えないものを想像できる心の豊かさを私たちの祖先は持ち合わせていました。
素晴らしい精神文化です。
目先の利益やかけひきに翻弄されず、豊かな想像力や発想が今このコロナ禍に必要なのかもしれません。 郁子
コメント
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