野菜に果物に

　小山田さん、御年88歳。いつもの春なら果樹の手入れや、夏から収穫する長葱やモロヘイヤなどの準備を進めているところ。今年はこれに野菜の出荷が加わりました。ハウスを覗いてみるとイキイキした大根や小カブがぎっしり。まだ寒かった山形ではちょうどよく育ったのか、辛味と旨味がのったよい味に仕上がっています。一作増えたことで「仕事が続くから気持ちも体もよく動く」と小山田さん。
　さくらんぼも見るか、と場所を移したさくらんぼ園では「温かい日が二日あった、毛ばたきをしたが、蜂の交配だけでも十分だったぐらいだ」と笑顔。その隣の大粒桜桃「紅秀峰」（べにしゅうほう）やラフランスは花が少ない。これは摘蕾や花を落とす細かやかな手入れが行き届いている証拠。手を抜かずに丁寧に仕事をするとおいしいものができる、その小山田さんの想いが野菜に果物に伝わっているようでした。