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環境を守る農業 最長老の熊谷さん、自身の健康のための米づくり

2019年04月15日 | お米の生産者

 山形もようやく桜の開花がはじまり、米作りでは、いよいよ種まき直前となりました。その種籾は、塩水に入れて、比重の重たい充実した種だけを選別し、その後は殺菌をします。それは、いもち病や苗立枯病、「イネばか苗病」が付着しているからです。この菌にかかった苗は、背丈がひょろひょろと長くなってしまう異常が起きてしまうのです。この菌の殺菌のために、日本中で殺菌剤入りの水を大量に使用しています。農協の指導では「種子消毒の残液,薬液および容器・器具などの洗浄に使用した水は,かんがい水路,排水路,河川,湖沼などの水系には流さないでください」「残液は、種子消毒廃液処理装置で処理するか産業廃棄物として、河川等に流出しないように適正に処理します」などと注意喚起していますが、適正に処理されているのか心配です。
 全有連稲作連合会は、種籾の消毒には70度のお湯による殺菌「温湯消毒」を行っています。みなさんにお届けするお米が安心であることはもちろん、水路を通じて多くの自然につながる環境を前に「この自然を汚してはいけない」と強く感じているからです。基本通りに作業すればただのお湯とはいえ失敗はありません。にも関わらず、普及が進まないのは、農薬や肥料、燃料、機械代に経費を奪われ、時間も手間もかけられない米作りしか選択できず、後継者も存在しない現場の実情ともいえます。つぎは日本中の水田に除草剤と殺虫剤が一斉に散布されます。命を守る食を生産する農業がこんなことではいけません。


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