心と身体がよろこぶ“気功養生”

「養生気功塾」のお知らせ、気功の魅力、気功養生法、気功の生活術をメインに、日々のあれこれも書いています。

気功法(功法)基本技法

2023-04-24 06:50:58 | 気功の話

生前ご縁のあった

津村喬さん。

 

私が津村さんの文章を紹介させてほしいと

ご連絡すると

いつも

「どうぞどうぞいつでも使って広めてください」

といってくださったので、

たまに

ご紹介させていただいています。

 

今回はこれ。

 

「気功法(功法)」

 

気功にはとてもたくさんのやりかたがあります。
ひとまとまりの、形になっている作品としての気功法を「功法」といいます。
気功にはとてもたくさんの功法があります。
音楽の曲目のようなものと思ってくれていいのです。
バッハのチェンバロ組曲もあればブラームスの交響曲もありショパンのピアノの小品もあります。
古い楽譜が残っているものもあれば、誰が作ったかわからないが曲だけがはっきり残っているものもありまたやりかたの説明やイラストの断片が残っていてこうかなと討論して復元されたものもあります。
 
伝統の気功を「古典気功」と「流行気功」に分けます。
古典気功は明・清以前から伝わる、文献や図録が残っている気功法です。
誰が作ったかわからないものもあれば有名なお医者さんや武術家の名前と結び付けられているものもあります。
流行気功は一応近代以後に古典気功を継承したり、新しく工夫をした、またすっかり創作したといわれる気功法です。
 
《中華気功大典》というのは信頼できる研究者が集まって編纂した気功の大辞典ですがそこには90種類の古典気功と720種類の流行気功のやりかたが掲載されています。
これには法輪功のような金儲けや政治的扇動のために適当な気功法を寄せ集めて古くからの気功であるように見せかけたものは含まれていません。
比較的信頼できる気功法だけが集められています。
これ以外に2000年代に入って国家体育委員会が立場の違うたくさんの気功家と科学者を討論させて新たに作った四つの気功法があります。
それぞれ頭に「健身気功」とつくのですが八段錦・六字訣・五禽戯・易筋経の四つです。
これは歴史上初めて、たくさんの人の話し合いによって作られた気功法です。
初めての人がやっていくスタンダード・モデルとしてとてもよくできています。
それでいま気功には「健身気功」と「古典気功」と「流行気功」があるわけです。
これから流行気功はもっと整理されていくと思います。それをカタログ化していくという仕事については、またゆっくり話します。
 
それ以外にもうひとつ、「基本技法」と呼んでいるものがあるのです。
いまのところ、五つのやりかたがこのように呼ばれています。
「背骨ゆらし」
「站樁」
「スワイショウ」
「リラクセーション」
「グルーミング」
の五つです。
これらはまとまって名前のつくような体系ではないのですが、非常に大事な練習方法です。
これだけきっちりやれば、ほかの功法をしなくても気功の基本的な目的は達せらますしこれだけで「達人」となることもできます。
簡単に誰でも入れるのですが果てしない深みがまたあります。
 
「背骨ゆらし」は基本は坐ったまま、背骨を左右、前後、右回し、左回ししていきます。
もともと手はついていませんが手を上に伸ばしたり、マッサージしながらしたりいろいろな変化があります。
 
「站樁」は「たんとう」と詠みます。
あるポーズでずっと立っているだけの武術練習ですが病気治療にも応用されることがわかって、ひろくやられています。
 
「スワイショウ」は立って手を脱力したまま何百回も何千回も振っていく方法です。基本は前後に振るのと、ひねっていくのとがあります。
 
「リラクセーション」は動作でリラックスしたり、呼吸法でリラックスしたりイメージでリラックスしたりしていきます。
 
「グルーミング」は自分でするマッサージです。
 
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背骨ゆらし
背骨ゆらしは、基本的には坐ったまま、上半身だけを揺らしていく方法です。
基本のバターンとしては、「左右ゆらし」「前後ゆらし」「右まわし」「左まわし」の四種類があります。もともとは「臨済の七支坐」といって、坐禅をサポートする練習方法のひとつでした。このやりかたは特に仏教と深い縁があるらしく、もうひとつ、立ったまま前後左右に揺らしていく「禅密功」があります。どちらも仏教の内部で千年以上の歴史を持っています。
仏教によって採用される以前は、民間の蛇のまねをした気功、あるいは蚕のまねをした気功等が源流になっているようです。その意味では「亀蛇気功」により古い形の背骨ゆらしが含まれています。
左右の揺れは消化のよくなる動き、前後の揺れは呼吸が整う動き、回転は汗、尿などの水分代謝が整う動きです。
手を上に伸ばしたり、おなかや腰、膝をマッサージしながらしたり、肘を抱えてしたりという方法は日本で付け加えられたものです。いろいろなところを緊張させたり、ゆるめたりしながら、体をより深くリラックスし、また活力を与えていきます。楽しみながら、一日の疲れをとってください。
 
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スワイショウ
スワイショウは手をぶらぶらさせるという意味です。
ここでは二系統の、手を前後に振る方法と、腰からひねって手を体に巻きつけるようにする方法とをしています。スワイショウには非常にたくさんの形があるのですが、この二つが一番やさしく、また代表的なものだからです。
スワイショウはずっと繰り返しのバターンをやっていく中でのほぐし運動です。リラクセーションには呼吸を使ったりイメージを使ったりするものがありますが、これは手足の運動によるリラックスです。気功法には次々に難しいパターンをつなげていくやりかたもありますが、覚えるまでもないやさしい運動を繰り返す中で段々に脳を深く休めていくさまざまな方法があります。その代表的なものがスワイショウです。
もとは武術のコツを伝えるために、脱力して同じパターンを繰り返す練習をしていたのです。それが健康目的にも役に立つことが理解されて、武術の世界だけでなく、病院や公園の健康体操として広まり始めました。
前後のスワイショウは全体として「心肺のスワイショウ」で、ひねる運動は「肝腎のスワイショウ」です。でもどちらも全身に及んでいって、まるごとほぐれていく方法です。
 
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グルーミング
グルーミングは猫が自分をなめたりする「毛づくろい」のことですが、猫はそれできれいにしているだけでなく、自分をとりもどしてくつろぎたいという時に自分をなめているので、自己マッサージのことをグルーミング気功とよぶようになりました。
その起源は古く、紀元前の湖北省の引書導引、湖南省の馬王堆導引や、隋代の『諸病源侯論』の三百近い導引法、唐の名医孫思邈の老子按摩法などにたくさんのグルーミング気功は含まれています。
現代になって、中国唯一の気功専門病院である北戴河医院でやられた保健功が全国標準になりました。これをもとに、私は日本で「耳のグルーミング」「目のグルーミング」「あごのグルーミング」「脳のグルーミング」「足のグルーミング」などを開発してきました。あまりにいろいろ作られたので、その索引というべき三つの基本技法を「五転・五浄・五触」つまり五つずつの回す運動、五感マッサージ、また五つの内分泌気感の手当てとして整理しました。
ここではその基本の「五転・五浄・五触」と北戴河の保健功の後半部分をとりあげています。自分で自分をなでる感覚に慣れてから、まわりの人にもしてあげてください。
 
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站樁(たんとう)
站樁はただ立っているだけの気功法です。
坐れば坐禅ですが、立っているので立禅ともいいます。
もともとは中国拳法の歴史の中で、強くなるためにじっと立つという練習方法があったのです。ところが立っているだけで肉体的にもバランスがよくなってくるだけでなく、精神的にも練れてくるし、心身の病気がみな消えていくというので、拳法をやらない人もこれだけ練習してみていいのではないかと次第に一般に広がりはじめました。中国拳法を集大成した王薌斎はこれを一般に指導して、いろいろな病人に伝え、たくさんの人を救いました。ありふれた胃腸病や神経衰弱から重大な難病まで多くの人が元気になりました。 王薌斎の站樁の型は多く、あるお弟子さんは67種類の方法を整理して記録しています。その中には、元気はつらつと低い位置での站樁功もあれば、ポケットに手を入れたり壁に寄りかかったりの病人向けの「休息式站樁」もありました。
ここでは一番基本になる四つの站樁功と、肝心脾肺腎の五つの内臓に合わせた五行站樁をしています。まずじっと立つことの楽しみにふれてみてください。
 
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リラクセーション
気功はすべてリラックスから出発して、やっていく中でさらに深いリラックスを実現していきます。次第に質の深まるリラックスというのは気功にとって大きなテーマです。それによって、体にしみついた緊張の癖を取り除いていって、自由に気血が通る体と心にしていくのです。
しかし割合初心者のうちに、とくにリラックス法だけを練習しようという方法もあります。上海市気功研究所が活動を始めたとき、ほとんどの人が緊張症であるという現実があったので、放松功(リラクセーション)のやりかたを研究して、気功を始めるときにはいつもそれから始めるというようにしたのです。皆さんもまだ緊張しているなと思ったら、リラクセーションから始めてください。
 
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《動作によるリラクセーション》
ここではまず体を揺する方法から始めました。これは道教養生長寿術の中の一つの動作ですが、それを簡単にしてあります。次に三円功をしてからそれにもとづく簡単な自発動をしてみました。
 
《呼吸によるリラクセーション》
吐く息を長くしていく長出気法、リラックスという意味の「そーん」の音、そしてチベット密教のオン・アー・フーの音を試しています。
 
《イメージによるリラクセーション》
体を五つに輪切りにしていく五段放松功と、体の前、横、後ろの線でほぐしていく三線放松功をしています。
 
 
 
 
参考までに。
 
 
 
また
 
養生気功塾でお伝えしているのは
 
「伝統気功」

 
その功法と共に
 
ストレッチや部分功などもいれつつ・・
 
それらには
 
上記の基本功の要素も含んでいます。
 
 
心と身体を深くリラックスさせて
 
ととのえていく気功
 
 
ご興味ある方は
 
ぜひどこかのレッスンへいらしてください。
 
 

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