「今年はこの通りだからね、どんどん進めている」と剪定中の果樹農家の阿部さん。いつもなら雪に足を取られながら移動し、脚立を雪にぐっと差し込んでからの剪定作業。
今年は雪がなかったのだから、ぬかるむこともなく秋の収穫作業のようにどんどんと進みます。足元を見れば、オオイヌノフグリの花が咲いています。とはいえ、これは異常気象。「ここまで雪がないのははじめてだよ、どうなるのか心配だよ」と表情は固いです。
もし暖冬のまま春がやってくると、果樹が休眠から覚めるのも早まります。たくさんの「花芽」は寒さへの防御機能をすこしずつ解きつつ、適温を迎えたら一気に咲くための準備を進めています。そうなると心配が、、、。まずは寒波。花芽の防御機能が解かれたあとに寒波がくれば、たった一日で産地全体が凍害被害に遭うことも(過去には長野や群馬で被害)。
もう一つは、このまま開花が早まり満開時期が低温時期に遭遇する可能性が高いこと。昨年も交配の要であるマメコバチが低温で飛べずに地域によっては不作となりました。さらにこの花の時期は水がたくさん必要です。その水は果樹畑全体を潤していた雪解け水が担っていました。春先に雨がしっかり降ってくれることを願うばかりです。
「雪のない冬」ははじめてのこと。まずは剪定作業を進められるだけ進め、わずかな時間の余裕を作り対策の先手を打ち、みなさんと「あのときは心配したのにね」と笑いながら、最高のさくらんぼなどの果物をお届けできるように生産者スタッフ一同「手」を尽くします。
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