最近、DVD付いてるワタシです(^^ゞ
さて、今回は
『メトロに乗って』
劇場で見たかったのだけど、忙しくて行けなかった。
今回は、ネタバレありですので(笑)
(※ネタバレ部分は(今さらながら)クリックドラッグにて表示するようにしました)
ある衣料品の営業をしている、主人公 長谷部真次43歳。
留守番電話の「父、入院」をいうメッセージを聞いて、
そういえば、今日は兄の命日だ・・・と、思いを馳せながら家路へと。
地下鉄のホームには、誰一人いなかったが、中学時代の恩師の姿があった。
「今日はお兄さんの命日だね。あの時のことは、よく、覚えているよ」
電車もエスカレーターも止まっている駅で、ふと兄の姿を見た真次。
まさか・・・と思ったが、後を追った。
長い階段を抜けると、そこは昭和39年の街だった。
兄さんを助けられるかも!と、思うのだが、結果的には無理だった。
ずーっと、タイムスリップしているわけじゃなくて、
ちょこちょこと行ったり来たりする感じだ。
最初と途中だけ、駅の階段を使ってのタイムスリップだけど
そのほかは、何かの拍子、もしくは、夢に入る時だったりと、色々だ。
写真の二人は、俗に言う「不倫関係」
ワタシは途中まで、気付かなかった(^^;
分かった時、「なんてヤツだ、このヤロー」って思った(爆)
一緒にいたときに たまたま同時にタイムスリップしたせいか
はたまた、
「運命」か。
その後も、一緒に過去を旅することになる。
でも、みち子は真次の父親が誰か分かった時に、気付いていたはずだ。
そんな中で、自分の気持ちを抑えられず葛藤しながら、生きるみち子。
自分の父親の大きな心を知って喜ぶ、真次。
父は、自分の子供ではない兄を、自分の子として受け入れ
実の父親と同じ道を歩んでもらいたいと、心のそこから望んでいたのだ。
そして、みち子は自分の母親が、自分の誕生を心待ちにしていることを知り
幸せを感じる。
でも、それは、彼女の心を決める出来事になる。
「ねぇ、お母さん。お母さんと好きな人を秤にかけてもいいかしら?」
『難しい問題だねぇ。そりゃ~、好きな人の幸せを願うべきだろうさ』
「お母さん、ごめんね」
自分を居なかったことにする、行動だった。
階段から転がり落ちる、ふたり。
みち子を助け起こした真次の腕の中から、みち子は消えた。
そう、二人は異母兄妹。
好きになってはいけない、相手。
そこだけ、ちょっとムカついた。
辛いってわかってるなら、足を踏み出しちゃいけないんだぞ。
親とみち子の気持ちを知り、自分の家庭を顧みる真次。
自分も親として、地に足をつけた生活を送る。
子供の視点からのものの見方では知り得ない、親の感情と環境。
自分が生まれる前の、自分が生まれてからの親の本心が分かるという設定。
少々、強引なところもあるけれど、親とはいえ、表面的な部分だけでは理解できないものがあるということだ。
実は、ワタシも若い頃、父に対して言った一言がある。
「なによ、大人なんて、世間体ばかり気にして!!」
母に対しては
「都合のいいときだけ大人扱いして、それ以外は子ども扱いするの?」
今になって分かる。
それは、紛れもない子供を思ってのこと。
ただ真っ直ぐな気持ちで突き進む子供への、ほんの少しの注意と愛情。
愛情の見え方を知らないワタシが、理解できていなかっただけだ。
大人になって見えてくる、親たちの人生。
自分より遥か前を生きている親たちに、感謝だ。
そんな気持ちになる映画です。
追記:劇中に出てくる「罪と罰」の本。とても象徴的です。