ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

浅田真央優勝 フィギュアーNHK杯

2008年11月30日 | 時事問題
asahi.com 2008年11月29日20時36分
浅田今季GP初V、ファイナル進出 フィギュアNHK杯
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦、NHK杯第2日は29日、東京・国立代々木競技場で女子自由が行われ、ショートプログラム(SP)1位の浅田真央(愛知・中京大中京高)が自由でも1位となり、計191.13点で2季ぶり2度目の優勝を果たした。
 GP初出場の鈴木明子(邦和スポーツランド)が2位、中野友加里(プリンスホテル)が3位に入り、日本勢が2季ぶりに表彰台を独占。中野もファイナル進出を決めた。
 GPファイナルに出場する女子6選手が出そろった。この日出場権を得た浅田、中野ともに、安藤美姫(トヨタ自動車)も進出が決まった。すでに金妍児(韓国)、ジョアニー・ロシェット(カナダ)、カロリナ・コストナー(伊)が出場権を得ていた。

「飛んで飛んで、廻って廻る」浅田真央

経済問題 春山昇華著 「サブプライム後に何が起きているのか」 宝島新書

2008年11月30日 | 書評
格付け信用の失墜とレバレッジ手法の終焉 世界の金融の中心は移動しつつある
 第2回


序(2)
 本書はその半年後に再び「サブプライム問題」のその後の成り行きを追跡し、世界金融の状況を検証したものである。2008年1月31日、日本の大手銀行グループの決算(2007年度末までの)が発表された。サブプライム関連の損失は5882億円に上った。アメリカのサブプライムローン問題は「信用危機」、「流動性の危機」、「資金繰りの危機」という三つの危機を引き起こした。2008年1月アメリカが不況に落ちるという不安が世界同時株安を引き起こし、今現在(6月)も株価は低迷し続けている。欧米の金融機関は巨額の損失を計上し、シティーグループ、メリルリンチ、USBという巨大金融機関の社長の首が飛んだ。そしてモノライン保険会社も危機に陥った。サブプライムローン関連証券にトリプルAという格付けを与えていたS&Pやムーディーズという格付け機関はつぎつぎと格付けを下げ、「格下げ」が価格崩壊を加速するという悪夢のスパイラルに入った。

 今サブプライムローン問題を反省すると、投資家の欲望が格付けと証券化の暴走許した結果のバブルであった。格付け会社は証券会社の追認機関(提灯持ち)と化したということが実態であった。格付け機関の役割は、証券化商品に支払い保証の期待を賦与して、大量取引が可能な「標準化と均質化」を備えた投資商品へ変身させる事であった。「トリプルA皆で渡れば怖くない」という風潮を助長した。サブプライムローン問題は単に金融機関に損害を与えただけでなく、証券化・格付け・金融保険制度という欧米流の金融制度に根本的な不信が生じたほうが重要である。また世界中の投資家が「レバレッジを使って利益を増幅させる」というやり方に待ったがかかった。そして金融信用が収縮し「もう金は貸さない」という状況ではレバレッジ手法は使えない。この欧米の金融危機に動いたのが、アジアと中東の国冨ファンド(SWF) であった。オイルダラーと外貨準備金による緊急支援の手は、今後どのような流れを生むのだろうか。


読書ノート 三村芳和著 「酸素のはなしー生物を育んだ気体」  中公新書

2008年11月30日 | 書評
27億年前、光合成によって酸素ガスが出来ると、生物は一気に進化した 第9回

2.酸素ガスはどうして生じたのか (2)
 
 27億年前に光合成細菌の一種でシアノバクテリアが誕生し、水分子から酸素原子を遊離させ酸素ガスを作り始めた。この細菌が地球上で酸素ガスを作った功労者である。最初の光合成最近は30億年以上前の「紅色細菌」である。太陽エネルギーを使って硫化水素を還元して水素を作り、二酸化炭素ガスと結合して有機物を合成した。植物の先祖みたいな細菌である。植物の光合成反応を見ると、暗反応で外気の炭酸ガスを還元して糖を作る。明反応では葉緑体のチコライド中で光エネルギーで水を分解してプロトンと酸素ガスを作る。この時発生した電子がチコライド膜上の電子伝達系蛋白でやり取りされる。電子供与体は水の中の酸素原子である。呼吸とは逆の反応である。炭酸ガスと酸素ガスが今日の濃度に近づいたのは3億年前の事である。水は分解されて酸素ガスを作り、炭酸ガスから有機物が作られた。全地球の炭素は陸地と海底にあり、光合成植物性プランクトンが大気と深海の炭酸ガス濃度勾配を作り出す炭素ポンプである。地球上でこの炭素と酸素の循環が成立しているは、きわめて稀有の現象かもしれないが、生物はその通過点で営々と生の営みをしているのである。

文藝散歩 「ギリシャ悲劇」  中公新書・岩波文庫

2008年11月30日 | 書評
啓蒙と理性の世紀 都市国家アテネの繁栄と没落を描くギリシャ悲劇 第2回 

丹下和彦編 「ギリシャ悲劇」 中公新書 (1)


アリストテレスは「詩学」で悲劇の起源を、酒神ディオニソスを寿ぐ酒神賛歌の合唱隊に求めている。ディオニソスは東方のアジアから葡萄の栽培とぶどう酒の醸造技術とともにギリシャに渡来し、オリュンポスの神々の仲間入りをした神である。この新しい神の受容をめぐって混乱のなかから犠牲の歌が発生し、そこから悲劇の原型が生まれたとする見解が主流である。なぜならギリシャ悲劇の上演は春三月の大ディオニュシア祭の祭礼行事であり、その舞台はディオニュソス神殿の神域にあるディオニュソス劇場である事から明らかである。ギリシャ悲劇の宗教性を示す。ディオニュソス神にまつわる歌舞が一種の劇的パフォーマンスを取り始めるのが遅くとも紀元前6世紀と想定される。紀元前534年の第一回ギリシャ悲劇競演会において悲劇の祖といわれるテスピスが優勝した。芸術性(虚構性)に重きを置いたテスピスが敷いたギリシャ悲劇の流れの上に、アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスらが紀元前5世紀中葉以降の悲劇全盛時代をもたらすのである。ギリシャ悲劇はすべて古いギリシャ神話・伝承に題材を求め、そこへ新しい酒を持ち込むのである。ギリシャ悲劇で起用される役者は1作品に3人までと規定される。そこでテスピスは合唱の中へ仮面をかぶった俳優のセリフを持ち込んだ。(一人何役もこなすため仮面で役柄を切り替えるのである)虚構の世界の上に現実味を注入するのが俳優の腕の見せ所である。テスピスは一人の俳優を持ち込んだ。アイスキュロスはふたりの俳優を持ち込んだ。これによって俳優による対話が成立して、合唱の要素が減少した。ソポクレスは三人の俳優と15人の合唱団に増員した。この頃から劇の分業化が進み、脚本と演出担当の作家、俳優、音楽担当、合唱団を別々の人間が担当した。

自作漢詩 「立冬寒風」

2008年11月30日 | 漢詩・自由詩
老樹風生錦繍     老樹風生じ 錦繍堆し

空江寒至草紅     空江寒至り 草紅に摧く

黄花陽月秋霜早     黄花の陽月 秋霜早く

丹葉立冬気候     丹葉の立冬 気候催す
 
●●○○●●◎
○○○●●○◎
○○○●○○●
○●○○●●◎
(赤い字は韻:十灰 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)