先々週のこと、長女が私の見舞いや留守番をしますとやってきた。
その折、海辺を少し歩こうと二人で浜辺に出た。素晴らしい天気・・・
「空気がウマ~い!」と突然、娘が大きな声で叫んだ。
でも、その大声に驚く人はいない。
「海がアオ~イ!」
「ヒカリが輝いているよ~!」
誰もいないから、私が娘の大声をひとりニヤニヤと聞く。
私だって、最初、引っ越してきて、この浜辺に立ったとき、
一人、似たような大声を出したなあ。アハハハ・・・・
その昔、転勤があって、私は熊本から福岡へ、私たちのデスクは
東京から、福岡へ引っ越してきた。
始めて出会った私に、小柄なデスクは大きな声で、怒鳴った。
「オイ!、福岡は❝サン・ナトリウム❞の街だねぇ。」
「え~!?」
デスクは早くも、博多湾岸、志賀島などを自分で運転する
流行のミニカーでドライブを楽しんだという。
福岡が今日ほど隆盛を極めない時代・・・東京で特急券を
買おうとしたら、窓口の係が「福岡ですか?大宰府経由でなら
福岡天神へがありますが・・・?」
そんな時代!あのころ、東京の空も空気も公害に満ちていた。
時代は変わっても、空気のおいしさもも、空の輝きも、海の青さも
変わらない。
時移り、私は四季の気候が穏やかで、地魚がウマイ、そして
心休まるフクオカに住まわしていただき、大好きな青い海を
いつも眺め、こころ癒されている。
フクオカの街に憧れながらひと足先に永眠した先輩デスクの命に
黙祷をささげ、今日の平安を感謝するばかりである。
「福岡の空も海はいまもきれいです!」と。