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薬剤耐性を持ったりんご黒星病が蔓延か

2019年11月11日 | くだものの生産者

 

 

 

 

 

 9月中旬のこと「今年はもう半分くらいは収穫して埋めたんですよ、結構しんどいですよ。今年の冬はほとんど無しですね」と苦笑いの太田さん。これは薬剤に耐性を持ったりんご黒星病の被害。
 数年前から青森で問題となり、山形県でも耐性菌が確認され、春から黒星病対策が念入りに行う指導がありました。黒星病被害のことを阿部さんに訊ねると「ひどいところはひどい、ほとんど実をつけてないリンゴ園もあるよ」「シナノスイートもかなりやられた、廃棄してきたところだよ」という状況。その後、王林の収穫時期になると「王林は弱いんだな、見てみたら結構な被害があった、少しの被害はなんとか使ってくれないかな」と相談されるほど。奥山さんは「摘果のときに結構もいだから、あとはそんなに多くないかもしれないな」との報告も、収穫がはじまると「これが黒星病だな、こうやって丁寧に見てみると、多くなるかもしれないな」といいます。
 黒星病は昔からある一般的な病気です。なぜそれがいま被害を大きくしているのでしょうか。これまで黒星病にはDMIという殺菌剤を長年使ってきたことで、DMI耐性菌が生まれたからなのです。農薬を散布して防いできたものが、その農薬が効かないとなれば、産地全体に菌が多くなり一気に蔓延してしまいます。
 耐性菌の問題は人間にとっても深刻。つい先日も結核患者の病棟でMRDA(多剤耐性菌)によって死亡したとニュースになっていました。先月には、抗生物質について「風邪やインフルエンザなどの原因となるウイルスには効かない」と正しく理解している人は37.8%と世論調査結果を内閣府が発表しています。昨年は「抗生物質は風邪に効く4割が勘違い」と、薬剤(抗生物質)の乱用による耐性菌の発生に注意喚起をしています。自然からのしっぺがえしのないように考えていかなくてはなりません。


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