1994年「この本だいすきの会」の会報より
これを書いた時から、また10年たった。Kさんだけでなく、たくさんの編集の人たちに、ほんとうにお世話になった。ありがたいことである。
著作一覧に、感謝の気持ちをこめて、担当してくださった編集者のお名前を書かせて頂きました。
「人は、生きている間にぜひ出会いたいものを、心の中にたくさん持って暮らしているのではないかと思う。
心の中に住みついている、そういうものを、何らかの形にとどめておきたくて、私は子どものための本を書いているのではないかと、時々思うことがある。
講談社よりこのたび刊行された「神さまの木」は、アメリカのジャイアントフォレスト(巨大な森)で過ごす、家族の物語である。この本のあとがきにもふれているが、物語に出てくるジャイアントセコイアの巨木に出会ったのは、今から十七年程前、二十五・六才の頃だった。
この木が「地球上で最大の生物」といわれているのを知ったのは、日本に帰ってからのことだ。けれど、とにかく何の知識もなく、ついふらっと立ち寄った国立公園で「シャーマン将軍」という巨木を一目見た時の衝撃を、私は今でも忘れることができない。大きいとか、圧倒されたとか、月並みな言葉では説明できないほど、不思議な存在感があった。一目見た時から、私は巨木のとりこになった。
けれども、その巨木の印象とともに、忘れられないのは、私が(うわーお、何てでっかい木だ)と思っている横で、本当に祈らんばかりにして、木と対面している人々がいたことであった。「昔々、おじいさんからこの木のことを聞いて、ぜひ会いたいと思っていた」人とか、「イエス=キリストの生誕をこの木は知っている。そのほかにも、地球上で起こった二千年のできごとをじっと見守り続けた。本当にすごくて、すばらしくて、美しい」と感激していたクリスチャンだという人。など
など……。その人たちとの出会いが、この本を生んだともいえる。
一冊の本は、著者の思いを受け止めてくれる編集者がいて、絵描きさんがいて(子どもの本の場合)それで、一つの世界を作り出す。そういう意味で、この「神さまの木」は、とても幸運な本だと思う。この本は巨木にすべてがかかっているのだけれど、浜田さんの絵は、力強さと存在感と、そして、あの神々しさが、ほんとうによく出ていて、思わずなでまわしたいくらいだった。
・・中略・・・・
もう一人、「神さまの木」の編集をしてくださったKさんのこと。出会いの不思議ということをよく感じるのだけれど、十何年か前、セコイアの巨木と出会って、この本は生まれた。でも、この本も含めて、わたしのこれまでの本のすべては、Kさんと出会わなければ、生まれなかったと思う。この本で、私の担当を離れてしまったけれど、(えらくなってしまったのね)あの時、七年前に出会えたことをありがたいと思っている。
私は不器用な人間なので、みんなが楽しく乗りこんでいく列車に、どうも一人乗りおくれてしまうことがある。たいていの場合は、まあ放っとけよ、ということになるのだろうが、Kさんは無理やり私の手を引っ張って、乗せてくれた。おかげで、こうして、本を書いている。」
これを書いた時から、また10年たった。Kさんだけでなく、たくさんの編集の人たちに、ほんとうにお世話になった。ありがたいことである。
著作一覧に、感謝の気持ちをこめて、担当してくださった編集者のお名前を書かせて頂きました。
たしか図書館では 見かけませんでした
紅蓮さんの本には
山もそうですが
自然や木が登場する作品が多いですね
日本にも巨木は沢山存在しますが
セコイヤの木って 私は知らない・・・
縄文杉に会った時 いっぱいの感動を期待していたのですが
実際のところ 疲れて
それどころじゃなかった・・・(反省)
どんな内容なのか ご本拝読させて頂きますね
本はもう絶版になっちゃったので、図書館で予約とかすると、どこかから取り寄せてくれるかな。調布だと、書庫にないと、都立図書館からの取り寄せになります。東京以外だとどうなっているか、よくわからないのだけど。
屋久島の縄文杉もよかったけど、名もない屋久杉もいいですよね。あの島はほんとうにすばらしい島で、奥が深くて、また行きたいです。
それで、シャーマン将軍の木をネットで調べて、国立公園のことなど、暫く楽しい時間を過ごしました。
シャーマン将軍をネットで?
私も調べてみようっと。そのようなことは考えても見ませんでした。
でも旅行の楽しさはいつまでも残っていて、写真をみると胸がキュンとなります。馬に乗ったり、レンタカーで移動したり。旅の楽しみ方を教えてもらった。ありがとう。
「神さまの木」ももう1度よんでみよう。
リクエストしていた「ローンサム・ハヤト」がやっと私の番になりました。今読んでいるところです。狭い世界にいてあんなに豊かに言葉が湧き出ることに驚きを感じます。
都立大学にも大きなメタセコイヤの木があります。でも、紅蓮さんの見たセコイヤは規模が違うんでしょうね。
郷隼人さんは、良流娯さんと同郷の人で、どこかですれちがったりしてたかなあ、とよく思うんだよね。良流娯さんよりは、年上の人だけど。
郷さんの歌は、いい歌だよね。何度読んでも、すごくいいなあと思ってしまいます。
今日は、Kさんに栗ご飯とイチジク、ことづけてくれて、ありがとう!
感激。明日さっそく頂きまーす。超うれしい。
「風とともに去りぬ」でアトランタを炎上させた北軍を指揮していた人だと思います。
話がはずれて、ゴメンナサイでした。
セコイアの木のネーミングは、とてもアメリカ的で、いいなあと思っているんです。一度覚えたら、忘れないですし。
たそがれオヤジさんのところもいってみました。私は小学生の頃から、外国に行くのが夢でした。外国の話しを読んでは、カナダの赤毛のアンの島に行きたいなあとか、スイスの、アルプスの少女の山に行きたいなあとか思っていました。