-ONE POINT 情報- 9月号より
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[事業承継が変わる!?]
―中小企業経営承継円滑化法と相続税の納税猶予制度―
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中小企業の事業承継の円滑化に向けての支援策として
「中小企業経営承継円滑化法」が創設されました。
また税制面では、来年度(平成21年度)税制改正において
中小企業の自社株等の相続税の納税を猶予する特例措置
が創設される予定ですが、成立すれば、来月(10月)に遡
って適用されることになりそうです。
「なぜ中小企業の事業承継の円滑化が必要なの?」
将来において、事業承継は避けられない課題であるにも
かかわらず、充分な準備をしている中小企業は少なく、
いざ相続となると、相続時の遺産分割をめぐる同族内での
対立、後継者が株式を買い取るための資金の手当、相続税
の負担といった様々な問題があり、廃業を余儀なくされる
ケースもあるようです。そうなると、中小企業が持つ高度
な技術力が失われたり、雇用にもマイナスになることが懸
念されるため、「中小企業における経営の承継の円滑化に
関する法律」(以下「中小企業経営承継円滑化法」)が創設
されました。
<中小企業経営承継円滑化法ってなに?>
来月(10月)に施工される中小企業経営承継円滑化法により、
遺留分に関する民法の特例、金融支援制度が創設され、合わ
せて自社株等の相続税の納税猶予の特例の創設が予定されています。
(1)遺留分に関する民法の特例とは?
一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び
所定の手続き(経済産業大臣の確認など)を経ることを前提に、
以下の民法の特例を受けることができます。
なお、この特例については、平成21年3月31日から施工される
予定です。
①生前贈与株式等を遺留分の対象から除外できる
②生前贈与株式等の評価額を予め固定できる
(2)金融支援制度とは?
経営の円滑な承継のために必要となる資金調達を支援するため、
以下の金融支援措置があります。
①中小企業信用保険法の特例
②日本政策金融公庫法の特例
(3)相続税の納税猶予の特例
特例措置として、「取引相場のない株式等(自社株)の納税猶予
制度」が予定されています。
<取引相場のない株式等の納税猶予制度とは?>
相続税の納税猶予制度については、以下の方向で検討
されています。
(1)後継者の自社株等にかかる相続税の80%を納税猶予
後継者である相続人が非上場会社を経営していた被相
続人から相続等によりその取引相場のない株式等を取
得し、その会社を経営していく場合に、その後継者が
納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議
決権株式(※)に係る課税価格の80%に対応する部分の
相続税の納税を猶予するものです。
そして、後継者が対象となった株式を死亡のときまで
保有し続けるなど一定の場合には、猶予された税額が
免除されます。
※その会社の発行済議決権株式の総数等の3分の2に達す
るまでの部分
(2)納税猶予税額の求め方は?
対象となる株式等だけを相続するとした場合の相続税額
から、対象となる株式等の額の20%に相当する額の株式
のみを相続するとした場合の相続税額を控除した金額が
納税猶予される税額になります。
(3)担保の提供
この特例の適用を受けるためには、原則として、納税猶
予の対象となった取引相場のない株式等のすべてを担保
に提供しなければなりません。
(4)納税猶予された相続税が免除される場合とは?
事業承継相続人が納税猶予の対象となった株式を死亡の
ときまで保有し続けた場合など一定の場合には、猶予税
額の納付が免除されます。
(5)納税猶予が打ち切りとなるのは?
事業承継相続人が、相続税の法定申告期限から5年間、
事業を継続していないと認められる場合には、その時点で
猶予税額の全額を納付しなければなりません。
(6)5年経過後に対象株式を譲渡したら?
5年経過後に、納税猶予の対象となった株式を譲渡した
場合には、その時点で、譲渡した割合に応じた猶予税額
を納付しなければなりません。
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[事業承継が変わる!?]
―中小企業経営承継円滑化法と相続税の納税猶予制度―
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中小企業の事業承継の円滑化に向けての支援策として
「中小企業経営承継円滑化法」が創設されました。
また税制面では、来年度(平成21年度)税制改正において
中小企業の自社株等の相続税の納税を猶予する特例措置
が創設される予定ですが、成立すれば、来月(10月)に遡
って適用されることになりそうです。
「なぜ中小企業の事業承継の円滑化が必要なの?」
将来において、事業承継は避けられない課題であるにも
かかわらず、充分な準備をしている中小企業は少なく、
いざ相続となると、相続時の遺産分割をめぐる同族内での
対立、後継者が株式を買い取るための資金の手当、相続税
の負担といった様々な問題があり、廃業を余儀なくされる
ケースもあるようです。そうなると、中小企業が持つ高度
な技術力が失われたり、雇用にもマイナスになることが懸
念されるため、「中小企業における経営の承継の円滑化に
関する法律」(以下「中小企業経営承継円滑化法」)が創設
されました。
<中小企業経営承継円滑化法ってなに?>
来月(10月)に施工される中小企業経営承継円滑化法により、
遺留分に関する民法の特例、金融支援制度が創設され、合わ
せて自社株等の相続税の納税猶予の特例の創設が予定されています。
(1)遺留分に関する民法の特例とは?
一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び
所定の手続き(経済産業大臣の確認など)を経ることを前提に、
以下の民法の特例を受けることができます。
なお、この特例については、平成21年3月31日から施工される
予定です。
①生前贈与株式等を遺留分の対象から除外できる
②生前贈与株式等の評価額を予め固定できる
(2)金融支援制度とは?
経営の円滑な承継のために必要となる資金調達を支援するため、
以下の金融支援措置があります。
①中小企業信用保険法の特例
②日本政策金融公庫法の特例
(3)相続税の納税猶予の特例
特例措置として、「取引相場のない株式等(自社株)の納税猶予
制度」が予定されています。
<取引相場のない株式等の納税猶予制度とは?>
相続税の納税猶予制度については、以下の方向で検討
されています。
(1)後継者の自社株等にかかる相続税の80%を納税猶予
後継者である相続人が非上場会社を経営していた被相
続人から相続等によりその取引相場のない株式等を取
得し、その会社を経営していく場合に、その後継者が
納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議
決権株式(※)に係る課税価格の80%に対応する部分の
相続税の納税を猶予するものです。
そして、後継者が対象となった株式を死亡のときまで
保有し続けるなど一定の場合には、猶予された税額が
免除されます。
※その会社の発行済議決権株式の総数等の3分の2に達す
るまでの部分
(2)納税猶予税額の求め方は?
対象となる株式等だけを相続するとした場合の相続税額
から、対象となる株式等の額の20%に相当する額の株式
のみを相続するとした場合の相続税額を控除した金額が
納税猶予される税額になります。
(3)担保の提供
この特例の適用を受けるためには、原則として、納税猶
予の対象となった取引相場のない株式等のすべてを担保
に提供しなければなりません。
(4)納税猶予された相続税が免除される場合とは?
事業承継相続人が納税猶予の対象となった株式を死亡の
ときまで保有し続けた場合など一定の場合には、猶予税
額の納付が免除されます。
(5)納税猶予が打ち切りとなるのは?
事業承継相続人が、相続税の法定申告期限から5年間、
事業を継続していないと認められる場合には、その時点で
猶予税額の全額を納付しなければなりません。
(6)5年経過後に対象株式を譲渡したら?
5年経過後に、納税猶予の対象となった株式を譲渡した
場合には、その時点で、譲渡した割合に応じた猶予税額
を納付しなければなりません。