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おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

ここにも数値(成果)主義の悲劇?

2007-08-17 19:06:12 | つぶやき
 今朝の朝日新聞・社会面。「伊勢市で市長発案の『脱メタボ作戦』で47歳の課長が朝のジョギング中に急性心不全で死亡」との記事。
 肥満予防PRのための市長の発案で、メタボリックシンドロームが疑われる部課長と市長「7」人(これもどうも往年の名画「7人の侍」に引っかけた安易な発想でしかない)が「7」月から開始し、11月に成果を発表する予定だったという。 亡くなったのは、市長に指名されたうちの1人。この方は、身長175㌢体重82㌔ウェスト100㌢だった。当初、「ウェスト10㌢減」を目標に掲げたが、保健師から急激な減量をいさめられ、数値を下方修正した。この方、今はやりのDVDにも挑戦、体重計に乗るのが楽しみだ、などと周囲には話していたという。
 市長のコメントは、「まじめな性格で、仕事もこつこつする方だっただけに、つらい」???
 朝日では、別面の特集記事で(たまたま重なったのだろうが)日本のメタボ対策はウェスト数値に偏っていて、諸外国ではウェスト数値のみではなく、血糖値や血圧、コレステロールの数値なども基準として判定している、という特集がされていた。
 その記事の中では、日本で、ウェスト数値でメタボかどうかを判断することを提唱した医師がその正当性を述べているが、記事全体としてはウェスト数値主義を批判している内容になっている。
 小生、昨年8月末。健康診断で血圧とコレステロールの値が高く、「要治療」となってしまった。医者に聞くと、「肥満も大きな要素ですが・・・。」
 たしかにウェスト96㌢、体重75㌔くらい。肥満解消で少し改善されるなら、と一念発起して減量を始めた。「入りを」絶つことが第一(入りを少なくしない限り出だけでコントロールするのは、無理あり。あるモノを食べてたら、体重が減るなんてありえないのだ!)で、食事制限(特に九時以降はけっして食べない)。
 また「出」も大切で、そこで「歩く」(一日100分近く歩く。職場の最寄り駅の、ずっと手前の駅で乗降する・・・。)の二つを実践した。
 昨年の暮れには見事、体重減少。ウェストも10㌢近く減って、ズボンが緩くなった。と同時に、血圧も少し下がってきた。これも、自分で自覚して始めたこと。 たぶん、これが体重を減らすという一番大事な契機ではないか、と今でも思う。いったん落とした体重は、今は、増えもせずに落ち着いている。
 「ムダに食わない、ムダに歩く」。このことをするだけでも違うと感じている。実は、年のせいもある。人間、還暦を迎える頃には、自然と「心」「身」共に枯れ衰えてくるのではないか。そんな気もする。
 一番の働き盛り。職場でも、家庭でも、ストレスがたまる一方の課長世代。市長からのご指名では逃げることもできず、命までもとられてしまった。ご本人の無念さ、家族の無念さは察するにあまりある。
 こうした事態になる可能性があることも想像できず、政治家として、ある種のパフォーマンスのために、部下を死なせてしまった市長。そのコメントからみても、ほとんど反省の色はなさそうだ。
 TVでもこうしたことにタレントが挑戦する。それを取り上げ、視聴者に数値目標を掲げて頑張ることを奨励する。そんなことよりも、TVのCMから一切タバコの宣伝をしないことのほうが、よほど効果的なはずだ。
 この亡くなった方。いつも残業がちで、酒も飲み、喫煙者だったら、もう同情するばかりである。
 この、くそ暑い夏に、なにも無理して市長の命だからといって、痩せる取り組みなんかしないほうがいい。涼しくなって、夏ばての体調もよくなったら、そして、自分がその気になったら、本気で体重減に取り組むべきであった。
 それにしても、こんなところまで、数値主義による成果争いが起こっているのかと思うと、暗澹たる気持ちになっていく。
 これは、本人は、「公務災害」ではないか。また、市長は「権力乱用罪」か「業務上過失致死罪」ではないか。小生が家族の一員だったら、告訴も辞さないぞ!
コメント
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