浜野巌治


博多湾の浜辺に住む頑固ジジイです。

『おしんの遺言』

2010年08月31日 | 日記・エッセイ・コラム

朝の連続テレビドラマ「おしん」を知る人は40代以上の方々となるだろうか。

放送されたのは昭和58年(1983年)から59年にかけてのこと。東京ディズニーランドがオープン、ワープロやパソコンが普及した時代。「おしん」は平均視聴率52%という大評判になったテレビドラマだった。バブル崩壊がやってくる前の時代。

主人公の幼いおしんは、雪の降る中を川船に乗って父母と別れた。日本がみんな貧しかった時代…

「困難にめげず、健気に生きる主人公に涙が止まらない」「おしんの姿に、耐えることの大切さを教えられた…」と視聴者から声が寄せられた。おしんフィーバーが起こった。しかし、と、脚本家の橋田壽賀子さんは書いている。

「実は、『おしん』で私が書きたかったのは、「日本人はもうこれ以上、経済的に豊かにならなくてもいいのでは!?」「そろそろ身の丈に合った幸せを考えてはどうですか」ということでした。」

“身の丈に合った物差し”を持って、混迷するいまの時代と向き合うことの必要性を、橋田さんは語る。

85歳の橋田壽賀子さんは『おしんの遺言』として胸に去来する「遺言」を綴っている。

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『おしんの遺言』橋田壽賀子著、小学館刊、1470円。きょう書店に並んだ。


大きな虹

2010年08月30日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日に続く猛暑、そして夕立。

5時半過ぎ、涼風が吹きこみ、たちまち気温は35℃から26℃に下がった。「涼しい!」と声を出す。

6時前、巨大な虹が出た。

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太陽は西、東の空に虹。雷鳴が遠くなる。

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北側のベランダから見れば虹の半分、そして南側のベランダから虹の半分。

むかし昔、みつえとのりおが小学生のころ、道を歩いていたらきれいな虹が出た。私は、「虹が出てますよ!」と、通りがかりの人に言った。また、次の人にも言った。

長男と長女は私の袖を引っ張って言った。「止めろよ!」。

そうだ、道行く人に向かって、「虹が出てますよ!」という人がどこにいるか?

私は、こんなにきれいな虹が出ているのに、気付かないで通り過ぎる人が不思議だった。きっと知らないのだ!私は恥も忘れ、「虹が出てますよ!」と、呼びかけた。

「ウーン…」、遠い遥かなとき、虹が出ている、その虹を見るささやかな喜びを共に味わいたいという私の気持ちは、今から考えてもオカシイものだった…