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おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書86「沖縄戦、米軍占領史を学びなおす」(屋嘉比 収)世織書房

2010-02-11 19:59:07 | つぶやき
 沖縄、米軍の普天間基地移転問題。積極的に県外、国外移転を進める立場、アメリカ政府と自公連立政府間ですでに決定済みの問題だとする立場。特に後者の立場からは、鳩山民主連立政権への厳しい批判的言辞となって、一部マスコミ・新聞紙面を賑わせている。
 7日付けの産経新聞にもあったが、沖縄県が抱える米軍基地問題は「『基地依存経済』『歴史認識』『反米闘争』『国防』『国家論』の5点が複雑に交錯しているため一朝一夕には語れない」(牧野浩隆・県立博物館長)といわれる。
 自分自身、沖縄の戦前、戦中、戦後については多くを知らない。戦場となった島。そこに生きる(た)極限状況に置かれた沖縄県民の体験など、いわば歴史としての戦争体験として捉えることでしかなかった、沖縄の実態、現状・・・。
 今回の米軍基地移転問題は、平和・戦争などという大きな次元での議論を含め、沖縄県民から、日本国民全体に投げかけられた課題であるはず。今まではふれてこなかった、あえて眼を背けてきた沖縄の生活、経済、歴史、文化などへの再認識、まさに「学びなおす」ことが必要な事柄である。さらには、沖縄(日本)から発信すべき、東アジアの平和構築への道筋・・・。
 にもかかわらず、そうした議論にはならず、マスコミの論調は、移転先を巡る混乱、批判でしかない。日米同盟、米軍基地問題などを含め、もっと国民全体を巻巻き込むような課題として、積極的に議論を起こすべきではないか、マスコミは。
 これは、この書にもあるように、戦後世代がどのようにして沖縄戦の厳しい実態、住民の苦しい記憶の継承、ひいては日本の戦争体験へのアプローチが必要となってくるだろう。
 そこから、沖縄の反戦運動の根っこを探ることや、戦後の米軍統治下の沖縄の経済・暮らし、歴史を真摯に学び、今もなお米軍基地と生活の矛盾に置かれている沖縄の人々の思いと希望に少しでも近づくことが出来るのではないか。
 遠回りでもあっても(普天間をどうするのだ、という今の「政治」課題には直接的ではないが)大事なことだ。この書の副題には、「記憶をいかに継承するか」とある。沖縄戦悲劇の象徴的「ガマ」が、すべての読者に問いかけている。
 
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