ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

東日本大震災と医療問題:原発作業者の内部被爆量検査を急げ

2011年05月31日 | 時事問題
asahi.com 2011年5月31日1時27分
原発作業員の内部被曝検査「全員6月中に」 厚労省要請
 東京電力の男性社員2人が多量の内部被曝(ひばく)をしていた問題で、厚生労働省は30日、東電に対し、福島第一原発の作業員全員の内部被曝検査を6月中に終わらせるよう文書で求めた。 福島第一原発では、これまでに計7800人が事故収束に向けた緊急作業に従事したが、放射性物質を吸い込むなどして体内から放射線を浴びる内部被曝の検査を終えたのは、1800人にとどまっているという。
 2人の男性は数百ミリシーベルト被曝した恐れがあり、今回の緊急作業で認められている被曝量の上限250ミリシーベルトを超えたと見られている。

あれほど体内被曝量の検査が叫ばれていたのに、今までなぜ行なわなかったのか。メディアにも責任がある。そこで先日の記事を再掲載する。日本の行政は具体的犠牲者が出ないと絶対に動かないらしい。

医療に関する提言・レポートfrom MRIC by 医療ガバナンス学会(2011年5月26日) 「内部被爆による晩発性障害を見極めるため毛髪などの試料保存を」 山野辺滋晴 共立耳鼻咽喉科 より

 福島第1原発事故の発生後、人体の被爆量測定に関してなぜか「移動式ホールボディカウンター」(日本原子力研究開発機構が3台保有)が使われなかった。将来被爆と発病の因果関係を問題とするとき、原爆症訴訟でも長年因果関係が証明できずに争われてきました。今回の年間100mSv以下の艇線量被爆で白血病やガンや先天性疾患が発病するかどうか、因果関係を統計的に正しく判定するためには、今のうちに体内被曝状況を正確に記録する必要がある。直後のホールボディカウンターが行なわれなかった今の次善の策としては、原子力技術安全センターのバイオアッセイ(生体測定)の項目に書かれている様に「汗、血液、呼気、体液、毛髪を採取し放射線量を測定することにより体内の放射能を評価する」必要がある。それと土壌中の核種放射性物質の測定も行なえれば制度は上がるであろう。原子力安全防災関係各位にお願いするところである。
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読書ノート 天野郁夫著 「大学の誕生」 中公新書

2011年05月31日 | 書評
帝国時代の高等教育システムの歴史 第7回

1)帝国大学以前 (3)

 帝国大学が生まれる前の時代は、文部省の「東京大学」以外にも、学制とは関係なしに各省庁は官吏養成を目的として、外国人教師が外国語で教授する専門学校を独自に立ち上げた。フランスの「グランド・ゼコール」は長い伝統をもつ高等専門教育の系統であるが、官製日本型グランド・ゼコール群はやがて帝国大学に統合され、帝国大学自体が専門官僚養成学校になってゆく点で大きく異なっている。官製日本型グランド・ゼコール群には工部省の工部大学校(明治10年)、司法省の法学校、開拓使の札幌農学校、内務省の駒場農学校の四校があった。国が官吏を養成する学校であったので、卒業後は長期の奉職義務がある。今の自治医大のようなものである。外国人教師による官吏促成栽培だけでは植民地と変わらないので、独立国日本としては将来は自前の教師を持たなければならない。そこで欧米諸国への留学生選抜と派遣とそれによる教員養成が行なわれた。明治6年段階で文部省管轄派遣留学生は198名、各省派遣留学生は61名を数えた。選抜された官費留学生制度は明治8年に始まり、明治12年以降は全員が東京大学卒業生で10名程度が派遣された。明治12年に旧来の「学制」は廃止され、代わって「教育令」が公布された。この教育令は「自由教育令」と呼ばれ、第1条「公立私立の別なく文部卿が監督す」、第2条「いずれの学校を問わず、各人皆これを設置することが出来る」という。当時の文部卿田中不二麻呂は岩倉使節団に同行し欧米の学校を視察して、アメリカの自由主義的な教育制度の興味を持ち文部省にアメリカ人の教育顧問を招聘した。この教育令はアメリカの「リベラルアーツ(学芸)」教育(カレッジ)の思想を反映していたが、翌年には廃止され「改正教育令」に取って代られた。
(つづく)
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環境書評 原科幸彦著 「環境アセスメントとは何か」 岩波新書

2011年05月31日 | 書評
持続可能な社会を作るために必須のツール 第9回

2)環境アセスメントの本質 (3)

 環境アセスメントの本質は持続可能な社会の構築にあるが、その具体的事例として1994-1998年に行なわれた愛知県「藤前干潟のアセスメント」事例を紹介する。これはアセス法以前のことであるが、結果的にはアセス法のプロセスがとられた。この問題はごみ埋立地と野鳥干潟保全の対立であった。名古屋市のごみ最終処分(埋立)地に藤前干潟が選定され、1994年からアセスメント手続きが開始された。1996年1月名古屋市の制度にのっとり現況調査計画書が公表され調査が行なわれ、1996年7月に準備書が公表された。これに対して住民より意見書が提出され、1997年2月名古屋市は見解書を公表した。そして3回公聴会がもたれ、1998年3月まで審査会が25回開催された。審査会の結論は「自然環境への影響が明らかである」ということで準備書の修正が行われた。にもかかわらずごみ埋め立て計画はやむをえないということで市議会は埋め立て申請を議決した。1998年4月IAIA(国際影響評価学会)は代替案の人口干潟を否定し、環境庁長官も人口干潟を否定し、運輸大臣は埋立地の許可を出さなかった。結局1999年1月名古屋市は藤前干潟の埋め立てを断念した。名古屋市はこれを受けて「ごみ非常事態宣言」を出して2年後には23%のごみの減量化に成功した。2002年に藤前干潟はラムサール条約の登録湿地となって野鳥保護に貢献した。
(つづく)
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筑波子 月次絶句集 「雨 上」

2011年05月31日 | 漢詩・自由詩
筑西雨歇遠山横     筑西雨歇んで 遠山横たわり

風定煙収江水平     風定り煙収て 江水平なり

日射宿雲天上動     日射し宿雲 天上に動き
  
渡頭野鴨鏡中行     渡頭野鴨 鏡中に行く


●○●●●○◎
○●○○○●◎
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(韻:八庚 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)
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CD 今日の一枚 メニューヒン ヴァイオリン演奏集-4

2011年05月31日 | 音楽
①ラヴェル「弦楽三重奏」②ドッピュッシー「ヴァイオリンソナタ」 ③フォーレ「アンダンテ」
ヴァイオリン:メニューヒン チェロ:ガスパー・カサド ピアノ:ルイス・ケントナー 
フルート:ミッシェル・デボスト ハープ:リリ・ラスキン ピアノ:ジェレミー・メニューヒン
ADD 1961,1976,1971 EMI
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