無意識日記
宇多田光 word:i_
 



問題なのは、そのビルボード記事の最後の部分。三度び再掲しよう。


***** *****


「ずっと、アメリカにいてもどこにいても、少し気まずかったというか……大学に行くまではほぼインター系の学校にいたので、あまりにも国も人種もごった返してて、逆に人種を意識しないでよかったんです、みんな“人間”、みたいな。そうじゃなくて出身国や人種を意識する環境にいると、もっとシンプルだったらいいのに、って思うことが多くて。でも、アイデンティティーの大事な一部でもあるなと最近思うようになって、オンラインのライブやコーチェラのようなグローバルなオーディエンスともダイレクトにつながれる機会が増すにつれて、アジア人としての自分のアイデンティティーも自然に感じられるし、“音楽”以外の環境でいつも感じる居心地の悪さみたいなものも減っていくような気がします」と話してくれた。


***** *****


そこの部分に対応するはずの英文がこちら。後から参照します。


***** *****



“When I was here [in the U.S.], I always felt a bit awkward… I didn’t really grow up feeling very conscious of my race because I grew up mostly in international schools where we were all from like 80 different countries in the world. I’ve always just felt like a human being. I just always wished it was simpler. Like just that we could have just like, not think about that so much,” they shared. “But it is an important part of our identity and in some ways I kind of missed out on building my identity as an Asian person. So weirdly, finally, I feel like I’m getting in touch with that. And with things like social media and online interaction with fans, I’m aware, I get so much reaction from non-Japanese fans. I really feel the buildup when I do anything online.”


***** *****


これ、前半部分はそれなりに逐語訳なのだが、後半部分、日本語の方でいえば「でも、アイデンティティーの大事な一部…」からあと、英語でいえば they sharedからあとの所は、意訳を越えている。特に「“音楽”以外の環境でいつも感じる居心地の悪さ」の部分は英語の方に影も形も無い。

なので、もしかしたら我々が目にしてる英文記事と、日本語訳者の受け取った英文記事に齟齬があるのかもしれない。それをなんとなく踏まえつつ。

日本語文の方を読むとヒカルが自分のアジア人、アジア系であるアイデンティティーに目覚めたことで自分のぎこちなさが消えたみたいに書いてるが、英文の方はそんなことは書いていない。後半部分を私なりに訳してみるとこうなる。

「でも、人種もまた私たちのアイデンティティーを構成する大事な一つなんですよね。幾つかの点で私は、アジア人としてのアイデンティティーを築き損ねてたみたいで。なので、不思議な話ですが、今回やっと自分のその面に出会えた感じなんですよ。それで、ソーシャルメディアみたいなものとかで、(アジア系の)ファンとのオンラインでのやりとりがあるので、私はたくさん日本以外から反応を貰ってる事に気がついています。オンラインで何かをする時には、今までの積み重ね(の大きさ)を本当に感じています。」

この、「自分のその面に出会える」という所が、ヒカルの独特な表現になっている。原文は "feel like I’m getting in touch with that."だ。この“get in touch with A"という言い回し、辞書を引けば「Aさんと連絡を取る」という風に書いてあると思うが、今回は会うとか触れ合うとか通じ合うとか、そういう意味に捉えた方がいいだろう。ヒカルは、自分のアジア系のアイデンティティーと今回コーチェラで出会ったのだ。

「ハロー! アジアンな私!」

という風な感じで。それだけのことなので、ぎこちなさがどうとか居心地がどうとかは特に関係が無いのである。

Apple RadioでのZaneとの会話でも似たような事を言っていたのよ。「ノンバイナリ」という言葉を知ったときにヒカルは、

「ハロー! やっと会えたね!(Hello ! We finally meet !)」

と言っていたらしいのだ。これも、アジアンなアイデンティティー同様、自らの内面の概念的な部分を擬人化して外側に立たせ、自分自身がそれと相対しているイメージを持たせている。ここらへんのヒカルの表現をよく知らずに、今回の記事は日本語訳された可能性が高い。いずれにせよ、実際のインタビューの音声を聴かないと本当のところはわからないだろう。今回の日本語記事の内容がしっくり来ない、という方がいらしたら、それは無理もないですよね、と申し上げておきたい。少なくとも、ただの英文記事の翻訳からでは上記の日本語記事の最後の部分は導けない。長い記事だから私が見落としてるところもあるかもしれないけれど、ひとまず、貴方が記事を読んで違和感を感じたとしてもそれはヒカルが変わってしまったとかではなく、インタビュー記事の技術的な問題である可能性が高そうだとだけ、今は告げておきますね。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )




前回「それほとんど言い掛かりだよね?」と言われかねない指摘をしたが今回はもっと話が細かい。「そんなん翻訳に従事してる人同士でやっといてよ」とかって言いたくなるヤツだ。

私が気になった点はこちら。

「……大学に行くまではほぼインター系の学校にいたので、あまりにも国も人種もごった返してて、逆に人種を意識しないでよかったんです、みんな“人間”、みたいな。そうじゃなくて出身国や人種を意識する環境にいると、もっとシンプルだったらいいのに、って思うことが多くて。」

この真ん中の「そうじゃなくて」って要る!? ない方がいいと思うんだけどねぇ。これのせいで文意が伝わりづらくなってる。元の文章はこう。

"… I didn’t really grow up feeling very conscious of my race because I grew up mostly in international schools where we were all from like 80 different countries in the world. I’ve always just felt like a human being. I just always wished it was simpler. Like just that we could have just like, not think about that so much,”

私が訳すとこう。

「私は自分の人種をそこまで意識することなく育ってきました(※ こどもの頃、10代の時期をそう過ごした、という意味)。というのも、殆どの時期を私はインターナショナルスクールで過ごしたからです。インターは世界の80ヶ国とかの国からの生徒が集まってるような場所だったので、私はいつもただ自分は“人類の一員”なのだと感じていました。(なので)私はずっと人種問題がもっとシンプルだったらいいなと願っていました。そんな風だったので、私を含むインターの生徒たちは、自分の人種についてそこまで(深く)考えることなくいれたんです。」

特に" Like just that we could have just like, not think about that so much,"の部分がわかりにくい。そのせいでここの部分が記事のそれまでと違い逐語訳を放棄した形になったのでは?と推測する。あと、toが抜けてる? 多分これ“we could have not to think about that so much"だと思うんだが確信は持てない。もしかしたらここ、原文の更に元のヒカルとのインタビューでは少し違うかもしれないな。

“Like just that"というのは、文脈からしてその前全体を受けて「そんな感じで」或いは「そんな風に」という言い方に、日本語だとなるだろう。

つまり、ヒカルは、人種の坩堝で育ったので人種的アイデンティティについて深く考える必要なく過ごしてきたのだと。更に、その為、ここが訳す場合はっきりしないのだけど、"wished it was simpler"、「もっとシンプルだったらいいのに」という所の"it"が、何を指すのかというね。私なりに解釈すればこれは「人種問題」か「人のアイデンティティ」かどちらかだと思う。そう解釈すると、ここでヒカルが言いたいのは、

「インターで人種気にせず過ごして何の問題もなかった。みんなもそうしたらいいのに。シンプルで楽だよ。」

といった事になるかと思う。

それを踏まえないと、この次の発言が謎になるのよ、ってのを見るとこからまた次回っ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




BillboardのHPに例のヒカルのコーチェラ出演の記事が掲載された。なんと、ライブレポのみならずヒカルへのインタビューも込みで!


"Hikaru Utada Makes Festival Debut at Coachella With 88rising: Interview & Recap
Their showcase set with 88rising artists included hits old and new."

https://www.billboard.com/music/music-news/hikaru-utada-coachella-interview-1235063847/


これは訳してやらねばと意気込もうとしたらもうちゃんとビルボード・ジャパンの方に翻訳記事が出ていた。


「<コーチェラ2022現地レポ&インタビュー>宇多田ヒカル、初のフェス出演で見えた世界とつながることの意義」

https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/111133/2


しかもこの記事ほぼ英文記事の逐語訳となっているので私の出番はなさそうだ…と思いかけたんだけど、看過できない訳文が含まれていたのでそこを指摘しておきたい。

誤訳ではない。日本語訳としては間違っていないのだが、読者に誤解を与えかねない(っていう言い方、謝ってない謝罪文に使われがちなヤツだな…)表現になっているのだ。かなり後半のこの箇所である。

【今回88risingとコラボレーションを行った理由については、「ショーンの情熱ですね。それに、今まで日本以外のアジアのファンと直接交流することがあまりなくて……それと、デビュー当時から多くのアジア系アメリカ人にも聴いてもらえてた、支持してもらってたってことを知らなかったんです。知らなかったことが信じられないくらい。今まで触れることがなかった自分自身のアイデンティティーの一部とやっと結びついたような気持ちでした」と説明した。】

ここの特に「デビュー当時から多くのアジア系アメリカ人にも聴いてもらえてた、支持してもらってたってことを知らなかったんです。知らなかったことが信じられないくらい。」の部分を読んで、熱心なヒカルファンの中には違和感を持たれた方もいらっしゃるのではないか。ヒカルがファンのことを知らなかった?そんなことある?って。

ここの原文はこうなっている。

“I haven’t really been in touch with my Asian fans directly outside of Japan…and even the Asian American people who are familiar with me, I didn’t know that there was so much support. I just didn’t have any opportunities to really know about it."

私が訳そう。

「私は(今まで)日本以外のアジアのファンのみんなと実際に直接触れ合う機会が全然なかったの。私に近しいアジア系アメリカ人のみんなのことでさえ(よくわかってなかった)。(まさか)こんなに沢山応援して貰えてただなんて知らなかったんだ。こんなに沢山の応援があるってことを現実に知れる機会がなかったってだけなんだけどね。」

つまり、「おまえら居るのは知ってたけどここまで多いのかよ!」っていうことをヒカルは言っているのだ。なのでここのポイントは「人数を少なく見積もってた」ことと「実際に目の当たりにしたことが無かった」ことの2点なのである。ビルボードジャパンの訳文の中では確かに「多くのアジア系アメリカ人」という書き方がされているので訳としては間違っていない。だが、これふらっと読んだら宇多田ヒカルがアジア系アメリカ人のファンの存在をまるきり認識してなかったように読まれちゃわない? そうなってしまうと、それは幾ら何でも事実と異なる訳である。

あたしがこんな風に「異なる」と言い切ってしまえるのは、この記事の最後にこうあるからだ。

"And with things like social media and online interaction with fans, I’m aware, I get so much reaction from non-Japanese fans. I really feel the buildup when I do anything online.”

あたしが訳すとこう。

「ソーシャルメディアみたいなものとか、ファンとのオンラインでのやりとりがあるので、私はたくさん日本以外から反応を貰ってる事に気がついています。オンラインで何かをする時には、今までの積み重ね(の大きさ)を本当に感じています。」

そう、宇多田ヒカルは最初期から十数年間、世界中からの『Mail To Hikki』を、スタッフの検閲無しに、直接“総て”“自分の目で”確かめて読んできた鬼のような根性とファンサービスの人なのだ。当然、アジア系アメリカ人のみんなからのメールも受け取って1通残らずきただろうから、その存在を知らない訳がないのである。その点を誤解させかねないビルボードジャパンの訳文は、そういった過去のヒカルの頑張りを無視させかねないものなので私は引っ掛かってしまったのでした。繰り返すが、誤訳ではない。ただ、誤解を生みやすいだけである。訳文を即座に掲載してくれた事に関してはビルボードジャパンに非常に感謝している、と強調しておきたい。

あと、ヒカルもちょっと言葉足らずだったかもしれないね。「今まで、ハワイ~アメリカ大陸~イギリスではプロモーションイベントやライブコンサートをやってきたからそこでのアジア系の人たちの存在は直に見てきてるけど、肝心のアジア地区でのプロモーションイベントやライブコンサートが皆無だったからそこのところのスケール感がよくわかっていなかった」という話をしないと、取材者に言ってる意味が通じにくかったのでは? 今回コーチェラでアジア系アメリカ人のみならず世界中からの参加者があったろうことも付け加えないとわかりにくいし。まぁそんなとこですわね。

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




ちょいと余計な話。Twitterの買収話が出ているとか。詳しい話は知らないが、普段使いしてる人間からすればこれは「政権交代」に匹敵する影響を生活に及ぼす可能性がある。何も起こらない可能性の方が大きいとはいえ。

インターネットのお陰で、利用するシステムの価値観が逆転した。例えば音楽のサブスクサービスは音楽ファン全員(とまずは言い切ってみる)から薄く広く徴収して各供給者の成果毎に再分配するという、一昔前なら「国」が税金を使ってやっていたことを全世界的に行っている。Amazonは世界規模での物資の流通を司る。情報はGoogleの意のままだし、それらの巨大企業体は相対的に国や自治体といった既存の局所的なシステムより存在感を強める局面も増してきた。

Twitterの利便性は今までも痛感している。何しろ宇多田ヒカルが居座ってる期間が12年にもなったのだ。それだけで拝み倒すしかないのだが、今回の「政権交代」で空気が変わったりするのなら、メッセージを届けて貰う方法の変革、代替を考え始めないといけないかもしれない。言論の様相がどの方向にどう傾くか次第だ。

その昔「便所の落書き」とすら呼ばれていた2ちゃんねるになら書いてあったような内容をTwitterに掲載する日本語圏民が後を絶たず、ついには海外から「日本に帝国主義復活の兆しあり」の証拠として採用されるような事態も出て来たようだ。呆れるのすら通り越して無表情になるしかないのだけど、今は「ツイートを翻訳」機能があるから今まで日本語圏の戯言で済んでいた発言が国際問題に容易に発展するようになってるのよ。ほんと気をつけて欲しい…んだけど、そういう人たちはこんな進言に耳傾けてくれないか。まぁ一縷の望みを捨てずにこうやって書くけどね。数の力で押すしかないとしたら本当に悲しい。

サブスクやSNSが、音楽や言論の空間として土地に根差した"国"以上の存在感を示す中、我々はその中での移住や亡命も視野に入れておかないといけないかもしれない。勿論基準は「ヒカルが其処にいるかどうか」なので、Spotifyでライナーボイス+が上がればそちらを登録し、Appleで出演があればそちらもまた、なんてことをする。Twitterでの情報供給はかつての新聞テレビのそれよりずっと大切である。こういうのを"政治的立場”と言っていいかわからないが、ヒカルは本来明確な立ち位置を持つ人なので、それに合った空間を選んでいって貰いたい。当然、空気が変わるならTwitterに拘る必要はないし変わらないなら変わらず居座り続ければいい。ただ、過去のTwitterでの発言をどうアーカイブしていくかは結構難しいだろうね。何にせよ、今回の買収が大山鳴動して鼠一匹ならそれでいいので、何事も無く恙無く変わりなく進んでくれる事を望む。もしかしたらいい方向に変わるかもしれないしなっ!(力弱く)

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




突然ですが本日の殊勲賞は山手線から「次は渋谷~渋谷~」とアナウンスが流れるや否やYOASOBIの「群青」を流してくれたMy iPodくんに決定~っ!(※ 歌が始まってすぐに「さんざめく夜越え今日も渋谷の街に朝が降る」という歌詞が出てくるのでありました。)


ということでまぁこっそりと行って参りましたよ渋谷タワーレコード6階の宇多田ヒカルアナログレコードオリジナルアルバムコンプリート記念ポップアップストアに。フロアの一角をVIP的に占拠するヒカルさんのドアップ写真の数々。だけどいちばん目立ってて謎なのはデカデカと白地に頼りない朱色で描かれた『30代はほどほどv』の垂れ幕ブース。えそれ今回関係ある???なんでお前ここに居るわけ?? あ、もう39歳でこれ使えるの今年で最後だから、ってか。いや、え、そうなの? 面白いからいいけどさ!

居並ぶは「お前らさっさと買えよ?」とでも言いたげな8枚のオリジナルアルバムのドアップだらけ(『BADモード』以外)のジャケットと、「へへ~ん、お前ら持ってないだろうっ!?」とでも言いたげな「Promotional Only」と書かれた非売品アナログプロモ盤の簡素なレーベルの数々。いや何なのこのコアなファンであればあるほど煽られちゃう販売品と非売品の挟み撃ちはっ。結構本気で売りに来てるのなぁタワレコ渋谷っ。お一人様一アイテム一枚まで、ご予約やお取り置きは出来ません? そんなとこも徹底してるねぇ。まぁこの店舗限定のルールなのかな。ようわからんけど、あれやこれやと盛り上げる算段をしっかり準備してきたイメージは伝わってきた。そこまで面積は広くないけど「No Vinyl, No Life」のポスターを宇多田ヒカルで制作してくるだけの気合いは感じ取ることが出来たですよ。惜しむらくは既発ショットでなく未発表カットを使って欲しかったけどね~。

とはいえ、こうやって気合い入ってるのにそんなにお客さんがやってくるでもなく。仕方ないね告知期間短すぎだし平日夜だし初日だし。ゴールデンウィーク前半の三連休の頃にはもう少し賑わっていることでしょうて。

逆に言えば、コアなマニアの方々にとっては休みに入る前の今が狙い目だ。昨今では滅多にお目にかかれない(?)非売品プロモーション用アナログレコードが幾つもズラッと並んでいるからね、きっちり堪能して撮影しておけばいいかなと。下に「撮影OK」って書いてあったから多分大丈夫だろう。あとエヴァファンはジャケット原画のレプリカが飾ってあってこれがジャケット本体よりデカくて見栄えがするのでそこらへんも要チェックだ。

あと、よく確認しなかったんだけど、今回は再発となる『First Love』とか『DEEP RIVER』とかって、今回の180g重量盤のみならず、もしかして昔のファーストプレスの方も飾ってあったの? 鈍い私は立ち去ってから「そういや2つ飾ってあるのあったな…あっ!?」となった次第。今度また行く機会があったら確認しておこう。

なんだか以前に直に会ったことのあるフォロワーさんの中には「うちの部屋のブースの方が絶対豪華だもんね!」と宣う人が居そうな気がしたり、「…うちの家には非売品含め全部ありますけど?」と涼しい顔して自慢してくる人が居そうな気がしたりもするんだが、そちらとそちらはいつか実際にお邪魔して堪能させてうただくことにして。今回の影の主役はcubic Uだよね。流石に『I'll Be Stronger』は無かったものの、臆面も無く『How Ya Doin'』の非売品プロモーション盤を飾ってあるのをみるにつけ、あら何もしかしてこれこれからcubic U関連の再発しちゃう気なのSONYさん?という疑問が頭にもたげてくるのはこれもう結構仕方がないんじゃないですか? ヒカルがNMEのインタビューで頼まれてもいないのに『I'll Be Stronger』を歌ったりなんかしたのもその布石だったりするのではないでしょーか? となればすわその『I'll Be Stronger』の初CD化実現か!?と色めき立つところなんだけど、くだんの1000枚限定レコードをリリースしたリキッド・サウンド・ラウンジさん、まだ元気でレーベル運営してるのよね。なのに24年間何も今までリリースしてこなかったってことはもしやもうマスターテープがこの世に存在しないのかも?? うーん、だとしたら板起こしでもいいから(ダメですw)。まぁそれはいいとして、今後cubic U関連の公式からのアウトプットに要注目だろうね。何しろ今年はその『I'll Be Stronger』から25周年、来年はデビューアルバム『Precious』から25周年なんだからな~いやはや、まさかそんな展望が拓けてくるとは夢にも思っていませんでした。という訳で関東の皆さん、あとゴールデンウィーク中の全国の皆さん、ついでがあってもなくても是非一度タワレコ渋谷のポップアップストアの方に顔を出してみてくださいね~っ! 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




コーチェラの舞台とそれに伴うNMEのインタビューでヒカルの最初期の活動に注目が集まった流れからのラスキスのプレミア認定、そして今日から店頭アナログ盤まとめて5タイトルが並ぶという順序が、うまく「現在の宇多田ヒカル」に繋がっていってくれればなと願う。

今更だが、『ULTRA BLUE』や『HEART STATION』がレコードになるってなんか変な感じだなぁと。最初期3枚はあんまりにもCDが売れたもんだからアナログ盤発売はその勢いを引き継いだ余波としての役割があったと思うし、逆に2016年以降の『Fantome』から3枚に関しても、ストリーミングが隆盛になるにつれ「どうせフィジカルを愛でるのであればちゃっちいCDケースより豪華なアナログスリーブだよな」というノリでアナログ盤の売上が物凄く上がった時代の作品なので、こちらもアナログ盤発売の違和感は薄い。

それらの間に挟まれた2006年の『ULTRA BLUE』と2008年の『HEART STATION』については、時代背景としてCDの衰退とダウンロード販売の促進が同時に起こっている時期で、着うたが世界一ダウンロードされた(当時)『Flavor Of Life』の特大ヒットが2007年初頭、そして配信時代を牽引していくiPhoneの登場もまたこの2007年だった。フィジカルからデジタルへ、という流れの中でアナログ盤の居場所は限りなく小さかった。

勿論ファンからすればアナログ盤の所有にアルバム毎の差異はないというか、買うならお気に入りの1枚だったりコンプリートだったりなので時代背景云々を2022年の時点から眺める事に余り意味はない。だが、コーチェラの出演で「音楽シーンの中の宇多田ヒカル」という切り口で書かれた文章が幾つも出回ったこのタイミングでこの2006年と2008年の作品のアナログ盤を手にするのは、結構奇妙な感慨に囚われるのではないかなと、こちらとしては奇妙な期待をしているところだったりする。


とはいえ、そういう視点から離れて一介のファン・リスナーとして今回のリリースをみてみると、楽しみなのはその『HEART STATION』に収録されている『虹色バス』になるんですよね。この曲、効果音としてアナログレコードのスクラッチノイズが使われてるのよ。もしその箇所を再生したときに現実のリアルタイムのスクラッチノイズ─レコードの針に障害物が絡んだときのプチプチ音─が被さったりしたらきっと面白いだろうなぁと、贅沢且つ益体の無い事を考えてしまうのでした。まぁでも、そういうことなんですよ、この時代にリリースした曲にとってみれば、実際に自分がアナログ盤に収録されて鳴らされるなんて考えてなかったってことなんすわ。CDや配信だからこそスクラッチノイズが効果音になり得る訳でね。いやま、純粋なアナログ時代にもスクラッチノイズは効果音として使われてたけどね、『虹色バス』はそんなつもりじゃなかったろうから、時代の変遷の面白さを凝縮した瞬間として、今回のアナログ盤発売のハイライトのひとつになるんじゃあないでしょうか。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




あれまぁ今度は『One Last Kiss』がストリーミングでプラチナ認定か。あなめでたや。
https://www.riaj.or.jp/f/data/cert/st.html#02
1億回再生って凄いねぇ。いや昨今は更に上の「5億回でダイヤモンド認定」ってのがあるんだよね。『ダイヤモンド~よりも~♪』って歌った『Flavor Of Life』が今の時代出てたらどうだったかな…まぁそれは兎も角。

『One Last Kiss』大ヒットの意義は非常にデカい。これとか『君に夢中』とかがヒットしたからコーチェラ出演に格好がついた。日本で今売れてなかったら「日本市場から逃げて海外に活路を見出した」とか陰口叩かれてたかもしれない。そんなの無視すりゃいいだけなんだけど、言われないに越したことはないかんね。音楽なんて言葉の壁や国境を問題にせずに、聴いてくれる人の居るところで奏でればいい、というのが基本中の基本ではあるんだが、なかなかそこをわかって貰うのが現実には難しい。

じゃあなんでそんな孝行モノの歌をコーチェラで歌わなかったかといえば、微妙に客層が異なっていたからだろう。キングダムハーツシリーズはディズニーキャラクターを使っていて米国をはじめとした非日本語圏でもかなりのプレゼンスがあるようだが、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズは相対的に日本国内重視だからね。コーチェラでその主題歌を歌ってもよくわからなかった可能性がある。歌詞も日本語詞だしなぁ。なので、『One Last Kiss』は、もし今後ヒカルがアニメ系のイベントやコンサートで海外公演にゲスト出演する時まで楽しみとしてとっときましょ。海外に関してはね。

でも、それもなんだかもどかしい。だからもうどうせなら英語バージョン作っちゃえばいいのに、とかは思うわ。未だに発表されない『君に夢中』の英語バージョンも一緒にして『BADモード』のワールドツアーエディションにボーナスディスクとして追加収録すればいいんだよ(もう1枚目のCDには1曲も入らないかんね。収録時間上。)。一方で、『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』の「日本語パート強化バージョン」を制作してそれと30分くらいあるリミックスをカップリングしてリカットシングル&12インチアナログシングルとしてリリースする、と。『BADモード』はまだまだ擦れるっすよ。アルバムリリースしてスタジオライブやって終わりじゃ勿体ない。

っとと、毎度ながら実現可能性の低そうな願望ダダ漏れの妄想を綴ってしまった。まずは、明日からのアナログ祭りだよねぇ。『One Last Kiss』のアナログ盤はまだ店頭在庫あるのかしらん。日本盤、US盤、EU盤と揃ってればかなり壮観なポップアップストアになるだろうから、是非取り揃えておいて欲しいところ。でも、そういうこのタイミングでストリーミングプラチナ認定って、やっぱりこの曲は持ってると思います。運とか天命とか運命とかっていうやつをね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




さてコーチェラ2週目は出演が無かったということでこれで一息かと思いきやすぐ明日からアナログ祭り! 新旧計5タイトルが一挙にレコード盤として発売され、タワレコ渋谷でポップアップストアが展開される。今どきマイナーなアニメでもポップアップストアは全国展開だぞ…と関東以外の人は思うかもしれへんねぇ。なんでも東京だけかよ、と。だが、横並びに気を取られて何も出来ないよりは、やれることをやった方がいいと思うので、今回もスタッフの皆さんぐっちょぶと申し上げたい。って、気軽に行ける距離感の人間が言っても「それはお前が行けるからだろ」って言われちゃうわね。どんどん言ってくれればいい。その声が大きくなったら、コラボカフェもストアイベントも、もうちょっと全国展開してくれると思うので。実際、ど田舎に住んでると札幌から福岡までの主要都市での開催であったとしても、「また都会だけの話か」ってなるからね。結局は程度の問題で、私企業なので全体の収支と効果をみながら、っていうのがラインの引き方になるわなー。

そのラインを引く相手がこの1週間で「全国」から「世界中」に拡大された、と言ってしまうのは、まぁ行き過ぎで。しかし、コーチェラ出演によって再び、いや三度び宇多田ヒカルと世界展開の組み合わせが注目を浴びる結果とはなりましたわね。

NMEのインタビューはその象徴の1つだろう。半世紀以上の歴史を誇る音楽誌/紙に1対1でインタビューされたのだから、勿論88risingの一員としてでしかないとはいえ、老舗からみても注目のアーティストとなったといえまいか。

中身も、懐かしかった。要は宇多田ヒカルの自己紹介インタビューなのだが、「初体験」をキーワードにして質疑を展開して見せた。18年前にスタンプで押したような記事を幾つも翻訳してて「またこの話か」とやれやれしてた身としては、こんな一工夫が有難い。

結果、U3、Cubic U、Luv Liveといった宇多田ヒカル最初期どころかそれ以前までの活動についてもヒカル自身が触れるという、実は結構レアな内容となったのは収穫だった。喋った話自体は長年のファンからすれば耳タコの話だが、『I'll be stronger』の一節をその場で直接口遊まれては敵わない! やはり「本人の口から」というのはデカいなぁと。そして、案外覚えてるもんだなとも。初ライブ会場の名前がすぐ出てこなかったのは笑ったけど、出る方としてはZeppってどの会場も無個性で均一化してるだろうから、すぐには整理がつかなかったのかもしれないね。


で。当インタビューは固有名詞への簡単な注釈付きで先日訳しておいたので、まだ読んでおられない方はどうぞ↓

https://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/e/818e21dd4f201d3ed3d2258333144f86

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




2022年4月21日にNMEのYoutubeにアップロードされたヒカルのインタビューの書き起こしと翻訳です。聞き取り翻訳ともに幾つもあやふやな箇所がありますので「あぁ、大体こんな感じだったのかな」というくらいの感じで読んでうただければ幸いです。

なお、NMEとは「ニュー・ミュージカル・エクスプレス」(New Musical Express)の略称で、「イギリスの週刊音楽雑誌、週刊新聞。1952年から続く老舗雑誌であり、音楽メディアとして世界的な影響力があるといわれている。」そうです。(Wikipediaより)


***** *****


2022/04/21 the source was uploaded at https://youtu.be/OqkCe9mlwEE

NME: Hikaru Utada talks us through their musical first times, from the first artist they fell in love with, to the first thing they did after 'Bad Mode' was released.

NME:宇多田ヒカルが語る音楽的初体験の数々。そして『BADモード』をリリースして最初にした事とは?



My son wanted to get the balloons in the house and make the green cupcakes. So I went and got those things. I walked on like with the balloons like being blowing away by the wind
息子が風船を家に持って帰って緑のカップケーキを作ろうって。じゃあそれ買いに行こうかってなって。それで歩いてたら風船が風で飛ばされそうでした(笑)。

Hi ! I'm Hikaru Utada and this is my first for NME
こんにちは!NME初登場の宇多田ヒカルです。





Q: FIRST ARTIST YOU FELL IN LOVE WITH ?
The first artist I fell in love with could be probably my mom? She was a singer and an amazing artist but outside of the family, I say, maybe Mary J. Blige I sang to the most. I liked how much feeling,I mean, maybe I don't know if it's pain or just would be the emotions that come across and her voice is so, it just moves you and I sang to the My Life Album over and over. If it's played I can still sing all the riffs, my friends too.

Q:最初に好きになったアーティストは?
私が初めて好きになったアーティストは…ママ、かな?  彼女は歌手で素晴らしいアーティストでしたから。家族以外でいえば、一番歌ったのはメアリー・J・ブライジだと思います。とても好きで、痛みと言っていいのかな、聴いていると心にそれくらいの感情が浮かんでくるんです。彼女の歌声にはただただ感動させられます。『My Life』に合わせて何度も何度も歌いました。今でもアルバムをプレイしたら全部のフレーズが歌えると思います。

(※ Hikkiのお母さんは、言わずとしれた岩手県一関出身、1951年生まれの演歌歌手藤圭子。)




(※メアリー・J・ブライジは「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」の異名を持つNY出身、1971年生まれのR&B歌手。「マイ・ライフ」は1994年にリリースされた彼女の2ndアルバムのタイトル。当時Hikki11歳。)





FIRST BAND T-SHIRT YOU OWNED ?
I don't remember the first band T-shirt I've ever owned but I came today with my favorite one at the moment which is T-REX THE SLIDER great album

初めて買ったバンドTシャツは?
初めて買ったバンドのTシャツは覚えてないけど、今日はとりあえず今好きなT-REXの「THE SLIDER」のを着てきてます。いいアルバムです。

(※ T-レックスは主に70年代に活躍したロンドン結成のロック・バンド。「ザ・スライダー」は1972年にリリースされたアルバムのタイトル名。ジャケット写真はリーダーでVo.&Gr.のマーク・ボラン。ザ・ビートルズのドラマーであるリンゴ・スターが撮影したものとされている。)



https://www.amazon.co.jp/dp/B0007VLWVI



FIRST YOU SENT THIS MORNING ?
The first text I sent this morning was to Sean( Miyashiro) of 88rising. We were talking about how the structure making changes in the structure of the set. So it just worked. ... ...

今朝送った一通目のメッセージは?
今朝の一通目のテキストは88risingのショーン(・ミヤシロ)に送りました。ステージ・セットの構成がどう変わるかについて話してました。仕事の話ですね。

(※ ショーン・ミヤシロは音楽レーベル88risingのCEO。今回コーチェラ・フェスティバルにHikkiを誘った張本人)



https://www.nme.com/en_asia/news/music/88rising-collaborations-k-pop-future-shang-chi-soundtrack-sean-miyashiro-3061699


FIRST BAND YOU WERE IN ?
The first band I was in or musical project was with my parents. They were doing the thing. I was seven, eight I used to take me to the studio with them after school I did my homework there and took naps on the couch because they worked too late. And then occasionally they would say "Yeah, sing this part for us." "huh... ok..." And I sing and then the album came out afterwards. Yeah I would say that I don't know if it's the passion for music I'm sure that was also genetically and heretic but It's the family business, really.


最初に所属したバンドは?
私が最初に所属したバンド…音楽プロジェクトは、親とのものでした。両親がやってたことです。私が7歳か8歳の時、学校の帰りに両親と一緒にスタジオに行き、そこで宿題をしたりソファでうただ寝したりしてました。両親が遅くまで働いていたので。そんなだから時々、「僕らの為にこのパート歌ってよ、ひかる」とかって言われて。「ふわぁぁ、、、わかったよ…」って歌って。そうしてたらアルバムが発売されてました。そうですね、それを音楽への情熱と言っちゃっていいのかな、遺伝なのかもしれないし、あんまり普通じゃないかもね。でもこれは家業なんです、本当に。


(※ Hikkiが最初に所属したグループは1990年結成のU3。当時Hikki7歳。1993年にセンチュリーレコードから発売されたアルバム「STAR」で8~9歳の頃のHikkiの歌唱を聴くことができる。)



https://artist.cdjournal.com/d/star/1193110601



FIRST SONG YOU FINISHED WRITING ?
First song I finished writing that actually came out as on vinyl was the song calld "I'll be stronger" that I wrote when I was twelve. It's really scared that .. ... and what is like is

"Be together ~
Stay forever ~
I'll be stronger ~ "

That was twelve. it's like very much of sort I remember the song and I used to make the song just as a kid like all the time.

最初に書き上げた曲は?
最初に書き上げて実際にレコードになったのは、12歳の時に書いた『I'll be stronger』って曲で。どんな曲かというと

『Be together ~♪
 Stay together ~♪
 I'll be stronger ~♪』
 
これが12歳の時で(笑)。よく覚えてるな私w いつもこんな調子で曲を書いてました。こどもながらに。

(『アイル・ビー・ストロンガー』はHikkiがcubic U名義で1997年にリリースした12インチアナログ盤のタイトル・トラック。リリース元はNYのインディーズ・レーベル「リキッド・サウンド・ラウンジ」。)


https://www.discogs.com/ja/master/178972-Cubic-U-Ill-Be-Stronger
http://www.liquidsoundlounge.com/recordings/cubic.html



FIRST GIG YOU EVER PERFORMED ?
The First live gig I've ever played was right after my debut at sixteen years old in Tokyo. I don't remember the name of the place ... ZEPP? or maybe in Osaka. I just remember that it was super exciting. It was the first time you know I've been on a stage with lots of people that were so excited and the energy was just, I thought, crazy because I only sang in the studios before that. It's like totally quiet. I was just really moved by the energy that a group of people can create together and I was so, It's crazy but I had incredible musicians playing for me who's just like sixteen year old girl who's never done anything like this before. Incredible Japanese musicians. And also Vinnie Colaiuta was on drums, which looking back I'm like "How was that? Was it a dream?" ... ... so lucky


初めて出演したライブは?
初めてやったライブは、デビューしてすぐ16歳の頃、東京でした。場所の名前忘れちゃったな…Zeppだったっけ? そうだ、大阪かな? めっちゃ興奮したんだよね。ステージに立ったのはそれが初めてだったんだけど、大勢の人たちがやたら盛り上がってて、そのエネルギーはもうクレイジーとしか言いようがなくて。それまでずっと静かなスタジオでしか歌ったことなかったから。人が集まるとこんなエネルギーを一緒になって創れるんだって本当に感動しちゃって。その上、これもクレイジーだったんだけど、素晴らしいミュージシャンの皆さんが、16歳の女の子で、こんなことやるのは初めてっていう私なんかのために演奏してくれたんですよ。日本のミュージシャンはもちろんだけど、あのヴィニー・カリウタがドラムを叩いてくれて! 今となっては「なんだったの? 夢だったの?」って思います。とてもラッキーでした。

(※ Hikkiの初ライブは1999年4月1日(木)、Zepp OSAKAでの『Luv Live』。Zepp TOKYOでのライブは4月2日(金)で、『First Love -15th Anniversary Deluxe Edition-』で映像化されたのはこちらの方。)
cf. https://youtu.be/1QIylhJVcbs


https://rockinon.com/news/detail/93503


https://www.utadahikaru.jp/from-hikki/index_119.html


(※ ヴィニー・カリウタはペンシルヴァニア出身、1956年生まれのドラム奏者。Wikipediaの記述によれば「現代ドラム奏者の殿堂入りし、今を生きる最も重要なドラマーと評された」とのこと。)



https://www.paiste.com/en/musicians/vinnie-colaiuta



FIRST FESTIVAL YOU PERFORMED AT ?
I have not performed in any festival before. It's crazy right? But yes, the Coachella was the first and I don't know how many people could say that so I feel very blessed to be able to be doing this. Everyone asks "How are you excited?" Yeah I'm gradually, you know, getting feeling more into that I think partly because everyone keeps asking me. But I don't really know what to expect. So I'm just trying to not have any expectations and just get up there ... ... and just see what happens

初めて出演したフェスティバルは?
私は今までどのフェスティバルにも出演したことがなかったんです。おかしいでしょ? でも、そう、初めてがコーチェラ(のメイン・ステージ)って、そんな風に言える人がどれだけいるかわからないからこうして出演できてとても恵まれているなと思います。みんながみんな"どう?興奮してる?"って訊いてくるもんだから、私もどんどん気分が盛り上がってきちゃってて(笑)。みんないちいち訊いてくるんだもんだからさw でも、ステージでは何が起こるかわからない。一旦そういう期待とかは置いといて、ひとまずステージに立ってみてどうなるか見てみようと。

(※ コーチェラとは「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」のことで、毎年米国カリフォルニア州で開催される世界最大級の音楽フェス。2022年4月16日に宇多田ヒカルが初出演。88risingの一員としてメイン・ステージに立った。)



https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/hikaru-utada-review-coachella



THE FIRST TIME YOU RELEASED A BILINGUAL ALBUM ?
The first bilingual album is, would be the one I just put out this year, in January, until then I had, I thought I have to separate English songs or English albums from Japanese albums. Then the part of it was from the fear that people wouldn't, no one would appreciate a bilingual song or an album that's bilingual unless they speak both languages and not many people in the world speak both Japanese and English. But I thought that's what I speak though, that's what I, that's how I live. So I just stopped worrying and just mixed the two languages as I wished and It's gone really good reactions and very happy I did it.

初めてバイリンガル(二ヶ国語の)・アルバムをリリースしたのは?
初めてのバイリンガル・アルバムは、今年1月に出したばかりのアルバムです。それまでは英語の歌や英語のアルバムと日本語のアルバムは分けて考えなきゃと思ってました。日本語と英語の両方を話せる人でもなきゃバイリンガルの曲やアルバムなんて誰も評価してくれないんじゃない?って不安もあったし。両方話せる人は世界でもそんなに居ないから。でも、それが私の話す言葉なんだし、私の生きる道なんだもの!って思い直して。それで悩むのをやめて、好きなように2つの言語を混ぜてみたら、すごくいい反応があって、やってよかったなと思いました。

(※ 今年1月に出したばかりのアルバム=2022年1月19日(水)に配信開始された8thアルバム『BADモード』のこと)



https://www.utadahikaru.jp/music/album/title_21.html



THE FIRST THING YOU DID AFTER 'BAD MODE' WAS RELEASED
The first thing I did after BAD MODE was released was that I went to Waitrose (it's super market in England) to buy ingredients for making green cupcakes and balloons, birthday balloons for myself because it was my birthday. And my son wanted to get balloons in the house and make green cupcakes. So I went and got those things I walked on like with the balloons like being blowing away by the wind. Yeah so that was it was really nice ... ...

『BADモード』リリース後、最初にしたことは?
『BADモード』がリリースされて最初にしたことは、ウェイトローズ(イギリスのスーパー)に行って、グリーンカップケーキを作るための材料と、自分用に風船を買ったことです。自分の誕生日だったので。その日息子が家の中に風船を飾りたい、緑のカップケーキを作りたいと言ってきたので、それで、風船とケーキを買いに出掛けたんですね。風船が風に飛ばされそうな、そんな日に。いい一日でした。

(※ ウェイトローズは1904年に設立されたイングランドのスーパーマーケットチェーンのブランド名。王室御用達。)



https://oyajitimes.xyz/waitrose-biscuit



***** *****

それぞれの発言の詳細に関してはまた平日の無意識日記で取り上げたり取り上げなかったりするかと思いますのでなんとなくお楽しみに☆ ■■


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




日記だし、こういう自分でもよくわかってないふんわりしたことも書いとくか。


最近更にヒカルさんの魅力がアップデートされてませんか!? 確かに時期によって全然違う顔面になる人だけど、この、そうね、特に『BADモード』のミュージック・ビデオからこっちというか。幼さとお姉さん感とやんちゃっぽさのブレンド具合が今までにないバランスになっていて。

今回のコーチェラで振り撒いたショートヘア(ウィッグ)の魅力と、2月23日のインスタライブで振り撒いた魅力もまた別物だし…そういやあたし1月19日以降の『Liner Voice +』を聴いた時に「これが初遭遇でも惚れてた」的なことを書いたと思うんだけど、インスタライブもコーチェラも、どちらでも同じ事を感じた。しかも、その3つともそれぞれ別々の惚れ方で! なんのなのこれ? なんなんだコイツ??

母親っぽさ?お姉さん感?少年ぽい?うーん、どれもそうであってどれもそれだけではない。年齢なりの熟女趣味というのでもないしなぁ(半周りも年下だしねぇあたしから見たら)。でも確実に魅力的。理由はサッパリわからんが惹かれてる。

20年以上も追っ掛けてたらちょっとは飽きろよと思うんだけど、今年は過去20年でいちばんヒカルの歌聴いてるしヒカルの声聴いてる。生活の一部どころか最早毎日のメインパーソナリティー…! 今週もDJ-Hikkiは絶好調! ……って、いや何そのテンション…。

アルバムの出来がおかしいというのがいちばんではあるんだが、ヒカルさんの喋り声とアピアランスがもう刺さり続けているというか、依存症かというと違う気がするが中毒ではあると思う(そんなに変わらんやん)。

理由のわかる魅力より、理由のわからない魅力の方が遥かに魅力的だし、時間も掛ける。なんだろう、あの人、息子と2人で暮らしてハッピーだろうに今まで以上に見知らぬ他人達(我々ファンやリスナーやオーディエンス達)にもっと愛されようとしていませんか? 素?素なの?素で居たら勝手に愛されてしまうの? わけがわからないよ!

兎に角、この感じだと、『BADモード』が完成したばかりだというのにますます新しい活動に手を染めていきそうで。その手始めがコーチェラだったんだわね─いや、まだ明日明後日どこかに出演する可能性が残っている?? レジェンドのサプライズ出演っていう演出を考えたら他の人を連れて来た方が良い気がするけど、もしや88rising以外のステージに現れやしないでしょーね? Floating PointsやRina SawayamaやSuper OrganizsmやMIKAたちの2週目の出演どうなってる? YouTube配信ある? 気になり始めたら張り付いちゃうのであっさり諦めるのも1つの手だが…うむ、私はその日の天気に委ねますわね。(気分屋~♪)

また今週の月曜の日記みたいに来週の日記も「世界が全然変わってた」なんてことになってやしないか今から心配でなりませんぜ、パイセンよ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




でその「T」の歌詞なんだけど、全編がヒカル作なのかいうとちょっとわからない。特にキーとなる“Baby that's the T”というフレーズは、向こうから与えられたテーマという気がしなくもない。だが例えば、

“You're always worrying about tomorrow
I don't get it"

訳すと

「あなたはいつも明日の心配ばかりしてて
 それが私にはわからない」

という歌詞なんかは、『光』の

『先読みのし過ぎなんて意味のないことはやめて
 今日は美味しいものを食べようよ』


とか、或いは『Be My Last』の

『いつか結ばれるより
 今夜1時間会いたい』

や『Can't Wait 'Til Christmas』の

『クリスマスまで待たせないで
 人はなぜ明日を追いかける?』

なんかを思い出させて如何にもヒカルが歌いそうな歌詞だと思う。

ただ、今回の場合、

“I'm sitting on your bed with my jacket on
and you tell me”

訳すと

「私は自分の上着を着たまま
 あなたのベッドの上に座ってて
 あなたは私にこう告げる」

の一節がまるで

『完璧なフリは
 (腕時計と一緒に)外して
 ベッドの横に置いて』

との対比となっているように見えるため、

『明日から逃げるより
 今に囚われたい』

の一節と併せて、最も連想・想起させてくれるのは『誰にも言わない("I won't tell")』だというのが、第一印象での自分の感想だった。

「あなたは明日の心配ばかりして」という一節だけなら、ヒカルの作詞を考えたことのある人ならトリビュートの一環として考えついてヒカルに歌って貰おう、となる可能性もあるかなとは思ったが、次の

“I don't get it”
(理解できない/釈然としない/要領を得ない/納得できない、といった意味)

の歌い方に実感が隠っている様や、外す腕時計と着たままの上着(ジャケット)というアイテムの表層の堆肥化も併せて考えると、少なくともここらへんはヒカルの作詞なのではないかなと推察された。

このEPもつい最近完成したばかりということらしいが、ずっと続くヒカルらしい主張の詞とここ数年顕著な巧緻で小粋な言葉遣いをフィーチャーしたこの曲は、まるっきりヒカル名義の新曲ということではないにせよ、2022年初頭の宇多田ヒカルの空気を控えめに伝えてくれる押さえておくべき嬉しい1曲ということは言えそうだと思います。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




でコーチェラで驚いたのが新曲だよね。持ち時間以外で後から出てきて鍵盤弾き語りで切々と歌われた曲の名は「T」。そんなん知らんやんと思ったら88risingのステージが終わった途端に88rising名義の新曲としてリリースされるというスリリングな展開。いやもうどんだけ興奮させるんですかという日曜の朝でしたね。

で、「T」って何? これは考えてもわからなそうなヤツなので考えてないんだけどねぇ。スラングだったら想像もつかないだろうしな。自分の世代だとTといえば「H jungle withT」のTだから小室哲哉のことになるけど、勿論全然関係ないぜよ。とか言いながらついつい篠原涼子 with t.komuroの「恋しさと 切なさと 心強さと」を聴いてしまった。懐かしい。これが90年代だよなぁ…。

…っとと、ついつい懐古的になってしまったのは他でもない、ヒカルが歌うその「T」が如何にも90年代後半風味なR&Bバラードだったもので。cubic Uやら『This Is The One』の頃のUTADAやらの匂いもするけれど、なんて言ったらいいかな、ヒカルがデビュー前からやってたラジオ番組『Hikki's Sweet & Sour』で掛かってそうな曲、って言ったら通じる?通じない? そういう、ヒカルがまだまだ気楽なリスナーっぽさを残してる頃の趣味が反映されてるような曲調っていえばいいかな。Mary J.BligeやGroove TheoryやMissy ElliotにAaliyahといった面々による王道な、所謂歌唱力が試される作風のR&Bね。

クレジットを見ると、ヒカルの名前もあるものの完全にOne Of Themで、作詞の一部に貢献はしたけれどという程度なんじゃないかと推察される。つまり、この曲調は、88rising側がヒカルに歌って欲しいと希望した方向性なんじゃないかなと。

それは先日述べたコーチェラへのお誘いの理由と合致する。ヒカルは、アジア系のR&Bにもしっかりとしたルーツがあって、ポッと出の浮ついたものではないんですよということを最古参の(ってことになるのよなぁ)レジェンドとして表現することを期待された訳で。実際ヒカルが日本でデビューした時も、マライア・キャリーなんかと較べてもひけをとらない的な言われ方をしてたからね。詳細は知らないが、当時のアジア諸国でも似たような印象を与えていたのではなかろうか。それを2022年の今再現して欲しかったと。

ヒカルはその意図を総て汲み上げたかのような絶品の歌唱を聴かせてくれている。こういう素直な符割りと突拍子無くないメロディ運びの時のヒカルはホント巧いなぁ。普段自分の奇天烈な作曲で自分の歌唱力を抑え込んでいるのとはえらい違いだわ。

こういうノスタルジックな要望にもちゃんと応えてしまうところが、優しいというか、何より、音楽職人だなぁと感心してしまう。感覚としてはカバーに近いものがあるが、暫くはこの歌唱の素晴らしさを堪能させてうただくことと致しましょう。いやほんまにうまいわ…。気楽に歌ってるのを聴くのも、たまにはいいもんだねぇ…。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




実を言うと常々、宇多田ヒカルがSkrillex(本名:Sonny John Moore)とコラボレーションするのは、なんだか昔は凄かった人がイマドキの売れてる人の伝手を使って復活を目論んでると思われやしないかと心配してて、もし今回のコーチェラで88risingが宇多田ヒカルを"Soundtrack of our youth"としてレジェンド扱いで起用した場合それがステージの上で顕著になってしまうのではないか、なんてことまで考えてたんだけど、全くの杞憂に終わりましたとさ。誰もそんな事言ってなかったw 今はスペイン語圏のツイートとかでもすぐ翻訳して読めるから、便利になったものだな。諸刃の剣ですけどねぇ。

まぁそんな「どこにもなかった話」は置いておいて。これが今後にどう繋がるかは関心のあるところ。日本列島内のファンからすれば、世界でUtada Hikaruがウケるのは誇らしい反面、ただでさえ少ない列島内ツアーがますます減るのでは!?という懸念もまたあるだろう。そりゃ仕方ない。

あたしの勝手な見立てからすると、88risingは宇多田ヒカルをレジェンド枠として捉えてたので、来年以降もまた出る、という風にはならないと思う。その都度別のJ-popのレジェンドを召喚するんじゃないかな。同世代なら浜崎あゆみとか倉木麻衣とか現役で歌ってる人いるからね。ただ、本陣たる彼らのフェス、今回のEPのタイトルにもなってる「Heads in the clouds」の方には、呼ばれるかもしんないね。それは、彼らの活動に詳しい人たちに訊いてみたいところ。

では一方、今回のパフォーマンスをみていたコーチェラの中の人たちから今度は単独でオファーを受けるなんてことはあるのか?というのが次の疑問になるんだけれど、今回は実現しなかった(2週目に来る望みは捨てたくないけど)Floating Pointsとのカップリングなら可能性はあるかもね。恐らくYouTubeのストリーミングのデータを解析してヒカルさんが出演してた時間帯の地域別アクセス分布は割り出せるだろうから、これだけの反応があるならまた出て欲しい、けど肝心の現地での反応はアジア系以外に対してはまだまだ…みたいな風には捉えてるかも。そこをカバーするならコラボだと。

寧ろ、今回、「キングダムハーツシリーズの歌を4曲中2曲歌った」という事の影響力の方が大きいかも。これで今まで出演してこなかった(声が掛かっても断ってた?)ゲーム系のイベントへの出演のオファーが増えるかもね。こちらもあたしは詳しくないので、詳しい人の話を訊いてみたいわ。

でもいちばん現実味を増すのは、であれば、日本列島内でのキングダムハーツ関連コンサートへの出演ですわな。今まではそんなに注目してなかったけど、これからはゲスト出演がないかちゃんとチェックしないといけないかも。ただ、レコード会社の壁はどうなのか。エヴァもそうだけど、サントラ盤の発売元がソニーじゃないというのは痛い。そういやキンハもナンバリング続編新作の制作が発表されたんだったか。引き続きの宇多田ヒカルの主題歌起用を願いつつ、既発曲のリミックスのリリースが来ないかなと期待しておくことにしますかな。いずれにせよ、ヒカルさんの活動はますます活発になっていきそうですね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




おぉ、タワレコ渋谷でポップアップストアとな。凄いことやるね。まぁこれは行ってみてからだねぇ。楽しみがまた増えた。プロモーション頑張ってくれるスタッフの皆さんに感謝したい。どうもありがとう。

思い入れは費やした手間暇に比例するな~と、やや当たり前の事を呟いてみる。アナログ盤の面倒臭さはそのまま思い入れに転嫁しがちだ。盤をそ~っと取り出してターンテーブルにのせ、きっちりホコリを拭い徐に針を落とす…そういう儀式が思い入れを作る。なるほど昭和育ちな旧世代の感覚、とてもよくわかる。

とはいえ、あたしはそういう"古き良き"が好きな一方で、今の技術への感謝の念もとても強い。メタラーなのでヘドバンしやすいワイヤレスイヤホンは最早生活必需品だし、ストリーミングサービス無しでどうやって生活していたかもう忘れてしまった。漫画「ワンピース」もフィジカルで持ってる癖にデジタルで95巻まで揃えている。単純にカラー版がその巻までしか出てないからだけど、いやもう現代技術万々歳な人間である。そんな人間でも、今回のアナログ祭りはかなり意義のあるイベントになる予感がしているのだ。


ヒカルは、インスタライブでも語っていた通り、その時々のテクノロジーを歌詞にすることを厭わずに来た。お陰でそろそろ次世代のファン達に『Automatic』の歌詞のあれやこれやを説明をしなくちゃならなくなっていきそうなのだが、そういえば88risingの新曲「T」でヒカルの隣のウォーレン・ヒューは「ダフトパンクみたいに着飾って」とかなんとか歌っていた気がするな。そんな風に歌詞に取り上げて貰えるってところにダフトパンクのキャリアの偉大さと壮大さを再認識するが、そういえばダフトパンクのデビューアルバムってリリースされたのが1997年で、cubic Uのデビューアルバムのリリースとは1年しか違わないのよね。そこらへん、ウォーレン君はわかってて歌ってたのかしらん。君がレジェンド扱いしてるフレンチ・デュオと、一緒にデュエットしてる歌手の人は殆ど同期に近いんですよと。

つまり、もうヒカルは「歌詞の中で歌われる方」になりえる位のキャリアがある訳だ。いやそんなこと言うならオリビア・ニュートン・ジョンはデビューから10年経たないうちに杏里に「オリビアを聴きながら」を歌われとるやないか、とか昭和の人間はツッコんでくれるだろうかな。まぁそんなケースもあるんだけどさ!

ヒカルはUtada名義では固有名詞をよく使う。エルビス・プレスリーやフレディ・マーキュリー、キャプテン・ピカードにウィノナ・ライダー…。で、今やヒカルはそろそろ自分が彼らのことを歌ってきたように今度は歌われる方になってくると思うんだけど、レコードショップにアナログ盤が居並ぶ風景は、そういう空気を醸成・加速させる気がするのだ。古き良き時代の感覚と、ヒカルのキャリアの長さが上手い具合に"誤解"されて、宇多田ヒカルというアーティストのもつレジェンド感を少しずつ作り替えていく。だから、アジアのレジェンドとしてコーチェラに出演したこのタイミング後にタワーレコードでアナログ祭りっていうのは、キャリアの流れの中で結構記念碑的な、シーンの中でのキャラクターを更新するような、そんな面倒臭い「儀式」になるように思うのだ。

そんな風だから、関東近隣の方は来週遠慮なく渋谷に足を運んでみては如何でしょうか。私も勿論、赴きますよ。宇多田ヒカルの「みられ方」がここら辺から変わっていった、そんな思い出が作れると思うのです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




自分がそういうノスタルジックな扱いでもあることを理解していたからヒカルさんも『Automatic』を披露する前に『Go back to '98 !』って言ったんだろうし、そこらへんは納得の上だったと思われる。

一方で目下『BADモード』アルバムの凄まじさにあてられているリスナーからすれば現行の宇多田ヒカルの現役感を炸裂させて欲しかったという意見も出る。で、何故かこういうときに『Face My Fears』の存在が無視されるのよねぇ。

何故かって、単純にこの曲が『BADモード』の中でいちばんリリースが古くてサウンドも異質だからだろうな。他の共作者たち、小袋成彬やA.G.クックやサム・シェパードが複数曲を担当してるのにスクリレックスだけ1曲だけというのも異質感を助長する。トラックとしては3曲でいちばん目立ってるんだけど、これも悪目立ち風に捉えられてるのかな!?

ただ、こういう"ほんの少し前のサウンド"ってフェスの場では好評なのよね。初めて聴く曲でもすぐ乗っかれるから。フェスの場で「これが今最先端のサウンド!」ってのを提示しても、ただただボーッと眺めてるしか出来ないからね。リズムに慣れてるって大事。

Twitterみたいな言論空間では多数派に見えてしまいがちだけど、フェスで腕組みしながら難しい顔で音を聴いてる人って極々少数派で、大概の人は踊ったり叫んだり和んだりしに来てる訳よ。十時間も集中力続く訳ないし、やっぱりそこは音と人の渦の中に飛び込んでいきたいところ。そういう時に「あぁ、こういうサウンド知ってるぞ」っていうのは、「今更」とか言われるより「ノリやすい」ってのが圧倒的に多い結果になる。

反応人数の大小で選曲するのが必ずしも正しい訳ではないけれど、限られた時間で出来るだけ満足して貰う為のひとつの指針にはなる。それを考えたときに『Face My Fears』のサウンドはフェスにちょうどいいものだったと言える。いやま、『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』やってたらもっと盛り上がってたかもしれないけどねぇ!?

なので、今回のセットリストは、

「88risingからのメッセージ」
「聴衆の知ってる曲・聴きたい曲」
「その場でノリたい人向け」
「ヒカルがライブで必ず歌う曲」

といった複数のニーズを満たすいい選曲だったと思われます。勿論これは、選ぶ側の理屈であって、オーディエンスとリスナーは素直に自分の聴きたかった曲を言えばいい。あたしはあの日暮れ時の空の下で『残り香』を聴きたかった…!

で、こういうベストに近い選曲をフェス初出演でした後、次はどうするかという時に今回は「(コーチェラの)2週目には出演するの!?」という疑問が浮かんでくる訳ですが、あれま、梶さん昨日帰国したの!? Instagramによると。だとすればヒカルさんの2週目のコーチェラ出演はないのかもねぇ。いや、他の仕事があったから沖田さんに後を託した、みたいなこともあるかもしれないからまだまだわかんないけどね。出ないなら出ないって言ってくれた方が週末張り付かなくていいからラクなんですがw もう暫くコーチェラと88risingの発信はチェックしておきますかね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 前ページ