明治の文豪、森鷗外は足かけ4年間、小倉で過ごした。
きょう、北九州市小倉北区を訪ねた。
小倉城ー。
紫川のほとり、小倉城の石垣のそばに
森鷗外の文学碑がある。
「我をして九州の富人たらしめば…」
一度読み直して確認したい内容。
『鷗外のドイツ滞在に学ぶ』という講演会が開催される。
主催:北九州市・福岡ユネスコ協会
11月9日(金)午後2時から、北九州市立松本清張記念館で。
講師は九州大学名誉教授、清水孝純氏。『ドストエフスキー・ノート』で池田健太郎賞受賞。森鷗外、夏目漱石、ドストエフスキーに関する論文多数。
入場無料、申し込みは北九州市文化局文化振興課へ。電話093-582-2391 FAX 093-582-2677 早めにお申し込みを。
パン屋さんのお店でコロッケサンドをパクついていると、この店の大将がそばに来て言った。「『シメイ』を忘れたら人間いけませんな!」
「『シメイ』???」すぐに理解できない私。大将がゆっくり話す。「使命のこと!」。「あ~使命感の『シメイ』ね…」。
いつも歩道近くに置いた椅子で半分眠っている大将だが時々哲学的なことばを私に投げかける。時に禅問答のようなことを繰り返す。
「いやーその通り。私の最初の退職のとき、名刺入れから名刺を抜きとってね、あくる日名刺入れを見たら、ツヤツヤしていた皮は萎んでしまい可哀相な姿になった。名刺入れだって使命を奪われたらみすぼらしくなるんですな~」と変な相槌をうった。
ポケベルが…鳴った。大将の『使命』が何だったか聞き漏らしてしまた。また今度会ったら聞いてみよう。
能古島へ行く。渡船もバスも行楽を楽しもうという人たちでいっぱい。
ほぼ満員のバス。右に揺れ左に揺れながら島の坂道を登って行く。
隣りに若い夫婦と二人の子ども、3歳くらいの男の子はパパのジーンズのポケットがつり革。5歳くらいの女の子はママの足を両手で捕まえて倒れないようにしている。そのママはパパの腰に手を回し、しっかりつかまっている。パパは4人の家族を支えるために両手でつり革を握っている。若い丸い顔のママは、時おりパパの顔を見上げて微笑む。
みどりの夏みかんが窓をかすめる。コスモスも道端に揺れている。ママの手がマブシイ!パパを信頼し、パパと愛し合っているのがわかる。揺れるバスも4人の家族には楽しい乗り物だろう。
バスを降りる。爽やかな風が吹く。
つれあいのプールのお仲間。私はボデーガード。
アイランドフェスタだそうな。
コスモスは少しずつ花の季節がずれるように植えられている。秋桜!なんど見ても美しい。
あどけない地蔵さまの表情が、
心をなごませてくれる。
ここから一人、能古島を歩く。
作家、壇一雄の句碑がある。
「もがり笛、いく夜もがらせ 花に逢わん」
壇一雄の旧宅から福岡市の町が望見できる。
いま、渡船が港を出ていく。
壇もこの光景をみていたのだろう。
帰りの渡船の中、ママといっしょの子どもは嬉しそう。