納税者に寄り添う税の専門家 税理士法人 元(GEN)のブログ

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はずれ馬券は必要経費になるの?

2013-07-16 14:03:26 | Weblog
一時所得とは、競馬の払戻金や懸賞や福引きの賞金品など営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得である。
一時所得の計算方法は(総収入金額)-(収入を得るために支出した金額)-(特別控除額・最高50万円)=一時所得の金額 である。
一時所得の税額の計算方法の原則は、その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算する。
例えば競馬の1レースに5枚買い、それぞれ2万円ずつ合計10万円を購入代金にあてたとき、収入を得るために支出した金額は当たり馬券が1枚ならばの購入のための支出2万円である。残り4枚のはずれ馬券は必要経費とはならない。
ところが大阪で元サラリーマンが市販の競馬予想システムを改良にして百万円を元手に
インターネットで3年間に約28.7億の馬券を購入して、約30.1億円の払い戻しを受け約1.4億円の所得を得た。元サラリーマンは払戻金を申告していなかったため所得税法違反罪に問われ、検察側は当たり馬券約1.3億円を差引いた約28.8億円の1/2を一時所得として課税対象としたが弁護側ははずれ馬券も経費に含まれると反論した。大阪地裁は馬券の払戻金は偶発的、偶然に入り、継続性は認められず、一時所得に当たるが元サラリーマンは無差別に一定の条件で網羅的に購入し、娯楽ではなく、資産運用の一種ととらえていたとして、はずれ馬券も含めたすべての馬券購入費を経費と認める従前の見解とは異なる判断を示した。さて、今後どの程度なら資産運用といえるのかが課題だ。

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