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鴨と一緒に米づくり 山形酒田の堀さん

2020年06月15日 | お米の生産者

 

6月5日、快晴。山形県酒田の堀さんの田圃に鴨が放たれました。田圃を一枚ずつぐるりとネットで囲み、鴨の寝床を作り、カラス除けの釣り糸を細かく張り巡らせています。そこに入るのは、生まれてから2週間ほどの鴨。2匹ずつ入れるたびに、最初に入れた鴨へ合流するためにピヨピヨと鳴きながら泳いでいきます。2時間前までは孵化してから籾殻の上で餌と水を与えられ、水浴びなど一度もしたことがありません。毎年ながらその本能には驚かされます。そして10羽ほどの集団生活がはじまります。泳ぎながら水中を攪拌し、雑草や虫を食べてくれます。
 合鴨農法は、1985年に富山県南西部福野町の荒田清耕氏が実践し、それが新聞やテレビで報道され全国に有名になりました。その後、福岡県の古野隆雄氏が天敵除けの電柵など改善を続け、そののちに中国や韓国、東南アジアなどに広められています。「合鴨農法」「合鴨米」と呼んでいますが、私たちは「合鴨」ではなく「真鴨」を利用しています。合鴨に比べて野生に近いため警戒心が強く運動量が多いことから、東北では真鴨が主流となっています。
 これを支えてくれているのが山形県最上地方で真鴨の生産販売を行う「山形第一農場」の庄司さん。本来はフランス料理など高級料理店向けに生産を行っていますが、有機農家たちの要請を受けてヒナの貸し出しがはじまりました。手探り状態だった合鴨農法も庄司さんのところに合鴨農法実践者の情報が集まり、それが拡散され、これを繰り返すことで洗練された農法となっています。田圃に入れた鴨は、一カ月ほど除草を手伝ってくれたのちに、庄司さんに引き取られて大事に育てられます。今年も鴨と一緒にうまい米づくりを目指します。

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