お正月以来、彫り進めていた「原田泰夫書」と「源兵衛清安」。
ようやく彫り終えたので、昨日から錆漆を埋め始めました。
それぞれの映像は、画面左半分が昨日の刷り込み1回目の状態。右が2回目を刷り込んだところです。完全に埋めるには、文字の彫り跡が見えなくなるまで6回ほど塗り重ねなけねばなりませんが、今年の冬は温暖なので順調に工程が進められそうです。
お正月以来、彫り進めていた「原田泰夫書」と「源兵衛清安」。
ようやく彫り終えたので、昨日から錆漆を埋め始めました。
それぞれの映像は、画面左半分が昨日の刷り込み1回目の状態。右が2回目を刷り込んだところです。完全に埋めるには、文字の彫り跡が見えなくなるまで6回ほど塗り重ねなけねばなりませんが、今年の冬は温暖なので順調に工程が進められそうです。
彫の浅い個所と深い個所では、錆漆の量が当然違う。
そうなると浅い個所の表面処理が難しい。
深い個所と浅い部分、塗布すね際個所変えての塗りも難しい。一様に塗って凸の部分は面一に留める様、手間掛かるでしょう。
彫埋め駒段階も想像以上に工程必要ですね。驚きました。
通常、漆はほかの塗料と違って、ヤセることはありません。ほかの塗料は、成分の一部である希釈成分が空気中に蒸発しながら固まるため、ヤセる現象が起こります。
これに対して漆は、成分の蒸発はほとんどなく、漆の成分と空気中の酸素が化学反応しながら固形化します。
よって、漆の場合は、やせることはほとんど起こりません。では、なぜ1回ではなく、6回も塗り込むようにしているのでしょうか、について説明します。
彫ったあとに、漆(砥の粉などを混ぜた錆漆)を塗りこんだ場合、彫り跡は普通の彫り駒と同じように、文字の太さに応じて、深く浅く彫っています。深いところでは1ミリくらいで、塗り込んだ漆の厚みが結構、厚くなりますが、塗り込んだ漆は、表面から化学反応が進みます。しかし一見、表面が乾いても、漆の中の方はユルユルのままでシッカリ乾くには、数日かかることもあります。
説明が長くなりますので、以下はブログの本文で説明することにします。しばらくお待ちください。