ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」

2020年08月13日 | 書評
カサブランカ

イスラエル民族の再興を願う3大預言書と12小預言書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」(岩波文庫2015年)   (その36)

4) エゼキエル書 (その10)

第36章: エホバ、イスラエルの山々に預言して言う、敵は汝らを荒し呑み込む。汝の周辺の民は必ず自身辱めを蒙る。しかし見よ我汝らに臨み汝らを顧みん、汝らは耕されて種をまかれる。イスラエルの残余者が住み邑は建て直される。人と獣が増え昔に優れる繁栄を見る。イスラエルの家は国に血を流しまた偶像をもって国を穢したるによって、我彼らの道と行いによって裁かれる。イスラエルの家よ、我汝らのためにするにあらず我が聖き名のためにする。清き水を注いで汝らを浄め汝らのもろもろの穢れと諸々の偶像を取り除き汝らを清める。汝らは先祖の住める地に住みて我が民となり我は汝らの神となる。
第37章: エホバの霊エゼキエルに臨み谷に導いた。谷には多くの骨が散乱し周りは枯れていた。エホバは骨に対して預言を述べよという。我枯れたる骨に気息を入れ生かしめると。すると骨と骨が動き始め、肉と皮が覆った。そして気息よ四方から風を吹き込み殺された者どもを生かせというと、こうして多くの群衆となった。これらの骨はイスラエルの全家でる。そしてエフライムの木を取って、一つにはユダの家と書き、一つにはヨセフの家と書け。ヨセフの木とユダの木をあわせて一つの民イスラエルとなす。ダビデを王として一人で全体を治めるべし。我彼と永遠の契約をなす。
第38章: マゴグの王ゴグとは、出所は創世記に現われる部族でヤペテの子孫はゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メセク、テラスであったとされる。 現在の黒海・カスピ海沿岸付近に居住していた民族らしい。ロシ、メセク、トバルを支配した。エホバの言エゼキエルに臨む、マゴグの王ゴグに預言せよ、我汝を罰せん。ペルシャ、エチオピア、フテ、ゴメル、トガルマと共にイスラエルに迫る。残存者の民はイスラエルの山に還り、これらの大軍に備えよ。王ゴグに言え、わが民イスラエルの安らかに住むその日に、汝は立ちあがり、北の果の汝の所から来る。多くの民は汝と共におり、みな馬に乗り、その軍隊は大きく、その兵士は強い。汝はわが民イスラエルに攻めのぼり、雲のように地をおおう。ゴグよ、終りの日にわたしはあなたを、わが国に攻めきたらせ、我が聖なることを諸国民の目の前にあらわして、彼らに我を知らせる。その日、すなわちゴグがイスラエルの地に攻め入る日に、わが怒りは現れる。我は、わがねたみと、燃えたつ怒りとをもって言う。その日には必ずイスラエルの地に、大いなる震動があり、 海の魚、空の鳥、野の獣、すべての地に這うもの、地のおもてにあるすべての人は、わが前に打ち震える。(この話は史実か虚構かどうか不明)
第39章: エホバの言エゼキエルに臨む、マゴグの王ゴグに預言せよ。汝と汝の軍勢はイスラエルの山々に仆れん、汝を鳥に食わしむ、我我が名をイスラエルの中に知らしめ、聖なる我が名を穢されまい、戦いは7年続いてイスラエルはゴグ王を倒した。ゴグの軍勢の死体を埋めた場所をゴグの群衆の墓となずける。この地を清めるために7か月を要した。この日よりイスラエルの家はエホバが己の神であることを知るだろう。いまこそヤコブの末裔の囚われ人を還しイスラエルの全家を憐れみエホバを称えよ。

(続く)