ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」

2020年08月22日 | 書評
槿

イスラエル民族の再興を願う3大預言書と12小預言書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」(岩波文庫2015年)   (その44)

6) ホセア書 (その2)

第4章: イスラエルの民よエホバの言を聞け、この世には誠なく愛情なく神を知る事もない。ただ偽り人殺し盗み姦淫が横行し互いに憎しみ殺しあっている。人は争うべからず。我が民は智慧知識がないと滅ぼされる、律を忘れる民を我は忘れん。淫行と酒とはその人の心を奪う、神を離れて淫行をなす。イスラエルよ汝姦淫をなすなユダに罪を犯すなかれ、ギルガルに行くなベテアベンに上るな。
第5章: 祭司らよ聴け、イスラエルの家よ耳を傾けよ、王の家よこれに心を注げ、裁きは汝らに臨まん。叛く者は深く罪に沈み、我はエフライムを知るイスラエルは淫行をなせりすでに汚れたり。イスラエルの傲慢はその顔に歴然と現れ、その罪によってイスラエルとエフライムは仆れユダもこれと共に仆れる。罰せられる日にエフライムは荒廃し、ユダの牧伯らは境を侵すゆえにわが怒りを彼らの上に灌ぐ。エフライムは虫食われのごとく、ユダは腐朽のごとし。エフライムはアッスリアのヤレブ王に援助を願ったが果たさず、救うものなし。彼らが艱難のためにエホバに戻る迄待つ。
第6章: 来たれエホバに還れ、エホバは我らを撃ち給いしがその傷を包むことをなせり。エホバは2日後我らを生かし、3日には我らを立たしめん。ゆえにエホバを知るべし。我エホバは預言者をもって汝らを撃ち、我が口により汝らを殺した、審判は電光石火のごとし。我は愛情を喜び生贄を喜ばず、神を知る事を喜ぶ。しかるに汝らはアダムのごとく誓いを破り不義を行った。ギレアデは悪の邑、祭司らは山賊の群れ、エフライムは淫を行いイスラエルは穢れたり。ユダよ我が民を還さんときまた汝のために刈り入れに備えん。
第7章: 我イスラエルを癒さんとするとき、エフライムの咎とサマリヤの悪が露呈した。彼らは悪をもって王を喜ばしその偽りをもって諸々の牧伯を喜ばした。エフライムは異邦人と雑じり、エフライムは還らない餅となった。イスラエルの驕りは顔に現われ彼らはエホバに帰ることをせず又求めることもなかった。エフライムは智慧の無い鳩のようにエジプトに助けを求め、またアッスリアに傾く。彼らの牧伯はその舌の荒き言によって剣に仆れ、エジプトにて嘲りを受けるだろう。
第8章: 喇叭を口に当てよ、この民が我が契約を破った故に敵がエホバの家に襲い掛かった。彼らは王を立てたがエホバの与るところではない、彼らは牧伯を立てたがエホバは知らない。彼らは金銀で偶像を作ったがエホバのためにしたことではない。サマリアの仔牛像は砕けて粉となる。イスラエルは列国から喜ばれない器となり、独りいる野のロバのごとし。エフライムは財宝を贈って友人を得たが、その財も尽きた、エフライムは多くの祭壇を作って罪をおかした 。

(つづく)