28日土曜日、ササゲを買った産直市場に一枚のポスター。「水を汲む踏車のすべて」とある。
川の中に踏車が仕掛けられ、踏車を学生さんが踏むと水車が回り、水を汲み上げる。
瑞梅寺川の上流、流れる水は澄んでいて、小魚が泳いでいた。
私の幼い頃、踏車は田んぼのどこそこに見られた。炎天の下、農家の人たちが黙々と水車を回す姿が見られた。2本の支え棒を手に、足は回る水車を一歩一歩、山を登るごとく踏み続けた。田んぼに水を引くことがいかに困難な仕事だったか。
人力で水を汲み上げる踏車が発明されたのは、寛文年間(1661~73年)、宝暦、安永(1751~81年)頃、全国に広まったと、九州大学農学研究院中司敬さんからいただいた資料にある。
また、福岡県大木町、猪口萬右衛門車が1777年に発明した揚水踏車は農家の労力を軽くしたという。
どれくらいの水を汲み上げることができるか、学生たちの実測が行われていた。
偶然、出会った揚水の実験に、しばし、遠い日のことを思い感慨深いものがあった。