たまたま実家に電話した時、
実の祖母(92歳)が入院していると聞いた
肺炎をおこし、経管栄養になっていると。
夏に会ったときは、足元はおぼつかなかったけど
まだまだ元気だったし、喋られた。
いてもたってもいられなくなって、週末を使って帰省した。
実家に到着して荷物を置き、面会に行った。
病室に入ると、そこには痩せ衰えて虚ろな目をした祖母が、
静かにベッドに横たわっていた。
チューブのせいで声が出しづらく
何を言っているか聞き取れない
ただ一言『しんどい…』と言った。
チューブを外してしまうからか、手にはカバーをかけられ、手も握れない
少しだけ出ている手首を、握った
折れそうなくらい、細かった
これがあの、幼い頃に抱き締めてくれた腕なんだろうか
よく繋いでいた、手なんだろうか
今は弱々しく、ただそこにあるだけだった
つらかった
思いのままに泣けたなら、どんなに楽だろう
でも、祖母にわかってしまう
自分が心配を掛けていると、気付かれてしまう
そして、更に子供たちの心配を強くしてしまう
泣いてはいけない
振り向くと、そこには
同じように目を潤ませて
我慢している子供たちの顔があった
帰る前にもう一度、会いに行くね。