夕方のニュースが長崎、天草の潜伏キリシタン遺跡が世界遺産に登録されることが決まったことを伝えている。
2014年9月、長崎のキリシタン遺跡が世界遺産に登録される日がやがてくることを想定して、私の旧友の孫さんたちを
長崎の旅へ誘った。
もう4年前のことだ。
西海の海
いま長崎県西海市--九州の最西端の地にいる。
旧友の孫二人、男子大学生。
伊勢海老を食べた。
あす朝、また魚釣りをする。
追記
高校時代の旧友にK.Y君がいた。私のイニシアルもK.Y。
席は彼が前の席、いつもいっしょだった。
彼は大学へ、帰省すれば、いつも酒を飲んだ。
酔っぱらって「自分たちの子ども同士が結婚すればイイナ!」なんて話し合った。
まだ結婚はしていなかったのだが・・・
やがて、彼も私も伴侶を得た。
その伴侶たちもクラスメート。
二人の若者は彼と彼女の孫。いとこ同士。
旅の宿で二人が私に尋ねた。
「私たちの祖父とどうしてそんなに仲が良かったのですか?」
「アハハ・・・よく話し、よく飲んだ」
若者たちの祖父は残念ながら働き盛りのころ病気で亡くなった。
私の孫は女の子ばかり、友の孫を魚釣りやアサリ貝掘りなどに連れていった。
少年たちは今や若者となり、建築学やロシア関係論を学ぶ大学生。
彼らの祖母が孫たちに寄せる愛情は深い。
ならば、日本の現実を見るには格好の場所がある・・・と
イセエビの宿、魚釣りを餌に彼らを引っ張り出した。
長崎県西海地方の旅は楽しかった。世界遺産にすぐに決まるかと?と思われたのだが・・・
昨日朝、旅の最終日、宿の新聞を広げた。
長崎新聞第2部の特集 長崎の宝「人類共有」世界遺産へ という記事がある。
前の日、歩いたところがきちんと紹介されているではないか!
長崎新聞創刊125年の12頁の大特集。
長崎は「明治日本の産業革命遺産 九州山口と関連地域」、
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の二つが
世界文化遺産登録を目指している。
すでに2007年、国内暫定リストに載った。
2015年、2016年にはこれら二つの新しい世界文化遺産が登録されそう。
昨日歩いた旧外海町(現長崎市)の出津教会堂とド・ロ神父関連の記事も詳しい。
写真の白い教会堂が出津教会堂。
最初のページ、レンガ造りの教会堂は上五島小値賀島(オヂカジマ)の隣り、野崎島にある野首教会堂。
私は、若者たちを案内する候補の一つにこの野首教会堂を挙げていた。いまは住む人もいなくなった島に教会堂だけが静かに立っているという、その状況を若い人たちに見せたいと思った。
しかし、夜の船旅、台風や大雨などいくつかのリスクを考え、今回はパスしたのだった。
私は長崎新聞を買って、若者たちへのプレゼントにした。ご両親にもいいお土産になると思った。
少し紆余曲折があり世界遺産への指定が遅れたが、めでたく世界の人たちに向かって“どうぞこの歴史をご覧ください”
と大きな声で呼びかける根拠を得たことになった。
旧友の二人の孫君たちに、私も胸を張って「だから、長崎の一番西の地域を歩いたんだ!」と言えることになった。