無意識日記
宇多田光 word:i_
 



嗚呼もう1月も終わりか。今月はなりくんとストリーミングの話ばかりだったな。

『Lonely One』をどう評価するか、が本来の分岐点である筈だったのだが、話を脱線させ過ぎたかな。一応、表向きはSpotifyのバイラルランキングで週間1位をこの曲が獲った記念にショウケース、という流れらしいのだが、…プロデューサー、参加して歌うのかな? 『Lonely One』のヒット(というのか?)を記念したLIVEで『Lonely One』を歌わない、というのは難しい。まだ5月のデビューライブの方が「他に沢山曲あるから」と断れる。しかし、今のところ2月の時点では、少なくとも一般参加者は『Lonely One』しか知らない状態で行くんじゃないの? ますます、プロデューサーやってきて歌わないと、となる。

うぅむ、一応毎週ラジオ番組もやっているのだし、数十人ならなりくんファンが駆け付けそうだが、この、「間近でHikkiが見られるかもしれない」という誘惑は、相当強力なんじゃないか。宇多田ファンばかりが当選する未来も有り得る。

勿論ショウケースなのだから、物見遊山を引き込む強引さを発揮すべき場所。ショウはフルサイズではないだろうし、演出やトークで盛り上げたっていい。何でもアリだ。ヒカル目当てで来た人が帰る頃にはすっかりなりくんに魅了されて…というのが理想的展開だろう。

そうなるならいい。んだがどうにも色々と不釣り合いというかバランスがよくないというか。結局、宇多田ヒカル参加楽曲としての『Lonely One』ではなく、なりくんの楽曲としての「Lonely One」の評価が見えてこないと話がわからない、という出発点に立ち戻る。そうなる為にはひとまず、バイラルなんちゃらが落ち着いてみないと前に進めないだろう。てかあれだ、ミュージックビデオってないんだっけ?

今のところ曲目をみてもヒカルが他の楽曲に参加している風ではない。口火は切られた。あとは、この機会をどう活かすか、或いは、全く活かさないか。まだちょっと、小袋成彬という人のミュージシャンとしてのスタンスが見えてこない。そりゃフルアルバム一枚聴いてもまだわからないヤツか。3枚位出してから「ああこっち向いてるんだ」とわかるのが常道だ。ちょっとなりくんが年齢の割に老獪そうなので警戒してしまっている面はある。あとは、でも、こちらに残るのはヒカルが楽しそうに喋っていたなぁという印象と嫉妬だけ。まだまだこれからだわねぇ。

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前に「今のRIAアカウントの扱い方をみると、近々ライブ招待やプレゼント告知があるのではないか」と書いたが、珍しく推測が当たったようだ。来月になりくんがSpotifyでショウケースギグを敢行する模様。18組36名だったかな? 総キャパはわからないが、業界関係者が多数詰め寄せるなら一般枠はこれで全部の可能性もある。

このニュースが出るや否やすかさず@hikki_staffから「今後のなりくん情報は@RIA_staffからツイートする」旨呟かれた。何ともまぁ手際がいい。計画は順調に推移しているようだ。

まず最初に各アカウントから同じツイートを連射する。勿論マルチだと非難を浴びるが、前々から述べているようになりくんの現在のキャラは「97人に嫌われても3人の熱狂的なファンを生み出せればOK」なタイプである。「今のなりくん情報の流し方は如何なものか」という意見も宣伝の一環として受け入れていい。それだけだとやせ我慢か負け惜しみかという所だったが、こうやってライブ招待告知とともにツイートの分離を宣言すれば1月30日以前と以後で@RIA_staffアカウントの、ひいてはなりくんの人気の絶対値と増減量のデータをとる事ができる。そこから導かれる予測に従って漸次4月のアルバムデビューへとプロモーションを繋げていくのだろう。

ヒカルとなりくんではアーティストとしての体質が違う。その為、ヒカルについてのマーケティングプラン&スタイルに慣れ切った身としては、このやや過激で乱雑な攻勢には違和感や嫌悪感が出るだろう。流石に行き過ぎるとマイナスだが、こうやってスパッとアカウントを切り離すタイミングを見極めれば軽傷で済む。今のところ「話題として忘れ去られる」より遥かにいい状況だろう。ここから@RIA_staffアカウントのフォロワー数がどうなるか、まずはそこらへんのモーメント&インプレッションのデータを見極める所からだ。

それにしても、ライブ招待応募条件の「Spotifyプレイリストをフォローした方」というのが目を引く。明らかに、というのは言い過ぎかもしれないが、今後ヒカルがどれだけ定額配信サブスクリプションストリーミングサービス(長っ)を重視していくかをみる試金石のひとつだろう。勿論小さなテストでしかなくその結果がどう転ぼうが直接大勢に影響を及ぼす訳ではないだろうが、こういった小さなテストを積み重ねながら新時代での音楽消費における宇多田ヒカルブランドの価値を見極めていく事になるだろう。決してファンを乗り遅れさせるような性急さはみせないだろうからその点は安心しておいて大丈夫だろうけれども、今後のヒカルのプロモーションやヒカルの楽曲へのアクセス方法をいち早く把握しておきたい人は、ひとまず@RIA_staffアカウントをフォローする所から始めよう。沢山ヒントが出てくる筈だ。

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状況がダウンロード販売からストリーミングに移るかもしれない事を、今ちょっと残念に思っている。というのも…

昨年から、コンビニエンスストアの「プリペイドカードのコーナー」が明らかに増えた。Google Playを筆頭に、iTunes Store、Amazon、DMM、Webmoney等々…。原因・理由は調べなくても推測できる。ソーシャルゲームで課金されるユーザーが激増したのだ。ガチャとかいう奴ね。10回3000円のカードが基本らしく、今やソシャゲにハマっている人への最高のギフトはプリペイドカードなんだそうな…。

ソシャゲなんて非スマホユーザーの私には最も無縁な世界だったが、買いすぎ防止の為にプリペイドカードを愛用する身としては「どこのコンビニに入ってもすぐプリペイドカードが買える!」と便利になった世の中に感謝した、のが2017年だったのだ。本当に意外な所で自分に影響が出るものである。

思えば、12年前にiTunes Music Storeを使い始めた頃はAppleのプリペイドカードなんて店頭に見る事は有り得なかったのだ。たまたま近所の家電量販店で取り扱い始めていたので困る事はなかったのだが、「多くの人にとっては不便だろうな、クレジットカード組しか配信購入できない…」と思っていた。それが今は昔。隔世の感。コンビニのいちばん目立つ所にプリペイドカードスタンドが置かれている。スタンドが1つじゃ足りなくなって2つに増やす店もある。今や誰もが気軽にプリペイドカードを買える世の中になったのだ。

…だったら、たま〜にでいいから一曲気に入った曲をダウンロード販売で買う習慣が浸透してくれてもいいのにな〜とうっすら考えていた。10連ガチャなんて3分で3000円が飛んでいくのだ。だったら250円ぽっち払って5分聴ける曲をダウンロードする位何でもないよね…金銭感覚的にあり得るよね…だってもうあなたのGoogle StoreやApple Storeにはもう金額がチャージされてるんだし、あとは曲のページを開いてタップするだけでいいのだから―まさかソシャゲのお陰で配信購入が身近になる可能性が出てくるとは。昨年の半ば位までそんな風に妄想していたんだ。

それが何だ。これからはストリーミングの時代だ支払いは毎月定額だ、だとぉ!? またクレジットカード組メインに逆戻りじゃないか。このまま欧米のようにダウンロード販売が下火になったら折角のチャンスを逃してしまうよ。いや、中にはプリペイドで定額配信支払い出来るとこもあるんだけどね、そんな面倒臭いのは流行らんだろ。既にチャージしてる状態だからこそ「あ、この曲いいな」と思った瞬間にタップしたら支払いが済んでいる、なんて状況が完成するのだ。全部クレジットカードで済ますんなら、12年前とおんなじじゃん。何も変わらない。

間が悪い、と思う。なんだろう、ひたすらレコード業界は間が悪い。CCCDは自業自得だったが、ストリーミング&定額サービスは新時代へのチャレンジだ。謗られる謂われは無い。積極的に打って出ているだけなのに、こんな感じ。今年のソシャゲの収益とレコード業界の定額サービスの収益、果たしてどれくらいの差がつくのやら。確かめるのが怖い。

なんだろう、やはり音楽を聴きながら数値で競争する、っていう枠組み自体、「損な生き方」なんだと言われている気がしてならない。宇多田ヒカルが偉大なのは、750万枚売ったからでも800万ユニットを売ったからでもなく、1人々々の人間の心に届く歌を書いて歌ったからなのだ、という基本中の基本に立ち返って色々と書いていく事に致しますかね。

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YouTubeで今現在『あなた』の再生回数をみると570万回余り、非常に好調である。一昨年の「全然前世」(なんか違う(笑))や昨年の「打上花火」みたいな年間特大ヒットには遥かに及ばないが、楽曲の立ち位置を考えるとかなり健闘しているんじゃあなかろうか。

テレビドラマ主題歌の『Forevermore』が350万回といったところだから、公開時期を考えると『あなた』はその倍以上のペースで推移している。確かに、再生時間が『Forevermore』の方が1分半、『あなた』の方が2分半と聴いた時の満足度が違うので単純比較はできないかもしれないが、『あなた』の人気が高いのは疑うのが難しい。

この差、ダウンロード販売では現れない差かもしれない。リピーターが含まれているからだ。昨日も書いたように非購買層は気に入った曲は買わずにYouTubeをブックマークしていくだろう。従って、何度か繰り返し聴く筈である。

このデータを、梶さんがみていない筈はない。つまり、各配信サイトでのダウンロード売上とYouTubeの再生回数の差と比を較べて、各楽曲のリピート率を出す事が出来る。それぞれの楽曲の浸透度がわかるのだ。

これに、昨年末からストリーミングが加わった。配信側がどこまで売り手にデータを提供しているか知らないが、それこそ性別や年齢や住所、聴く時間帯などなどのデータを伴ってあらゆる情報が取得できる。要は今までわかりづらかった「それぞれの曲の愛され方」が資料として見れるようになってきているのだ。

ストリーミングの方は今後どれだけ買い手に情報を開示してくれるかわからない。今のところ我々平民はYouTubeの再生回数をチェックする程度でいいだろう。他のアーティストに関しては知らないが、以前Utanetで調べた歌詞アクセスランキングとYouTube再生回数ランキングの間には強い相関があった。歌詞重視の曲ほどアクセスが多いとかあったけどね、『誰かの願いが叶うころ』があわやTop10だったり。今後ストリーミングの普及に伴いデータの開示範囲によっては「ヒット曲」という概念そのものが変化する可能性がある。

もっとも、今の時代に「ヒット曲」というのにあたる楽曲があるのかと言われたら心許ない。昨年の「打上花火」なんぞは、ある界隈では「今年いちばんの」みたいに言われているのにちょっと離れただけで「何それ?」と言われるような楽曲だった。「急峻な浸透」はあっても「なだらかな浸透」は難しい。

でもそういう「ヒット曲」のない時代な方が、ストリーミングのデータが提供する「多種多様な価値観」は受け入れられ易いかもわからない。その中で「国民的大ヒット」をヒカルに望む声があがるか否か、だな。

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ヒカルが2017年に個人名義で発表した3曲はいずれも"キャッチーなポップス"とは言い難かった。なのにあれだけ売れたのは特筆に値する。中でも最もストレートな『あなた』が結果的にいちばん売れそうなのは当然といえば当然かもしれないが、にしたって3曲ともキッチリ結果を残すというのは尋常ではなかった。

これで、前作の『道』や『花束を君に』や『荒野の狼』のような得意技或いは十八番と言った方がいいかな、宇多田ヒカルの最も得意とするメロディーラインを今年投げ込んできたら一体どれだけ売れるのだろう?と期待が高まる。昨年書いたように、私の解釈では『大空で抱きしめて』『Forevermore』『あなた』の3曲は12年前の『Be My Last』『Passion』『Keep Tryin'』のような"実験3部作"なのだから。売れればよし、売れなくてもそれはそれでという感触だった。売れたけど。

12年前の『ULTRA BLUE』の時は件の実験3部作に続いて『This Is Love』『BLUE』『Making Love』というドキャッチーな楽曲が表れた。ああいう展開になる予想はしてみたくなる。

しかし、売れるだろうか? 日本における『Pops』が形骸化しているのは、ひとえに「別に期待してなかったけど聴いてみたら気に入ったので買ったよ」という層が激減しているからだ。今は「気に入ったので」に続くのは「買ったよ」ではなく例えば「YouTubeをブクマしたよ」とかそういうのになる。なかなか「買ったよ」に辿り着かない。だから、シングルヒットがなかなか生まれない。

アルバムは売れるだろう。中古盤もレンタルもある。シングルは配信だけで、本当に買った人しか数値に反映されない。従ってダウンロード販売は数字さえ出れば大変参考になるものだ。秋元康一派の楽曲は握手券や投票券としてCDが売れているだけで曲を聴いてるヤツなんて居ない、という人は彼女たちの配信販売実績を知らないのだろう。相当売れている。彼女たちが(あるんだかないんだかわかんないので"相対的に"、でしかないが)邦楽市場で有数のヒットメイカーであり続けたのは紛れもない事実なのだ。

話が脱線した。ヒカルの楽曲が待たれているのは昨年一年で思い知らされたが、このあと、たとえ「老若男女に受け入れられるわかりやすい曲」が配信限定でリリースされても、どういう数値になるか未知数なのではないか、従って、アルバムがリリースされるまではある程度評価を保留した方がいいのではないか、とふと思ったのだ。

逆に、アルバムの売上はシビアに数値を見て評価すべき、となる。問題なのはアルバム発売日までにどれだけ日本で定額サービスが普及するか、である。プレイリストが跳梁跋扈する中、「アルバム」という単位はダウンロード販売以上にあやふやになっていくだろう。市場の推移、即ち我々のサービスの選び方によっては、宇多田ヒカルのCDシングルが10年前に『Prisoner Of Love』で途絶えたように、アルバムという単位もあと数枚で無くなってしまうかもわからない。どれだけ我々"旧世代"が踏ん張るかが鍵だわな。

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あらうちもRIAからフォローされてるわ。プレゼント企画とかあるのかしらん。M-on当たった方々おめでとうございます。

うちはHikki_Staffと梶さんもフォローしてるのだが3つのアカウントからの同じツイートがアイコン違いで並ぶとスパムか乗っ取りかと疑ってしまいかねない。少なくとも、心証はよくない。PCからなら幾つかのアカウントから同時に投稿するのは容易で手間もかからない。だからってこれはどうなんだろうと心配になる。たとえこれが宇多田ヒカル情報だとしてもマイナスイメージな気がするし、「だったらRIAアカウントフォローする意味ないじゃんね、タイムラインが煩わしくなるだけなら」となりフォローを外されかねない。このままずっといけば「認証アカウントなのにフォローよりフォロワーの方が少ない」なんていう不名誉な現象が起きかねない。

今のなりくんのキャラなら炎上商法でバズるのもアリだ、とは指摘したがRIAに所属するアーティストは2人である。なりくん単独のアカウントではない。現状、その2人に関してのプロモーション方法に大きな隔たりがあるのなら、アカウントを分ける事も考えなくては。@Obkr_staff(_RIA)アカウントを作り@Hikk_Staffと@utadahikaruからリツイートする、ではダメなのか。アカウントの宣伝にもなるし。

梶さんはWebマーケティングのプロフェッショナルだ。迂闊な真似はしない。誤爆が多いのも頻繁にWebチェックしてるからだろう。爆ってなんだろうね呟いてるだけなのにそれはさておき。何らかの意図があるとみるべきか。もしや今の時点ではRIAアカウントのフォロワーをそんなに増やしたくないとか? 今のうちにRIAアカウントのみでプレゼントやライブ招待などの企画が立ち上がるとか? わからない。しかし、生温かく見守っていく必要があるだろう。

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今週はJpopとストリーミングの話が中心だったが、両方とも正直そこまで興味がある訳でもない。ストリーミングに関してはApple Musicを一度試してみようかな〜?とふんわり思っている程度だし、そもそも普段そんなにJpopを聴かないので廃れようが滅びようが対岸の火事である。メタラーの自分からすればMANOWARやSLAYERのラストツアーの方がよっぽど興味がある。それすら「年齢と音楽性考えれば当たり前でしょ寧ろ今までよくやってくれたよ」と思っているので残念というより感謝しかない。十二分に楽しませて貰ったのでもう既に十分なのだ。

…話が逸れた。Jpopやストリーミングの話をしているのは勿論、それがヒカルの主戦場であり、今後主戦場になるかもしれないからだ。今後ヒカルがストリーミングオンリーで新曲を配信し始めないとも限らない、と「Lonely One」は教えてくれている訳で、そこが気になっているのである。Jpop云々は、市場の変質への目配せだ。ストリーミングが新しい市場を形成しそれが主流になるなら、プロフェッショナルなヒカルはそこに向けて音楽を作るようになるだろう。家業を継いで音楽家になった者にとって、注文が無くなるのは即ち廃業でしかない。人が聴きたがっている音楽と、これから聴きたくなる音楽を提供するのがプロである以上、ヒカルは常に新しい媒体を意識する。

逆から見てもいい。相変わらずCDを買いアルバムを楽しむ層が一定以上居る限り、ヒカルはCDアルバム購買層を意識した音楽を作り続ける。時流云々は二の次であって、その時その都度ヒカルに「欲しい!」という声がいちばん大きい所に歌は向く。それが対話というものだからだ。

つまり、ヒカルのファンの多くが「最近のなんちゃらにはついていけんのう…」と嘆くならばその嘆きに寄り添ってくれるだろうし、ついていけてる人間が主流になればヒカルもついていく―どころか率先して引っ張っていくだろう。そういうものだ。

ではヒカルは多数派に擦り寄る日和見主義なのかと言われそうだがそれは違う。先に多数派に阿ったり時流に流されていくのはファンの方なのだ。ヒカルはどちらかというと頑固に自分のやり方を崩さないのだから。それは頭が堅い訳ではなく、自信を持っているからだ。柔軟であるが故にこれ以上変わる必要がないのである。いつでもふらふら定まらないのは自分に自信の持てない我々ファンの方であるのだから。

認めよう。ヒカルが我々を惑わすのは、我々がフラついているからだ。惑っているから普通にされるだけで惑わされているようにみえる。順序が逆なのである。

…話が難しくなった。シンプルに考えよう。我々は弱い。素直に惑おう。ヒカルはそれを優しく掬い上げてくれる。本当にまずいのは、あなたがヒカルに興味を無くした時だ。その時こそ焦るべきなのだが、我々の声はあなたに届かない。もう既に興味を失っているのならこんな所に来ている筈はないのだから。見続けていればヒカルはいつか必ず期待に応える。勝手に離れるのは常に我々の方なんだよ。

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昨日今日と朝の外気温は−7〜8℃。夏場は40℃付近まで上がる訳でその気温差たるや50℃近くにまでなるのか。火星かここは。

昨日のタイムラインに3〜4人「宇多田関連アカウントでなりくん情報を流し続けるのは如何なものか」という意見を目にした。何十といういいねもついていた。そう思っている人も居るという事だな。

レーベルメイトの宣伝自体は特に珍しい事ではなく、今回は特にプロデュースを担当した上歌っているんだから尚更だ。反感を買うのは、性急に過ぎるからだろう。アルバム発売は4月なんだから、もっとじっくり「レーベルメイトとはどういう存在なのか」を説明する方向でいけばいいのに。

今のところ@hikk_staffと@RIA_staff(だっけ?まだ覚えてないや)で同内容のツイートを並行しているようだが、これがちょっと疑問である。前に書いた通り、アカウントの宣伝と役割分担の明確化も兼ねて@hikki_staffが該当ツイートをリツイートすべきだし、そもそもその手法は普段@utadahikaruが@hikki_staffによる業務連絡ツイートをリツイートで済ませてるのと同じで、RIAの中の人が知らない筈はないのだ。既に時間が経過してRIAアカウントの存在を新しく知る人も出てこなくなる。未だフォロワーは3桁だ。本当にこれでいいのか。

ミュージシャンの体質の違いは確かにある。なりくんの言う「分離派」はいわば「意識高い系崩れ」で、彼の独白にあるように、(こちらから見れば)「元々ポピュラー指向なのにうまくいかなくて拗ねてしまった系」の人間である。勿論彼自身は自分の事をそう呼ばないしそのつもりもないだろうが、彼の内面を知らずに遠くから眺めている人間にとってはそう解釈して支障はないのだ。普通それを悪意というが、ツイッターの半分は悪意で出来ているからな。

その半分の悪意を切り捨てもう半分の中の優しさに訴えかけるつもりであれば、即ち、如何に悪態を吐かれようが無視し続ける気概があるのならば、今のプロモーションで全く問題ない。悪評といえども評であり、無視されるよりずっとプロとして優れている。問題なのは、たとえそのつもりであるとしても、@utadahikaruはそうではないという点だ。炎上商法から最も遠い地点に居る人だから。

ヒカルはポピュラリティにそっぽを向かれても拗ねたりせず常に踏ん張って"逆襲"を行ってきた人だ。拗ねて内面に隠ったりしない。そもそも内面が豊かな人は最初からポピュラリティに見向きもせずずっと自分自身と向き合っているし、ヒカルはそういう存在でもあるから超常なのだ。今のところ格が違い過ぎる。このままだとなりくんのデビューアルバムは「不細工な尾崎豊」に留まってしまう。イケメンでない尾崎豊はただただ格好が悪い。…あらでもそれ私の好物だわ。じゃあどっちに転んでもいいや。なりくんがまたポピュラー指向に戻るもよし戻らぬもよし。どちらに転んでも楽しませてもらうわ。

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そうか、来年のドリカムデビュー30周年はワンダーランドと重なるのか。きっと賑々しい事この上ないな。

DREAMS COME TRUEの歴史はそのままJpopの歴史である。80年代に松任谷由実がミリオンセラーの女王として君臨していたが、その立場は"孤高"だった。後続に全く誰も居らず、3〜4年間ほど彼女の独り勝ちだったのだ。ドリカムは違う。彼らのアルバム売上が300万枚を初めて突破した時、皆が「時代の扉が開かれた」と感じた。そこからミリオンセラーが特別なものではなくなり、globeの400万枚、B'zやGLAYの500万枚へと繋がっていく。さて次は誰が600万枚を突破するのだろう?と思ったかどうかというタイミングで炸裂したのが宇多田ヒカルだったのだ。600万枚をあっさり超えまたたクマに700万枚に到達する。圧倒的規格外、トドメの一撃だった。

即ち、Jpopというのは90年代、ドリカムから爆発を繋いでいって宇多田ヒカルという超大爆発から緩やかに10年ほどかけて衰退していったジャンル、という事になる。そんな中でドリカムが来年30周年を迎えるのは凄いの一言に尽きる。ポスト・ドリカムのいきものがかりが活動休止してもなお元気一杯なのだから。頼もしい。

宇多田ヒカルにとってドリカムの歌は「苦手」の一言に尽きる。「うたばん」で披露された、「ともだちとカラオケに行ってドリカムを歌ったら“ヒカル、歌下手?”って言われた」エピソードは有名である。実際に聴かなくても、吉田美和のおおらかで伸びのある歌声に合わせて作られたメロディーがヒカルに合わなそうなのは想像がつく。月と太陽みたいなもんだ。

そのヒカルが珍しくドリカムタイプの歌を作ったのが『Can't Wait 'Til Christmas』だった―という話は散々何度も書いてきたのでここでは繰り返さないが、そこまでタイプの違うシンガーがそれぞれJpopの起爆と頂点だったというのは興味深い。吉田美和の太陽のような歌声と、ヒカルのいつも陰りを湛えた歌声。どちらも日本人の心に響く。もっとも、ヒカルのいちばんの名曲はメジャーキーバラードの『First Love』であって、ある意味ヒカルのレパートリーの中では異端なのかもしれないけれど、それを考え始めたらややこしいから今は置いておこう。

つまり来年は、宇多田ヒカルの20周年とドリカムの30周年が激突する。ヒカルが20周年ならばMISIAも浜崎あゆみもaikoもみんな20周年だ。まぁ今年の事だけれどヒカルのデビュー記念日が12月という事でその話題性は来年に持続していくだろう。まずは安室奈美恵の引退、更に小室哲哉の撤退とそしてJpopレジェンドたちのアニバーサリー。何だかまぁ本当に賑々しい。そう思っているのはアラフォー以上な気もするが、この、今年と来年が「CD時代のアーティストたちによる記念コンサートツアー」になる中で、ストリーミングをはじめとした「新しい音楽との接し方の提案」が盛んになっていく感じ、どうやら着々と「2020年代の始まり」への種蒔きが進み出している気がするのだ。改元と五輪を経てこの国はどうなるだろうか。

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いやぁ寒い。給湯が凍った。昭和かな?

ストリーミングのバイラル・ランキング、と言われても何の事やらさっぱりだ。つい先日(って去年だけど)オリコンがダウンロードランキングを始めたばかりだというのに気が早いよ。まだそんなについていけてないって。でも、YouTubeは再生回数が、オリコンはダウンロード件数がダイレクトにわかるんだからバイラルもわかりやすい数値の指標が欲しい。どういう仕組みかは知らないが、ダウンロード件数のような直線的な数字より、ツイッターのモーメントやインプレッションのような多角的な数字の組を元にしたもんなんだろうかな。

いずれにせよ、本来音楽にとってランキングなどというものには意味がない。男女に別れて合戦をしたり、ポイントをつけて順番通りに歌ったりというのは"暇潰しの余興"に過ぎないのだ。ただ歌を延々流すだけでは構成がしまらないからと考えた放送構成作家の知恵であり、毎週のランキングによってその週の上位をプロモーションしようというレコード会社の知恵であった。そこが基本である。

バイラルランキングとやらもその伝統に則っていて、結局はレコード会社の為のシステムなのかもしれない。そもそも、ストリーミングスタイルというのはGoogleのようにパーソナルカスタマイズする事で個人最適を達成するのが要件であって、総合的なランキングというのは本質的な問題ではない。個々人が好きな音楽に出会い、そこからより好きな音楽に出会おうとする力を引き出す事が何よりも肝要なのである。

したがって、逆説的だが、ストリーミングサイトの価値を最も表せるのは、個々人の楽曲やプレイリストやアーティストの再生回数ではなく、ストリーミングサイト全体の総再生回数、及びその増加数である。どのサイトのシステムが「リスナーをより音楽体験に駆り立てたか」が最も価値がある指標であり数値なのだ。争うべきは個々の楽曲やプレイリストやアーティストではなく、システム間であるべきだろう。

となれば当然、オリコンやビルボードの次の一手は「ストリーミングサイトランキング」であるべきだ。AmazonやらGoogleやらAppleやらYouTubeやらSpotifyやらAWAやらLINEやら…書籍通販サイトや検索サイトやソフトウェアメイカーやら動画投稿サイトやらSNSやらがストリーミングサイトに名乗りを上げている。どのサービスが新しい魅力ある音楽体験を提供しているかを毎日毎週ランキングづけすれば業界全体の活性化に繋がろう。

しかし、普通に考えればそれは「今だけ」の話である。様々なサービスが乱立するのは黎明期であって、ゆくゆくは2つ3つの大手に絞られていく筈だ。そうなったら「ストリーミングサイトランキング」は役割を終える。それがいい事なのかどうかはわからないが、時代の徒花であろうがなかろうが人がイヤホンをつける習慣を促せるのなら成功である。今後の推移を見守るとしよう。

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ストリーミングオンリーだから当たり前なんだけど、オフィシャルの呟きが連日そっち方面ばかりだねぇ。どれ位の人たちがついていっているんだか。

特に反対意見があるという訳ではないけれど、「あらそんなの私に関係ないわ」と思われてしまう呟きが連続していくと、そのうち呟きそのものが無視されていくようになりかねないのは気掛かりだ。どこまで考えているのだろう。

そもそも、普通のファンはヒカルのプロデュースなんかに興味は無い。どれだけの人間が、プロデューサーという役職を理解しているか。アイドルマスターやってんならわかってんのかもしれないけれど(笑)、そういうのを除けば殆ど何の理解も無いだろう。

『宇多田ヒカルのうた』ですらあの程度の人気なのだ。つまり、ヒカルが詞と曲を書いただけではダメで、歌手宇多田ヒカルが歌って初めて反応する人間が大多数なのである。作詞作曲ですらそんな扱いなのだから、より抽象度の高いプロデュース(制作や演出)なんぞ誰も興味がないと言い切っていい。

『Lonely One』も、ヒカルがゲストとして歌っているからほんのちょっぴり話題になっているだけで、プロデュース云々などまるで関係がない。くずのバックコーラスをした時と扱いは何ら変わらないのである。

そういう経緯があるとはいえ、だからこそ、@hikki_staffで『Lonely One』に関してツイートする事に危惧するのだ。ヒカルが歌っているから本来何の問題もないのだが、中の人らRIAのメンバーでもあり、従ってなりくんの担当者でもある(可能性がある)。つまり、ヒカル関連のアカウントを"利用"してなりくんのプロモーションをしているようにみえる。そういう印象を広く持たれたら逆風となろう。

やはりここは、確かに手間ではあるけれど、@hikki_staffとしては一旦RIAがツイートしたものをリツイートする、という方法論の方がよかったのではないか。リツイートならワンタッチで表示非表示が選択できたりするしな。本ツイートが煩わしいものになるとミュートやアンフォロー、ブロックなどになるだろう。そこは一線引いておいてもよかった。

しかし多分これは、ヒカルの作戦である。『Lonely One』及び「分離派の夏」に対するプロモーションの躊躇いの無さは特筆に値する。そんなに売りたいのか、と。

であれば、なりくんが(元々のキャラクターからして免れ得ない)賛否両論を巻き起こせるよう、周囲を煽るのが大事な訳で、私がこんな懸念を表明しているのも「バズってるうち」にしか入らない。ヒカルの掌の上で踊らされているのだ。どこまで計算しているのか知らないが、こういうのは新鮮なので楽しませて貰ってます。

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斯様にヒカルのニューアルバムの発売日程は様々な要素で決まっていく。まずはツアー日程が先に固まっている事で、これに合わせてアルバムは発売になる。また、先述の通り「キングダムハーツ3」の発売日にも影響を受けそうだ。それに伴い、日本以外での発売日も視野に入れなくてはならない。まぁそこはズラしても構わないけれど。『EXODUS』なんて日本から1ヶ月後だし、CDに限れば『This Is The One』は日米で2ヶ月のズレがあるのだから。

そんな中でのなりくんプロデュースは、こちらからしてみれば降って湧いた話だが、長いスパンでみれば、ツアーから逆算した中で時間をとる事が出来た為に可能だったのだろう、という推測がつく。なりくんのアルバムが完成した今、またヒカルは自曲の制作に戻るだろう。

アクロバティックに、既にニューアルバムが完成している、なんて事もついつい考えてみたくなる。海外でもビッグアーティストともなれば、発売時期を見計らう為に、或いはプロモーション態勢の準備の為に完成したフルアルバムを数ヶ月、場合によっては一年近くも塩漬けにしておく場合もある。黙っているだけでヒカルの作品も或いは…

…いや、性格的に無理かもしれない。時間があったら延々歌詞の中身を吟味し続けるのがヒカルだからだ。手直しできる時間があれば手直しする。一旦完成させておいてまた歌詞を書き直したのが『COLORS』だったり、『Eternally』も歌詞をスタジオで最後の最後までいじくっていたり。あれは別に怠けていた訳ではなく、〆切というストッパに頼った暴走創作なのである。だから、アルバムが完成してる、とかは有り得ない。時間的にも無理だし…って思ってたらまたたクマに『This Is The One』が完成したりしたので本当に油断ならないのだった。

ただ、ツアーを見越して長期間リハーサルをとるのなら、悠長な事も言ってられない。とはいえ、1ヶ月リハーサルしたウタユナより、もっと短い期間のリハーサルだった『WILD LIFE』の方が演奏がよかったのを考えると、リハーサル期間より人選に時間を割いた方が有意義なのかもしれないな、とも思う。そこらへんの調整はアルバム制作のプロデューサーでありかつコンサートツアーの座長を務めるヒカルの手腕と運にかかっている。日程の発表が楽しみである。

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「スペースシャワーもいいけれど、そろそろグラミーの方を…」といいたげなファンは、どれくらい残っているだろう? もう皆諦めて離れちゃったかな?

日本発の大衆向け音楽で、過去最大級の成功を収めつつあるミュージシャン/バンド/グループといえばBABY METALだ。坂本九の「上を向いて歩こう/sukiyaki」は全米1位の大ヒット曲だが、曲自体は有名でも坂本九は有名ではない。BABY METALは曲よりバンド名の方が有名である。次作は日英米同時Top10入りとか、グラミー賞でベスト・メタル・パフォーマンスにノミネートされるとか、全く現実味のある話となっている。

彼女たちの後に何をどう成功しても大したインプレッションは残せそうにない。全米1位でも足りない。スタジアムクラスの興行が打てないと無理である。日本ですらまだそこまで行っていないのだ。千葉マリンスタジアムに3日間で10万人呼んだけれども。

勿論、ヒカルはそういったモチベーションで活動する訳ではないので関係ないのだが、「キングダムハーツ3」の主題歌を担当する以上この問題は避けて通れない。どうしたって周りが騒いでしまうのだ。流石にCDを北米でリリースするかというと怪しいが、アルバムのダウンロードとストリーミングはオフィシャルに使ってくるかもしれない。やはり、ディズニー×スクエアエニックスという強力タッグは全世界に神通力を持つだろうから。

逆から云えば、前に述べた(かな?)通り、ゲームの発売日にある程度合わせて曲も発表せねばならず、これはちょっと影響大である。シンエヴァはまだまだ先だろうから考えに入れないとして、キングダムハーツ3は今年中の発売だと一応言われているから要注意だ。ゲームが遅れれば主題歌の発売日、引いてはアルバムの発売日も変わるかもしれないのだから…。

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あーSpotifyでプレイリストに載せて貰うとスタッフがお礼を言ってヒカルがリツイートする、とそういう流れか。ふむ、このノリについてくる人がなりくんのリスナーだと言わんばかり。『Lonely One』はヒカルが歌っている歌なので@hikki_staffがツイートしても何の問題もないし。というか、このノリを先に出して機先を制すのが大事かもわからんね。

果たしてこれが本丸の宇多田ヒカル名義の作品でも見られるのか、というのは注目だ。昨日触れた通り、宇多田ヒカルブランドはここから「平成のダイナソー」的なポジションをとる。CDを沢山売るスタイルな。そちらを維持しつつここからどれだけの若い、或いは新しいリスナーを獲得するか。

海の向こうでは既に、Spotify等にプレイリストを乗っけてそれで新曲をリリースするスタイルが出てきていて、巨大な成功を収めている。「アルバム」という形態の崩壊である。プレイリストであれば、限定的でない、様々なシチュエーションに即して適材適所な楽曲のアピールが可能だ。総合力と相互協力で音楽を売る、今の時代に相応しい"押し売り"である。

宇多田ヒカルは真逆な立場に居る。2016年の『Fantome』は、1形態のみのリリースというのが奏功した。5種類だの17種類だののパッケージ違いを売りつけられるのが日常になっていたリスナーにシンプルな居心地のよさを提供した。定額聴き放題のプレイリストの多種多様性とは反対側な訳である。

したがって、なりくんのデビューアルバムはRIAにとって格好の"実験"になる事請け合いだ。なりくんからしたら蔑ろにされて、と憤る所かと思いきやさにあらず、だと推測する。彼自身レーベルのオーナーだから、こういうシチュエーションは大好物な筈である。そんな状況だから、@hikki_staffからも@utadahikaruからも(リ)ツイートされる。目一杯アピールしてどこまで行くかを見極める為に。―そう考えると、いつにないヒカルの積極的なプロモーションにも合点がいくのではなかろうか。

なりくんの"先進的な"プロモーションとアピール方法を受けて、ヒカルのニューアルバムのプロモーションは検討されるだろう。場合によっては、Spotify等定額配信サイトの重要度が増すかもしれない。一方でCDアルバムを売る旧来通りの売り方を放棄する事も考えられない。常に先進的だった昔とは違い、新時代と旧時代のハイブリッドとして宇多田ヒカルは進んでくんじゃないかな。

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宇多田さんは、その意味において「旧時代的な」存在である。未だに音楽目的でここまでCDを買わせれる存在は最早数える程しか居ない。

「Pop Music」でないなら、日本の音楽は元気なものである。20年前にフジロックフェスティバルが開始されて以降、ロックバンドたちはこぞってフェスティバルに出演するようになり、今やフェスは乱立状態だ。CDはおろか配信も買わないけれど、お祭りには参加するという層はかなり居る。それをロックファンと呼ぶかどうかは兎も角、商業的に成立しているのは事実だ。いつまでこの隆盛が続くかはわからないが、今や寧ろ「Jpop Era」より長い期間このモデルが生き生きと動いているとすら言いたくなる時期になってきた。

そんな中、ヒカルさんが12年ぶりにライブ・アーティストとして帰ってくる。つまり、ヒカルのツアーが2018年という年に、どう捉えられるかが問題なのだ。

90年代の頃はCDが売れればツアーに客が来るし、ツアーに客が入るならCDも売れていた。今のGLAYのように、その夜の5万人の観客のうち1割しか最新曲のCDシングルを買っていない、なんて事態はほぼ有り得なかったのだ。ライブを楽しむ層はCDを買っていた。CDは買わないけどライブは行く、というスタイルは今よりずっと少なかった。

ヒカルのアルバムは何百万枚も売れていた訳で、ライブに来る数十万人の多くは当然のようにCDを買っている。CDを買ったからといってライブに行く訳じゃない、という層が最大多数派なのは今も変わらないが、様々な割合は変化している、という訳だ。

12年前のツアーにおける最新アルバムは、当時オリコンチャートにおいてミリオンに到達していなかった。それで20万人規模の動員だった。

目下、(更にもう一枚アルバムがリリースされる予定であるとはいえ)最新アルバムである『Fantome』は、CDの出荷枚数と配信件数を合わせるとミリオンを突破している。ここでもあらゆる側面において単純比較は許されないが、しかし、市場規模を考えると「『ULTRA BLUE』より売れている」と言って構わないのではないか。

であるならば。「CDを買ったうちでライブに行こうとする人の割合」が昔と変わらないならば、チケットの売上枚数或いは申込数は12年前を上回る可能性が高い。そして、恐らく、実際に「CDを買ったうちでライブに行こうとする人の割合」は増えているのでなかろうか。

更に、今はここに「CDは買ってないけどライブには行こうとする人」が加わり、その数は12年前より遥かに多いのかもしれない。

この、"遥かに"になるには、宇多田ヒカルのライブコンサートが"フェスティバル"と見做されるかどうかが鍵となる。ロックフェスと同じノリでチケットを購入する動機がどこかで生まれれば、その数は数万人規模になるかもしれない。ここが、昔との違いである。ことライブコンサートに関しては、昔のような「流行歌」がなくても客が来る可能性がある。方法がある。今はまさに時代が違うのだ。今回のツアーの総動員数を読むのは相当難しいぞ。

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