青嵐の風!爽やか。
33階のビルの前、楠の緑ががようやく育ってきた。
楠の緑が青嵐に揺れている。
楠の逞しい生命力。ここに楠がトラックで運ばれて来た時、楠は緑の枝先をほんの少し残して、枯れ木のように剪定されてしまった。その残った枝の先の葉が枯れた?と思った次の瞬間、4月だったか、緑の芽が枝のあちこちから吹き出した!さすが、みどりのプロフェッショナル、さすが樹木のパワーを知った。
運ばれてきたとき、根っ子はコモに包まれ、しっかり守られているようだったが、この大きな木を支えるにはあまりにも小さな根に見えた。しかし今、楠の根は、大地に向かって細根を次々に伸ばしているのだろう。
ベランダに出ると目の下にあるこの木を私は朝な夕な眺める。玄関を出ると、必ずこの木を見ながら外出することになる。帰宅した時もこの木にまず挨拶をする。夜、ライトアップされていてちょっと気の毒だが、楠は平然と聳え立つ。このたくましい生命力を友としたい私のいまの気持ち。
時代も人も変わる。組織とて変化せざるを得ない。大木もいつか朽ちるときが来るのだ。森羅万象は少しずつ変化する。