無意識日記
宇多田光 word:i_
 



凝らんでも、という程歌詞の音韻が練られた歌といえば、何度か触れてきた通りキプトラがまず浮かぶ。構成を書き下そうと最後の5行に絞ってエントリを書き始めたが3000字書いても終わらず諦めた事がある(まぁ翻訳単語1ッの選択の解説に1000字を費やす人の書く詞だから当然なのだが)。論理整合的構築美と完成した詞のPopさの落差が大きいのも特徴だ。御伽噺の様なPVの(段ボール製の)セットは、その落差を見事に視覚化している。曲構成も、サビの後にエンディングメロディが控えている珍しい贅沢さ。納得のUU06トリ曲だった。悔いがあるとすれば、TVで披露しなかった事位かなぁ。

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SAKURAドロップスの似合う季節の到来だ。今日の寒さでは、然し、初夏というには程遠いが。この曲の特徴は時間的な距離と空間的な距離が相互に形容し合う所にある。画面の上に時間を描写しているとでもいえばイイか、桜が揺れるのは風の中と時の中だし、夏の雨滴の動きが秋の思い出を喚起するし、過去をモノの様にしまいこむしコレから起こるコトを"遠くない観たこともない景色"というし。真ん中にある"繰り返す季節と磨り減る靴"は、その一方で、大自然の無限と個々の生命の有限の間の対比として鮮烈な印象を残す。巧みというには余りにも美しい表現の数々である。

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