長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

かんぽ生命保険改革について

2010-03-24 11:04:38 | 行財政・金融
先日発売されたアエラにも掲載されていたが、私は原口総務大臣主催の郵政改革研究会のメンバーに入れて頂いており、大臣室等でいろいろな議論をしている。ご承知のとおり私は17年民間生命保険会社に勤務した。郵政改革に関して業界団体の代弁だけをするつもりはない。あくまでも、あるべきかんぽ生命のあり方について意見具申しているし、この研究会でも、政策会議でも、旧質問研究会でも発言してきた。

今回、かんぽ生命の引受け限度額を2500万円とする郵政改革法案の概要が明らかになり今日記者会見をするようだ。民業圧迫、政府保証は不平等など民間の言い分も理解できるし、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の2利益源が頼りのユニバーサル制度というお家事情も良くわかる。大変悩ましいところであるが、どこかに落としていかなければならない。

かんぽ生命保険の限度額は1000万円、下取りの場合は1300万円となっている。かんぽ生命は゛小口・無診査・月掛け゛を特徴とした生命保険である。ここで議論したいのが無診査という部分である。通常民間生命保険に加入する際、一定保険金額を超える契約引受け(1000万超程度)に対しては、嘱託医、産業医、健康保険証明書、人間ドッグ、健康面接など、契約内容、保険金額、年齢、既往症などなどにより、様々な危険選択をしている。危険選択とは、まぁ、被保険者に対して大変失礼な単語ではあるが、保険契約を引き受ける側としては大変重要な手続きなのである。一方、かんぽ生命は被保険者から告知書といって、健康状態についての確認を取るだけで危険選択としている。

預金は三角、保険は四角。図に描くとわかりやすいのだが、保険の場合、一度だけの保険料を支払おうが、5年支払おうが保障は同じ。契約と同時に被保険者が死亡すれば、保険金を支払わなければならない。一度の保険料でも、だ。だから、被保険者の健康状態を査定するのである。査定の結果、問題がなければ普通決定。契約どおりの引受けとなる。一方、何らかの危険要素が確認される゛体況゛の場合、通常保険料に特別保険料を上乗せする、一定期間の保険金減額を行う、不担保部位を設けるなど、条件付での引受けを了承してもらう、場合によっては謝絶体といって(大変失礼な表現であるが)契約引受けをお断りするなど、いろいろとややこしいのだ。

しかし、この危険選択を怠ると、正常な保険数理に対して引受けてはいけない契約が混在し、公平性が保てなくなる。健康体の人とそうでない人との差異を設けることで、勘定全体の公平性を維持しているのだ。問題はかんぽ生命保険会社にそのノウハウがあるのかということだ。ゆうちょ銀行議論でも運用ノウハウが議論されるところだが、保険の場合は運用ということでは済まされない。一回の保険料でも死亡保険金を支払える危険選択が必要である。

民間生保に比べてかんぽ生命のほうが査定が甘いという風評が立ったらどうなるか?既往症のある方などが窓口に押し寄せ、かんぽ生命に加入するだろう。一時的に営業実績は上がるだろうが、危険度の高い契約ばかりを引受けて公平な勘定を維持できない。預金を返すのではない、保険金を支払うのである。この現象を顧客による゛逆選択゛という。逆選択のターゲットになることは保険会社としては重要な問題、生死を意味する。

かんぽ生命の健全運営は、顧客を守るという意味で最優先されなければならない。政府案が提出されても、まだまだ議論を進めていかなければならない。
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議員の意見を何処で注入するのか?

2010-03-24 08:42:55 | 国会
※長尾たかしのツイッターはここです。

議論の場は何処だろうか?政調が廃止され、皆そうぼやいている。政策会議、議員政策研究会など普通にして置けば、官僚あるいは講師の話を聞きそれに対する質疑応答で終わってしまう。一瞬のやり取りだけで時間だけが過ぎ、何処をどう修正すべきか、何を組み入れるべきか、何を排除すべきか等の議論が出来ない。

ところが、農水委員会周辺で大変参考になる話を聞いた。テーマ毎、法案毎に分科会を設け、事前に討議したものを持って研究会でぶつけるのだという。法案によっては、全体の8割が議員提案修正がなされたものもあるという。政策会議は官僚マターになりがちなので、議員研究会で実施しているという。それはそれは大変な議論になってるという。確かに農水関係の会議の回数はやたら多い。それぞれの持分で、出席する会議と全く出席しない会議があるのだが、農水関係会議は気になっていた。ダブルヘッダー、トリプルヘッダーで会議をやっている。その理由はそういうことだったのだ。

今日も厚生労働委員会が午後から開催される。野党の質問を受け、政府がこれに答弁する。前政権も、現政権も、野党の意見を素直に聞けない妙な決まり事があるようだが、議員の意見を何処で注入するのか?まずは、法案提出以前だ。与党であるが故、出来る業である。

その場を設けタイミングをはかるのは議員の仕事であり、取り組み方で幾らでも改善できると思う。まずは決められたルールの中でやれることをやってみよう。ルールー云々はその後だ。
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官僚とのこと

2010-03-24 00:00:03 | 国会
この法案についてもう少し説明が欲しい、賛成するにはまだ積極的になれないといった雰囲気を出すと、官僚は実に敏感に察知してくれる。これは良し悪しだと思うが、彼等は実によく人の意見を聞いていることは確かであり、細かく覚えている。提出法案に対して懐疑的な議員に対するレクは迅速である。官僚の官僚たる所以だと思う。

国会議員になって半年が経過するが、知るは一時の恥と割り切り、チンプンカンプンな質問でも臆せず実行している。゛俺にわからない事は国民もわからない゛という素人という印籠(?)を、今は思う存分に使わせてもらっている。レクチャーは積極的に受け、お願いし、各省庁の調査局の方々には本当にお世話になっている。

「これはおかしいよなぁ、修正できないんですか?」、「いや、これは省庁内で決定していることなので、、、」、修正要求には敏感だ。修正は評価に傷がつくということなのか?ただ、彼らもいろいろなシュミレーションを立てて臨んでいる事には間違いなく、確かに完璧である。ただ、どの立場に立って理論を組み立てているのかを確認しながら、加えて常に心にロックを掛けておかないと彼らの言っていることの全てが正しいようにきこえてしまい心揺らいでしまう。私もまだまだ経験が不足しているので気をつけているつもりだ。法案として手前の段階、論点整理の段階から法案提出を察知し、ここで議論するようにこちら側から提案しなければ、゛決まってしまった゛官僚の主張を覆すことは困難?

この手続き、駆け引きを議員がさぼってきて、官僚主導を許してしまったんだろうなぁと感ずる。

「一緒に良い国づくりをしましょう」を合言葉に彼らの能力を私も使わせてもらえるような関係でありたい。・・・・・・んーーー、甘いかなぁ?甘いだろうなぁ。甘いと思う。まだまだ経験中である。
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