HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

『望み』雫井脩介 

2021年02月28日 |  favorite & レビュー

 

 

この文庫本を本屋で手に取ってから、長い時間が経ってしまった。
少しずつ読み進めていたのだけど、仕事でも多くの文字を見るのと、
年齢による目の疲れと、見辛さに、
プライベートでは文字を追いかけるのが苦しくなってしまった(苦笑)

そんな中、Amazon primeで映画が見られることを知り
どちらかというと、文字で先に読みたいタイプのワタシは
ようやくエンジンがかかったのだった。

何故、小説が先かと言うと、小説を読みながら、シーンシーンを頭に映像化しながら
読み進めるタイプのワタシは、先に映像を見てしまうと、
それらに邪魔されてしまうような気がするのだ(苦笑)
が、しかし、今回は少し時間があったときに、映画を見てしまった。
ワタシの読んでいたところは、映画の開始30分で追いついてしまった(笑)


石川一登・貴代美夫婦は、息子・規士、娘・雅との4人家族。
夏休みが明けた連休、息子の規士が家を出たまま行方不明になってしまう。
サッカーに明け暮れていた息子が、足のケガをきっかけに
あまり良くない友人とつるんでいるという話も聞いているが
反抗期のこともあり、あまり追求しなくしていた。

そんな中、とある事故から、殺人事件に息子が関与しているのではないかという
疑惑が持ち上がる。
息子は行方不明。
果たして、息子は加害者なのか、被害者なのか。
なんの情報もないまま、家族は他人の憶測に振り回され始める。

息子の何を信じたらよいのか、自分の息子に対する『望み』はなんなのか。
「望み』が正しいか正しくないかではなく、
自分が何をもってそれを『望み』とするのか。

人々の様々な葛藤と思惑、それに翻弄される家族。
「息子を信じる」ということの答えが、最悪の状況になってしまう考えと
「そうではなかった」ときに、どう息子を受け止めるのか、
どんな形であっても、息子が生きていることを望むのか。

家族それぞれの、望みが顔をのぞかせる。

個々の人間の集まりでありながら、同一の生活をし、血を分けた存在であることが「家族」
その微妙な糸でつながれた人間が、それぞれの思いと価値観の中で抱く『望み』
とても、リアルな現実が、そこにある。


映画は、小説を忠実に映像化されていた。
頭の中で映像化しても、おそらくこんな映像だろうというような雰囲気だった。
センスの良い家と、そして一登の経営する設計事務所。
遠い上空のアングルから、その家にピンポイントする映し方が
まさに、「この家族」を題材にしているということを表している。

絵にかいたような家族、その家族が息子の行方不明を機にぶつかり合う。

役者それぞれの演技が光り、息子と対面するときの堤真一の演技が、
とても強く、胸を打つ。
大泣きすること必至だ。(ワタシは泣いた!←自慢かっ)
母親役の石田ゆり子も、芯の通った役を見事に演じている。
(推しだからというわけではない、一応(^-^;)

他人の、フィルター越しの勝手な憶測や行動、
家族のそれぞれの葛藤と『望み』
本当に、そこには現実がある。

いつ自分に起こってもおかしくない、話だった。

☆☆☆☆★

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ええ加減にせいっ!

2021年02月11日 |  雑 日 記

ここ3年ほど、上階の騒音に困っている。
一年が経った頃、管理会社に伝えたところ
しばらくは静かになっていた。

もちろん、上階の人は入居するときに挨拶に来てくれたのだけど、
子供を抱いた母親とその夫は、にこやかな感じの人たちだった。

上階から響く足音と、止まっている自転車を見て
子どもは二人いるんだろうと推測されたのだけど、
上の子の姿は見たこともなく、でも、1~2時間泣き続ける声は
どう考えても、上の子のものとしか思えなかった。
発狂して泣く声が、割と長い期間続き、そしてパタリと止んだ。

恐らく誰かが児童相談所に通報したのだろう。

それ以来、その声を聞くことはなくなった。

それから2年。

今度は、夫さんの怒鳴り声が響き渡るようになった。
それは真夜中であろうと、昼間であろうと始まり、見境がなかった。
その怒声を聞きながら、ワタシは固まる日が続いた。
実の父親と夫の怒声を長年聞いてきたワタシは、
恐怖のあまり頭が真っ白になるらしかった。

ある日、また怒声と暴れる音が響いてきたので、
「通報レベルかな」と思っていたら、実際に警察官がきた。
他の住人が通報したらしかった。
ドアを開けるように言う警察官にも、その夫さんは迷わず怒声を浴びせていた(苦笑)

コロナ禍において、同じような人もいるかもしれない。
その夫さんも、新型コロナが蔓延し始めてから、暴れることが増えたように思う。

でも、そのはけ口を身近な弱いものに向けてはいけない。
言い分もあるだろうが、それは通用するものではない。
なにがどうであろうとも、やってはいけないことがある。
人間として、やってはいけない。

・・・ワタシも我慢したぞ。
「お前ら、ええ加減にせいよ!」
と、怒鳴り込みに行きたかった気持ちを(逃)

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