古い大和歌に「今こむと頼めてかはる秋の夜のあくるもしらぬ松虫のこゑ」(藤原家隆)という歌があります。歌としては百人一首のなかの「今こむといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」(素性法師)がよく知られていますが、いずれも十六夜の月が西の空に残る秋の朝の光景のなかにいての心根を詠っているようです。
金沢市の明るくなった山里を虫の声を聞きながら歩いていると、畑で少し揺れているコスモスの向こうに十六夜の月が薄く浮かんでいるのが見えました。
いま南部丘陵の棚田は稲刈りが進んでいて、来週あたりからは山の畑の冬支度が始まります。クマなどの大型動物からのネズミなどの小動物たちも冬越しのための忙しい季節に入ります。
写真日記 ブログランキングへ