ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

晩秋の日光東照宮 2

2012年11月30日 | 写真館
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読書ノート 大澤真幸著 「夢よりも深い覚醒へー3.11後の哲学」  岩波新書

2012年11月30日 | 書評
倫理の破壊をもたらした大惨事の後に、原発への根源的な問い 第3回

序(3)
 このことを多くの例え話と哲学書から語ることが本書の面白い趣旨である。多少めまぐるしいほどの多義性を秘めた例え話が続けて出てくるので、詭弁論理学のように読み手は面食らうかもしれないが、あまり例え話や引用の細部に拘ると論旨を失うのでうまく付き合うことが要求される。例え話は分かりやすそうで分かり難いとはこの事をいう。3.11を超えた何かとは、哲学でいうところの「メタ」であろう。「メタ」は広辞苑で調べると「接頭語で、超えるという意味」だとされる。「メタファ」は暗喩、「メタフィジーク」は形而上学の事であるとも書いてある。このような3.11のメタな理解が1年後に必要な理由を大澤氏は、「事故後多くの言説が出されたが、現実を変える(脱原発を国民合意にする)にはいたっていないのは、悪夢の理解が浅すぎるため、現実の騒動に流されているだけなのかもしれない」という。時間が経つと電力不足を脅迫材料として経済性から原発再開に政府・行政が動き出しそうである。大惨事の経験が生かされないままに元の木阿弥にならない時点で反省の度合いを深めなければ、日本人はなんと知恵のない民族と世界中から笑われるのだ。この民族性は宗教からきているという。西欧は一神教(ユダヤ・キリスト教)の恐ろしい最後の審判が存在して人々は戦々恐々として行動するが、アジア的多神教の日本では誰もが神になれる気安さから、誰も真剣に反省しないのである。本書はそこまで遡って考える事を要求しているのである。
(つづく)
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読書ノート 宮崎勇・田谷禎三著 「世界経済図説」 第3版 岩波新書

2012年11月30日 | 書評
世界金融危機・ユーロ危機を経た現在の経済状況を図説から読む 第17回

8)軍縮の経済と「平和の配当」(1)
①軍拡のムダ
 冷戦の軍拡競争(特に核ミサイル戦略)の軍事費支出はソ連を崩壊に導き、アメリカの経済の財政悪化と相対的地位低下をもたらした。人材と労働力の軍事部門への傾斜は民需を圧迫し、国際競争力を弱めた。軍事部門には価格と市場原理が働かないために自由主義経済の硬直化となった。1990年に冷戦は終焉し「争いよりは平和」の機運が生じたが、いまでも紛争は絶えず湾岸戦争・イラク戦争そして中東への軍事圧力などでアメリカは手を緩める気配は無い。軍事費のGDP比率はアメリカが4.9%、中国が1.3%、ロシアが2.4%、日本は0.9%である。
②軍縮のコスト
 冷戦の終焉と東西対立の解消は、軍事費を再配分する「平和の配当」に及ばなかった。理由のひとつは軍縮の経済的コスト(ミサイル廃棄処理コスト)であり、軍縮よりは装備の近代化に振り分けられ、余った兵器などの途上国への武器輸出に替わったことである。戦略核弾頭の削減交渉は「STARTⅠ」に始まり、モスクワ合意から新STARTで米ロは1550発を目指している。ただ軍縮の経済的コストが核兵器を作る費用より高いという論点は経済といえどもおかしな話である。これは原発廃止のコストおよび放射性廃棄物最終処理コストが高いので、原発は止めないという論理に繋がる。最終処理まで考えないでスタートし、最終処理コストを廃棄コストに含めるのはおかしい。大体こういう議論には注意が必要である。
③軍縮の経済効果
 軍縮の経済効果は、①財政の健全化 ②技術の開放 ③国際協力 ④経済の合理性・価格メカニズムの再生である。アメリカは冷戦終了後一時国防費が縮小したが、近年再び増加に転じている。不景気を戦争で吹き飛ばす効果を期待しているわけでは無いだろうが不気味である。アメリカの国防費のGDP割合は冷戦終了前が6%、冷戦終了後の1990年代は着実に低下し3%程度となったが、2000年から増加に転じ2010年では4.8%となった。アメリカ・中国の国防費の増加は著しい。
④軍需から民需へ
 人工衛星打ち上げ数を見ると1990年の冷戦終了後には100個/年あった軍事衛星打ち上げは激減し、商業通信衛星に替わった。現在2011年で軌道上にある人工衛星数はロシアが1400個、アメリカが1100個、日本126個、中国が117個、欧州各国は50個程度である。軍事技術が民需に全面移管できるかというと、民需事態の拡大余地が少なく軍事部門が参入するのは容易ではない。市場ノーハウがないなどで軍事部門技術の進出は難しい。アメリカではインターネットなど通信技術の民需適用が比較的スムーズに進んだ。
⑤軍事技術と民間技術
 軍事技術は一般に民需技術より有意な条件(利潤の確保)で国家の保護を受けるため、軍事技術が「民需技術を圧倒してきた。航空機産業は積極的に軍事技術移転につとめ、逆に民需部門の電子機器、半導体、コンピュータの開発が軍需部門に適用されるケースも増えてきた。アメリカでは冷戦終了後国防費が民需技術を刺戟し、情報通信と医療分野で顕著な効果が現れた。アメリカの国防研究費7兆円は民需研究費24兆円と絡み合って、民生技術と国防産業の発展を促している。
(つづく)
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筑波子 月次絶句集 「晩秋所見」

2012年11月30日 | 漢詩・自由詩
枯荷病葉為風摧     枯荷病葉 風の為に摧かれ

痩菊飄零盡作埃     痩菊飄零 盡く埃と作る

雲影冬隣庭樹老     雲影冬隣りて 庭樹老い
 
秋情孤雁一聲来     秋情孤雁 一聲来る


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(韻:十灰 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)
 
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晩秋の日光東照宮 1

2012年11月29日 | 写真館
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