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津波と放射能と食 鳩の森愛の詩保育園 研修6/11~12

2011年06月13日 | イベント・活動
 毎年、春に静心荘で行われる鳩の森愛の詩保育園さんの食と農の研修。
 今年は震災のため延期となっていましたが、被災地に足を運びたい、と園長の瀬沼さんの強い要望で、仙台の粟野さんのところを訪ねることにしました。
 13時30分、粟野さん宅へ現地集合でみなさん到着。早速、粟野さんに当時を振り返った話をしてもらいました。「後を振り返ったら黒い津波が見えた、これは死ぬ、子どもたちを守らなくてはいけない、慌ててトラックに乗せて」と何度聞いても恐ろしい体験から、失った農地、これからの生活の厳しさ…話が続くと深い頷きに変わっていきました。
 その話をより感じてもらうために、"すぐ近く"の現場へ。車で100mも走ると惨状が目の前に広がります。津波で荒廃した住宅地、畑を眺めながら10分ほどで到着。360度の視界には瓦礫しか目に入りません。
 被災地に降り立つと、一人一人が心に溢れ出るなにかを抑えているようでした。「幼稚園のバックが落ちていた、手帖に運動会の予定が書いてあった…」「なにをすればよいのか?」「伝えなくちゃいけない!」「なにかできることはないか?」「まだできることがあるんじゃないか!」と感想を伺うと説明は不要だったようです。そして、最後に粟野さんの「がんばります」の言葉には、このたくさんの気持ちへの感謝と再起への決心がにじみ出ていました。

 懇親会では、園長の瀬沼さんから「被災者を応援するためにも全有連の活動をもっと保護者の方に知ってもらいたい、もっと情報を私たちにください」と共に歩んできた全有連に心強いメッセージで始まりました。おもてなしは、山形の初夏をテーマに、山菜や郷土料理で。海藻の「あらめ煮」や「干しわらびの煮もの」など普段味わえない田舎の味に大喜び。栄養士さんたちは料理のヒントにと興味津々でした。
 テーブルごとに話題になるのは、やはり放射能汚染の問題。食だけの問題ではなく、生活空間すべてに存在する放射能をどう対処し、どう生活していくべきか。全有連としても真剣に向き合う園に対して、安心な食と情報提供でしっかりサポートしていきます。
 翌日、朝から農業体験。代表米山からは、炭の粉を播き、土壌に十分なカリウムがあることで性質の似た放射セシウムが吸収されにくくなるなどの放射能対策農業の説明も受けレタスや夏の風物詩「夕顔」の定植作業。ミネラルや木酢液を入れた水で灌水するなどの作業を体験してもらいました。今年は"農を感じる"研修になったように思います。
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