ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」

2020年05月31日 | 書評
オキザリス

西欧哲学、文学、詩歌の原点となった智慧文学 五つの書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」(岩波文庫2015年)   (その17)

2) 詩篇 (その9)

第40篇: (歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
我たえしのびてエホバを待ち望みたり、エホバ我に向かいてわが叫びを聞き給えり。またわれを滅びの穽よりとりいだしてわが足を磐のうえに置きわが歩みを堅くしたまえり。エホバは新しき歌をわが口に入れ給えり、これは我らの神にささげる讃美なり。仁慈と真理とをもって恒にわれを守り給え、そは数えがたき禍害われを囲み、わが不義われに追しきて仰ぎ見ること能はぬまでになりぬ。エホバよわれを救い給え、エホバよ急ぎ来たりてわれを助けたまえ。
第41篇: (歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
弱き人をかへり見る者は幸いなり、エホバかかる者を禍の日にたすけたまわん。エホバこれを守り之をながらえしめ給わん、彼はこの地に在りて福祉を得ん。エホバよわれを憐れみわがたしいを医やしたまえ、われ汝に向かいて罪をおかしたりとわが仇われをそしりて言えり。彼偽りをかたり邪曲をその心にあつめいでてはこれを述ぶ。エホバよわれを助け起こし給え、されば我彼らに報ゆることを得ん。イスラエルの神エホバはとこしえより永遠までほむべきかな、アメン、アメン
第42篇: (歌の長に謳わしめたるコラの子の教えの歌)
ああ神よ、鹿の渓水をしたい喘ぐがごとく、わが霊魂も汝をしたい喘ぐなり。何れのときか我ゆきて神のみまえにいでん。汝神を待ち望め、われに聖顔の助けありて我なおわが神を褒めたたうべければなり。
第43篇: 神よ願わくは、我を裁き情け知らぬ民に向かって、わが訴訟をあげつらい詭計おおき邪なる人より我を助け給え。なんじはわが力の神なり、なんぞわれを棄て給いしや。願わくはなんじの光となんじの真理を放ち我を導きてその聖山と帷幄とにゆかしめ給え。ああ神よわが神よわれ琴をもてなんじを褒め称えん。
第44篇: (歌の長に謳わしめたるコラの子の教えの歌)
ああ神よむかし我らの祖たちに汝がなし給いし事蹟をわれら耳に聞けり、祖たちわれらに語れり、汝御手をもて諸々の国人を追い退け我らの祖たちを植え、また諸々の民を悩まして我らの祖たちを繁栄させ給う。我らはひねもす神によりてほこり、我らは永遠になんじの御名に感謝せん。しかるに今我らを棄て恥をおはせたまい、なんじ戦に出られることなくわが辱めひねもすわがまえにあり。神はこれを糺し給わざらんや、我らの霊魂はかがみて塵にふし、われらの腹は土につきたり、願わくは起きて我らを助け給え。

(つづく)

「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」

2020年05月30日 | 書評
ばら

西欧哲学、文学、詩歌の原点となった智慧文学 五つの書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」(岩波文庫2015年)   (その16)

2) 詩篇 (その8)

第35篇: (ダビデの歌)
エホバよ願わくは我に争う者と争い、我と戦う者と戦い給え。楯と大楯をとりてわが援に立ち出で給え。願わくは彼らが風の前なるもみ殻のごとくエホバの使いによって追いやられんこと。願わくは彼らが思いよらぬ間に滅びきたり己がふせたる罠に捉えられ自ら滅びんことを。大いなるかなエホバその僕の幸いを喜びたまう。我が舌は終日なんじの義と誉れを語らん。
第36篇: (歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
悪しき者の咎はわが心のうちに語りて、その目の前に神を懼るることなし。彼は己が邪の現ることなく憎まれることなからんとて自らその目に阿る。エホバの正しさは神の山のごとく、なんじの審判は大いなる淵なり。エホバよなんじの仁慈は尊きかな、なんじはその歓喜の川の水を彼らに飲ましめ給う。われらはなんじの光によりて光を見ん。願わくはなんじを知る者に絶えず憐憫を施し、心なおき者にたえず正義を施し給え。
第37篇: (ダビデの歌)
悪をなす者のゆえに心を悩め、不義をなすものに向かいて妬みをおこすなかれ、彼らはやがて草のごとく刈り取られ、青菜のごとく打ち萎れるべければなり。エホバに頼りて善を行え、エホバによりて歓喜をなせ。己が道を歩みて、栄える者のゆえをもちて、悪しき謀を遂げる人のゆえをもちて心を悩むなかれ。悪しき者は久しからず。悪を離れて善をなせ、義しき人は国を嗣ぐ、その住まいはとこしえに及ばん。義しき人の口は智慧を語り、その舌は公平を述べる。悪を冒す者は必ず断たれるべければなり。
第38篇: (記念のために作れるダビデの歌)
エホバよ願わくは憤りをもって我を攻め、激しき怒りをもって我を懲らしめ給うなかれ。なんじの怒りによってわが肉には全きところなく、我が罪によりわが骨には健やかなるとことなし。わが不義は首を過ぎて高く重荷のごとく負い難たければなり。われ衰えはて甚く傷つけられ、わが心のやすらかならざるによりて呻き叫べり、ああ主よわがすべての願いはなんじの前にあり、わが嘆きはなんじに隠れるところなし。われ声なくして、なにも見えざる。敵は猛くしてわれ仆れるばかりなり。我が神よわれに遠ざかり給う勿れ、主我が救いよ速く来たりてわれを助け給え。
第39篇: (歌の長エドトンに謳わしめたるダビデの歌)
われ舌をもちて罪を犯さざらんためわが全ての道を慎しみ、悪しき者のわが前に在る間はわが口に轡をかけん。エホバよわが命の終わりと幾何残るかを知らさせ給え、わが無常を知らせ給え。人の世にあるは影に異ならず、その思い悩むことは空しからざるはなし。げに諸々の人は空しい。われは汝による旅人、すべて親たちと同じく宿れるものなり。

(つづく)

「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」

2020年05月29日 | 書評
ばら

西欧哲学、文学、詩歌の原点となった智慧文学 五つの書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」(岩波文庫2015年)   (その15)

2) 詩篇 (その7)

第30篇: (殿を捧げるときに謳えるダビデの歌)
エホバよわれ汝をあがめん、汝我を起こしてわが仇の悪事によりて喜ぶを赦し給わざればなり。エホバを讃め歌えまつれ、清き御名に感謝せよ。その怒りはただしばしにして、その恵みは生命とともにながし。エホバよ聴き給え、われを憐れみ給え、エホバよ願わくはわが助けとなりたまえ。われ栄をもて讃め謳いつつ黙することなからんためなり。わが神エホバよ、われ永遠になんじに感謝せん。
第31篇: (歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
エホバよわれ汝に頼む、願わくはいずれの日までも愧を負わしめ給うなかれ、汝の義をもて我を助け給え。汝はわが巌わが城なり、されば御名の故をもってわれを引きわれを導き給え。エホバよわれを憐れみたまえ、わが目は憂いに因りて衰え、霊魂も身もまた衰へぬ。汝の仁慈をもて我を救いたまえ。エホバは真実ある者を守り、傲慢者に重い報いを施し給う。すべてエホバを待ち望むものよ雄々しくあれ、なんじら心を堅くせよ。
第32篇: (ダビデの訓戒の歌)
その咎を赦され、不義をエホバに負わされざる者は幸いなり。われ罪を告白せざる時は終日悲しみ叫びたるがゆえにわが骨古び衰えたり。なんじの御手は夜も昼もわが上にありて重し、我が身は夏の草のごとくしおれたり。汝は我が隠れる所なり、汝患難を防ぎて我をまもり救いの歌を持て我を囲み給う。われ(ダビデ)汝をして歩むべき道に導き、わが目を汝に注がん。悪しき者は悲しみ多かれどエホバにたのむ者は憐憫にて囲まれん。
第33篇: 正しき者よエホバによりて喜べ、賛美は直きものに適はしきなり。琴をもってエホバに感謝せよ、新しき歌をエホバに向かいて歌い、歓喜の声をあげてたくみに琴をかき鳴らせ。もろもろの天はエホバのみ言葉によりてなり、天の万軍はエホバの口の気によりて造られたり。全地はエホバを畏れよ世に住めるもろもろの人はエホバを怖じかしこむべし。エホバをおのが神とする国はさいわいなり。エホバはすべて彼らの心をつくり、その為すところをことごとく鑑みたまう。我らの魂はエホバを待ち望めり。
第34篇: (ダビデ、アビメレクの前にて狂える様をなし追われていで来たりしときに作れる歌)
われ常にエホバを祝い祀らん、その頌詞はわが口にたえじ、わが魂はエホバによりて誇らん、遜るものはこれを聴きて喜ばん。われともにエホバを崇めよ、我らとともにその御名をあげたたえん。われエホバを尋ねればエホバわれにこたえ、我をもろもろの畏懼より援けい出し給えり。エホバは心の痛み悲しめる者に近くいまして、魂の悔いるものを救い給う。正しき者は患難おほし、されどエホバはその中より助けい出し給う。

(つづく)

「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」

2020年05月28日 | 書評
芍薬

西欧哲学、文学、詩歌の原点となった智慧文学 五つの書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」(岩波文庫2015年)   (その14)

2) 詩篇 (その6)

第25篇: (ダビデの歌)
ああエホバよ、わが魂は汝を仰ぎ望む。われ汝に頼めり、願わくばわれに愧をおはしめ給う勿れ。わが仇のわれに勝ち誇ることなからしめよ。エホバのもろもろの道はその契約と証しを守るものには仁慈なり真理なり。願わくは帰り来て我を憐れみ給え、我が心の愁えを緩め我を禍より免れしめ給え、我が患難我が苦しみをかえりみ、わがすべての罪を赦したまえ。神よすべての憂いよりイスラエルを贖いたまえ。
第26篇: (ダビデの歌)
エホバよ願わくは我を裁き給え。我わが全きによりてあゆみたり。エホバよ我を糺しまた試み給え。我は汝の真理によりて歩めり、悪を偽り飾る者とともにはゆかじ。われ手を洗いて罪なきをあらわす、願わくは我を贖い我を憐れみ給え。
第27篇: (ダビデの歌)
エホバは光わが救いなり、われ誰をか懼れん。エホバは我が命の力なり。我が敵襲い来たりて我が肉を食らわんとするも倒れたり。たとひ戦闘おこりて我を攻めるとも我には頼むところあり。われ一つのことをエホバに請い我これを求む、エホバは悩みの日に我を巌に隠し我を高く仇の上に上げられたり。汝はわれの助けなり、救いの神なり。エホバを待ち望め、おおしかれわが魂、かならずやエホバを待ち望め。
第28篇: (ダビデの歌)
ああエホバよわれ汝を呼ばん、わが巌よ、願わくは我に向かいて聾唖になり給うなかれ、汝黙したまわばおそらく我は墓に入る者とひとしからん。我が願いの声を聴き給え。エホバは讃むべきかな、我が祈りの声を聴き給いたり。エホバは我が力我が楯なり、わが心これに頼みたればわれ助けを得たり。
第29篇: (ダビデの歌)
なんじら神の子らよ、エホバに献げまつれ、栄と能とをエホバに献げまつれ。エホバの声はちからあり、エホバの声はレバノンの香柏を折り砕き給う。エホバの声は火炎をわかつ、エホバの声は野を震わせ、カデシの野をふるわせ給う。エホバはその民に力を与え給う、平和をもてその民を幸わい給わん

(つづく)

「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」

2020年05月27日 | 書評
ハイシャギク

西欧哲学、文学、詩歌の原点となった智慧文学 五つの書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅲ 諸書」(岩波文庫2015年)   (その13)

2) 詩篇 (その5)

第20篇:(歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
  願わくは、エホバ悩みの日に汝に答え、ヤコブの神の名汝を高きにあげ、聖所より援助を汝におくりシオンより能力を汝に与えん。汝の謀をことごとく遂げしめたまう。われら汝の救いによりて歓びうたい、我らの神のみ名によりて旗を立てん。
第21篇: (歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
エホバよ汝の力によりて楽しみ、汝の救いによりて大いなる歓喜をなさん。良き賜物の恵みをもて彼を迎え、まじりなき黄金に冠をもて彼の首に戴冠させたまう。汝もろもろの仇人の末裔をこの地より滅ぼし、彼らの種を人の中より滅ぼさん、エホバよ御能力を表して自らを高くし給え、我汝の威を謳いかつ褒め称えん。
第22篇: (暁の鹿の調べに合わせて歌の長に謳わしめたるダビデの歌)
我が神我が神なんぞ我を棄て給うや。ああ我神われ昼呼ばわれど答え給わず、夜呼ばわれど我平安を得ず。我らの先祖は汝にたのめり、彼らたのみたればこれを助けたまえり。われは虫にして人にあらずや、エホバに頼めりエホバ助けるべし。我に遠ざかり給うなかれ、艱難近づき又救うものなければなり。エホバを懼るるものよエホバを褒め称えよ。ヤコブのもろもろの末裔よエホバを崇めよ。国はエホバのものなり、エホバは諸々の国人を統べ給う。
第23篇: (ダビデの歌)
エホバはわが牧者なり、われ乏しきことあらじ。エホバはわが霊魂をいかしみ名の故をもって我をただしき道に導き給う。たとえ死のかげの谷を歩むとも禍害をおそれじ、汝われとともにいませばなり。わが世にある限りはかならず恩恵と憐憫を我に注ぎたらん。
第24篇: (ダビデの歌)
地とそれに充るもの、世界とその中に住むものは皆エホバのものなり。手をきよく心いさぎよき者その魂空しきことを仰ぎのぞまず、かかる人はエホバより幸福を受けその救いの神より義を受けん。門よ汝らの首をあげよ、とこしえの戸よ上れ、栄光の王入り給わん。栄光の王はたれなるぞ、力を持ち給う猛きエホバなり。

(つづく)