ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」

2020年08月26日 | 書評

イスラエル民族の再興を願う3大預言書と12小預言書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」(岩波文庫2015年)   (その48)

8) アモス書(その2)

第5章: イスラエルの家よ、これはエホバの哀感の歌を聞け。イスラエルは仆れて起き上がれず、10人のうち生き残ったのは1人であった。エホバ言う、汝ら我を求めよさらば生きるべし。ぺテルを求めるなギルガル、ベエルシバに行くな、エホバは滅亡を強い者に臨ましめ、城は滅亡寸前となった、汝らの咎は大なり。汝ら善を求めよ悪を求めなければ汝ら生きるべし。エホバの日を求めるは禍である、昏くして光なし。我、汝らの素祭、集会、感謝祭を受け入れない、汝ら声を立てるな聴きたくもない。イスラエルの家よ汝らは40年間荒れ野に居ル間、犠牲と供物を我に献げたことがあるか、汝らは王シクテを負い偶像キウシ(星)を担えり。
第6章: シオンにいる者、よく考えもせずに、イスラエルの家に従わず、サマリアの優れた国を理想とするのは禍である。カルネ、ハマテ、ガテをよく視よ、彼らの土地は汝らの土地より大きいか、禍の日が近づいても汝らは傲慢で贅沢三昧を追い求めるのはヨセフの艱難を顧みないことである。エホバはヤコブの宮殿を忌み嫌う、そこにいるものはすべて殺し、すべての殿は灰燼に帰せん。イスラエルの家よ、我一つの強国を興して汝に敵とさせる。
第7章: エホバが放った蝗の大軍は青草を食い尽くしたので、我アモスは、ヤコブの末裔は小さい争いでしか立つことができないのでエホバに許しを請いイスラエル人の絶滅をまぬがれた。エホバ火をもって罰せんとしてイスラエル人の産業の地をことごとく焼かんとした。我アモスは、ヤコブの末裔は小さい争いでしか立つことができないのでエホバに許しを請い焦土化を免れた。エホバは石垣の上に測量用の縄をもって立ち給う(罪の軽重を問う)。エホバ言う我彼らを見過ごしにしない。我剣をもってイスラエルのヤラベエム王家を撃つと。アモスは言う、ヤラベエム王は剣により殺されイスラエルは捕らえられる。我はユダの地に遁れん。べテルの祭司アマジヤはアモスに言う、汝べテルについて預言するな、ここは王の聖所なればなり。アモスは答えて、私は預言者ではない我は牧者であった。しかしエホバが言えと言うのでイスラエルに向かって預言する。アマジヤの妻は邑の中で妓婦となり子どもは剣に仆れ、汝の土地は分割される。汝は穢れた地で死に、イスラエル人は捕らえられこの国を離れるだろう。
第8章: エホバ、アモスに示し給う。その日には宮殿の歌は嘆きに変わらん、屍夥しく棄てられん。貧しき者を虐げ困難者を滅ぼす者よこれを聴け、偽りの秤で穀物を売る者、銀をもって卑しき者を買い、靴一側で貧しき者を買うかつ屑麦を売らんとするもの、我彼らの一切の行為をいつまでも忘れない。その日は太陽を真昼に没しめて暗くし、汝らの節莚を悲痛に変わらせ、汝らの歌を尽く嘆きの歌に変える。その時エホバの言を聴くことの飢饉を贈る。北から東へエホバの言を求めても聞くことはできない。何故なら我は汝らから姿を消したからである。
第9章: 汝らには逃げる所はない。壇の上に置いても殺されん、冥府に逃げても引き出され、天に逃げても引きずりおろされ、カルメルの頂に隠れても引き下ろされる、海の底に隠れても蛇を遣わす。エホバ地を触れば地は溶け、全地は吹き上がる。エホバその目を罪を犯した国に注ぎ、これを地より滅した絶つ。イスラエルの家は篩にかけて一人残さず目こぼしはない。自分には禍は及ばないと言い張る者は皆剣にかけて殺す。その日にダビデの幕屋を建て直すべし。葡萄は実り酒はしたたり丘を流れるだろう。われイスラエルの俘虜を還し、彼らは荒れた邑を建て直し、そこに葡萄園を作って酒を飲む。
(アモス書終わり)
(つづく)