内転筋の話

2013年09月18日 | 日記
昨日の朝、TVをつけたままぼんやりしていたら「内転筋」という言葉が耳に飛び込んできました。ハッとして画面を見ると、おばさん歩き(?)の元凶は内転筋の衰えだということで、普段の生活の中での鍛え方が紹介されていました。内転筋は発声の重要なファクターです。思わずソファに座りなおして真剣に見てしまいました。
内転筋が弱っていると、腰かけたとき両膝の間が開いてしまうそうです。ですから、内転筋を鍛えるには膝をきちんと閉じて座るだけでも効果があるわけですね。両膝だけでなく両かかとも付けて。腰かけているときに膝の間にペットボトルやクッションなどを挟んで、ぐっと挟み込んだり少しゆるめたりを繰り返すのもエクササイズになるようです。立っているときは、片方の足のかかとにもう一方の足のつま先を合わせ、膝の向きをそれぞれの足のつま先の方向に合わせてまっすぐに立ちます。歩く時は足の裏を見せるようにして、踏み出す足はかかとから着地し、蹴り出す足は親指に力を入れます。立位、座位、歩き方に気をつければ、ほとんど一日中内転筋エクササイズを行っていることになりますよね。これで歩き方がキレイになるだけでなく、体脂肪率が落ちたり、尿モレ防止になったりもするそうですよ。
昨日と今日、一日中内転筋を意識し続けてみました。すると内転筋の反対側(?)、腰から脚の外側のラインに軽い筋肉痛というか、筋肉疲労が起こりました。と言っても特に動きに支障をきたすほどではありません。歩く時に体のふれが少ないような気もします。先ほど発声をしてみたら、声を出す時の瞬発力と持続力がアップした感じです。
先日、W先生も内転筋のことをおっしゃっていました。御年81歳のW先生、人工関節が入っているというのに脚力が抜群に強いそうです。「私、無意識に始終足の指を動かしているのよね。足の指でグーチョキパーができちゃうのよ」とおっしゃっていましたが、メゾソプラノのW先生が80歳を過ぎてもハイCを何の苦もなく出せるのは、この脚力に負うところも大きいのではないかと思います。ゴスペルのレッスンでM先生から「足の指を鍛えるといいのよ」と言われたことにも通じています。内転筋エクササイズ、しばらく続けてみることにしましょう。皆様もご一緒にどうぞ(笑)。

剣状突起

2013年09月17日 | 日記
パソコンが壊れてみて、改めて自分のパソコン依存度に愕然としています。パソコンが無いと仕事も調べものもできず、家計簿もレッスン記録もつけられず、生協の注文もできず、メールの返事も書けない!スマホを全く使いこなせていないので、こういう時に実に困ります。修理の仕上がりを待ち切れないので、せめてノートパソコンを何とか使えるようにしようと思ってマウスを買ってきました。デスクトップと比べるとすごく肩が凝りますが、ともかくネットが使えると気分的に救われます。
一昨日、最近声帯ポリープの手術を受けられた音楽の先生が、術後のリハビリ的なレッスンをとのご希望でうちに来られました。術後まだあまり経っていないので、ポリープ化していた方の声帯が腫れているそうです。W先生にご相談の電話をすると、「喉を壊す人は喉で息が止まっている傾向があるので、息のポジションを高くするように、息の根を深くしてお腹から息を送り、呼気を高くあげてそこに声を乗せるように。」とおっしゃいました。私はよく洟をかむ要領で息を上げるというレッスンをするのですが、その方法で声を出す時あまり鼻声っぽくし過ぎてはいけないそうです。そんなことを話しているうちに、息の支えの話になり、高音を出す時はあまり胸をそらしてはいけないという話になりました。高音を出す時は胸骨を下げ、胸骨の先端、剣状突起のところ(みぞおち)が凹むような姿勢にするのだそうです。そうすると背中側の下後鋸筋が拡がります。この時足と連動させます。内またに茶筒をはさんで内転筋を使うとよいと言われました。早速試してみると、確かに剣状突起を内側へと意識し、足腰の緊張をうまく連動させると高音が出やすくなります。外肋間筋は開いていないといけませんが、胸を反り返らせると高音は出にくくなるのですね。高音が出にくくて困っている生徒さん達に早速お伝えしたいと思います。
小学校の先生のレッスンでは、専ら息を上げることと声帯を外側に爆発させないことに集中しました。お帰りになる頃には、最初に比べて明らかに声が出やすくなっていらっしゃるご様子でしたが、連日5~6時間も音楽の授業がある上に部活の指導までしていらっしゃるそうで、声帯の過重使用であることは明白です。これはもう労災ですね。しばらくレッスンを続けることになりましたが、喉の負担を軽減するには、ヴォイトレだけでなく「なるべくしゃべらないための工夫」が必要のようです。小中学校の現場の厳しさを久しぶりに垣間見ました。

パソコンクライシス

2013年09月14日 | 日記
こんばんは。
実は、しばらく前から調子の悪かったパソコンがついに故障してしまい、ただいま修理に出しています。なおって戻ってくるまでに1週間ほどかかるそうです。代わりにノートパソコンやスマホで投稿するのはとても骨が折れるので、すみませんが、手許にパソコンが戻って来るまでブログはお休みさせて頂きます。しばしお待ち頂けますよう、よろしくお願い致します。

推薦図書

2013年09月10日 | 日記
友人が、『一人ひとりが輝く ほめ言葉のシャワー』という本を送ってくれました。今や教育界の有名人となられた小学校教諭、菊池省三先生の「ほめ言葉のシャワー」の実践が、小学校のみならず幼稚園から高校まで、それどころか学習塾やNPO法人などにまで拡がり、素晴らしい成果を挙げているようです。その様子が、それぞれの現場の先生方からの寄稿によって手に取るようにリアルに伝わって来ます。友人も寄稿者の一人です。
子供だけでなく大人だってほめられれば嬉しいし、やる気が湧いてきます。しかし、相手の何を、どのような言葉で、どんなタイミングでほめるかを選択するのはなかなか難しいことです。それは自分の価値観の再検討を迫られる作業でもあり、相手に対する共感や敬意を深める作業でもあります。その意味で、ほめるということは、ほめられる人だけでなくほめる側の人格的成長の契機でもあるのですね。読みながら、私ももっとほめることを意識しようと思いました。
もうひとつ、整体の先生のお薦めで『1/4の奇跡 「強者」を救う「弱者」の話』という本を読みました。石川県で特別支援学級の先生をしていらっしゃる山元加津子先生と生徒たちとの感動的な交流の記録に加え、高名な生命科学者の柳澤桂子さん他の含蓄深い寄稿文も併録された、大変印象深い本です。タイトルの「1/4の奇跡」とは、私も生命倫理関係の授業をする時によく引き合いに出す話なのですが、アフリカの黒人には、風土病のマラリアにかかりにくい「鎌状赤血球」という突然変異の遺伝子を持つ人がある一定の割合で存在します。鎌状赤血球を持つ人たちの血縁者を調べると、鎌状赤血球の遺伝子を持たない人が全体の1/4、鎌状赤血球の遺伝子を持つ(=マラリアに対する抵抗力を持つ)ヘテロ接合の人が2/4、そして、鎌状赤血球の遺伝子を持ち、しかも重篤な障害を併せ持つホモ接合の人が1/4という割合になるのだそうです。マラリアが発生すると最初の1/4のグループは死滅しますから、生き残った人々の中には、重度の障害を持つ人々が必ず一定の割合で存在するわけです。この調査から、マラリアとの生存競争を勝ち抜くためには障害を引き受けてくれる人が必要であることがわかるわけですが、このことを、山元先生は「私たちが元気でいられるのは、過去や現在、病気や障害を持ち、苦しんで生きてくれた人のおかげであり、彼らは私たちにとってかけがえのない存在なのです」と表現しています。
他にも、動物の絵柄が数㎞にわたって地表に描かれている有名な「ナスカの地上絵」と、山元先生が日頃接している子供たちの作品との不思議な共通点や、イスラエルの「嘆きの壁」に向かって祈り続ける人々、跳躍に祈りを重ねるマサイ族、マニ車を回しながら祈るネパールの人々の姿などと自閉症の子供たちの常同行動との類似性についても語られていて、何とも不思議な感慨に打たれます。
山元先生のドキュメンタリー映画の上映会が今月23日に熊本市内で開催されるそうです。関心をお持ちの方、ご一緒に見に行きませんか。


オリンピック雑感

2013年09月08日 | 日記
今年は秋の訪れが早いようですね。まだエアコンは必要ですが、そろそろ「食欲の秋」の兆しを自分の中に感じます(笑)。
台湾旅行で4日間留守にしたせいか時間の感覚が狂ってしまい、今が8月か9月かわからなくなっているところに、今朝起きたらTVから「2020年東京オリンピック開催決定」のニュースが流れていました。その歓喜の雄叫びが耳に入った瞬間、突如記憶がワープして、1964年の東京オリンピックの様々なシーンがありありと目に浮かびました。プルーストの長編小説『失われた時を求めて』の冒頭に、主人公が紅茶に浸したマドレーヌを口に入れた瞬間、昔の記憶がリアルに蘇る場面がありますが、その感じに少し似ているかな。とは言え、私はまさにその1964年生まれなので、実際にあの東京オリンピックを見たわけではもちろんありません。しかし、周りの大人たちから繰り返し東京オリンピックの話を聞かされて育ち、東洋の魔女と言われた日本女子バレーボールの大松監督のエッセイが教科書に載っていたり、同級生に聖子さんや倫子さんという名前の人が多かったりしたこともあり、東京オリンピックにちょっと特別な気持ちを持っていることは確かです。「東京オリンピックの年に生まれた」と言えば、年上の方たちと話をする時の世代確認のツールにもなりました。
自分の生まれた年にできた新幹線や首都高速などのオリンピック用インフラ(?)が「老朽化」(!)している、と言われると、改めて自分の年齢を認識しなおします。実は昨日、中学校の同窓会に参加したのですが、私はその母校に9年間勤務したことがあるので、かつての教え子たちが揃って挨拶に来てくれました。その彼らが立派なおじさん(笑)になっていて少々焦りました。同窓会に出席すると先輩後輩や同級生たちの年齢相応の貫録に圧倒され、その夜は悪夢にうなされるのが常なのですが(笑)、今回はダブルパンチでした(笑)。
そんなツマラナイことを考えていないで仕事に励みなさい、と自分に言い聞かせつつ、午前中の合唱団の練習では今日からワーグナーの練習に入りました。初めての曲なので最初に皆でCDを聴きましたが、日曜の朝からワーグナーの合唱曲を4曲続けて聴くというのもかなり辛いものですね(笑)。今日は「ローエングリン」の有名な結婚行進曲の音とりをして解散。帰宅後、午後は3人の方が続けてレッスンに来られ、終わったらさすがに疲れてベッドに倒れ込みました。まだまだ精神修養が足りないと痛感した一日でした(笑)。